麺舗 十六 東京・池袋要町







蒼白に霞み掛かった大空は、夏の青い空を隠すものの、淡い陽射しが時折り街に降り注ぐ、降水確率10パーセントの六月中旬休日の土曜日だった。

先日何気なくラーメン関係の本を見ていると、JR池袋駅から少し離れた要町寄りの場所に、知らなかった人気行列店の存在を知った。

もう営業を開始して、既に8年程近く経過しているらしい。連日盛況で店頭には、列が絶えない人気ぶりだそう。

そんな訳で、大変その美味しさが気になる所となり、本日また電車に乗って都内へ出掛けた私だった。飯田橋で久々の東京メトロ有楽町線に乗り換え、初めて要町駅で下車して外に出た。

池袋駅の次駅と言う事で、雑多な繁華街の下にある地下駅かと言うイメージがあったが、実際に来て上がって見ると大通りは閑静なビジネス街で、路地を入れば閑静な住宅や寺院も立ち並ぶ周辺であった。

都道441号線の通りを池袋駅方面へ進んで行くと、カッパブックスでその名を馳せた出版社の光文社のビルがあり、その奥の左路地を入って行く。

するとこちらの店頭に、出来ている外列が見え、その場所がすぐ判る様な、異彩が感じられた周辺だった。

午前11時20分頃、店頭へ到着。タイミングが良かった様で、三人程度の外列で済んでいて、早速その後ろへ着いた昼前だった。

すると数分で、後続客が来て三人が並び、七人の行列が出来た店頭となった。そしてその後も、後続客は続いていた。

店舗は昔からある様な、アパートの道路寄りをお店にしたもので、どこか漫画家有志が集った、あのときわ荘の様な雰囲気のある建物であった。店頭は古木を使用した、現代風なラーメン店と言う風情。

ふと見ると、幾つかの店頭インフォの中に、来週の土曜日は臨時休業の予定が案内されており、これは危なかった。

そしてネットでも紹介されていた、麺量の案内が店頭入り口右手にあり、どの量でも金額は同一だそう。並盛の麺量でも充分な量とネットで見つけ、それで少し引き気味な感じで来た事を付記しておく。

などとそんなインフォメーションを、くまなく読んでいる内に列の先頭となり、先客が一人食べ終えて出て来られて順番となり、カウンタをひと拭きしてからお店の方の目配せで、準備OKを確認して入店。

いつもこのように、あちらこちらで食べ歩いていると、各店では様々なしきたりや慣例があるが、大抵は他店とは大差ない場合が多い。

ただし、食べ歩いてこうした文章を提供する立場の私は、可能であればオツリの無いよう心掛けつつ、列の前の方の行動をチェックして、次の段階に備える事が多い。

さて席に腰を降ろすと、オーダーの確認があり、ネットでほぼ決めていたこちらの特製メニューらしい、十八番つけそばの並盛りにして、店頭でねぎ増し無料インフォを見つけてそれでお願いした。

こうしたタイプのお店で並盛り460gとあったので、てっきり茹でる前の麺量かと思って少なめでお願いしたが、後の店頭インフォのフォトチェックで気が付いたが茹でた後の麺量だった。

程なくやって来たつけそばは、そんな量の麺だったが、加水率の所為か標準よりもやや多めの量に感じられ、量的には今思えば丁度良い内容量だった。

その味はなるほど、人気店なのが良く判る美味しさで、いつもの様に表現すればそこはもう、いやいやいやいや、何とも何とも、美味い美味い美味い美味い美味い。

野菜が多めに入ったつけ汁は、どこか中華の旋風を感じるスタイルがあり、麺はなるほど極太でありつつもツルツルと来る、なかなか良く出来た麺で、汁ともバッチリ合ったものだった。

肉が多めに底に沈んでいて、様々な食材の旨味が閉じ込められているつけ汁で、強い香味野菜によるインパクトや、魚粉を浮かせた最新事情のスタイルとは、一線を画すタイプのものと言えた。

そして熱意と創意工夫で、心をゆり動かすパワーが漲っており、来るまでいだいていた、イメージを大きく払拭させながらも、かなりに満足度の高い一杯に仕上げているつけ麺とも言えた。

そんな訳で、予想に反した少なめの麺量なるも、気が付けば完食の頃はその旨さゆえに、小鳥がさえずる楽園の中に、身を委ねていた自分を実感していた。

スープ割りも、そんな大人しめのシフトにも好感が持て、来て良かった麺舗十六さんであった。


(左フォト) 十八番つけそば並ねぎ増し(麺・汁)/店舗外観/都道441号線 (2009.06.13)


 麺舗 十六 (めんぽ じゅうろく)

 茹でた後の麺量:小・約200g/1.5・約340g/並・460g/2.5・約580g/多め・約700g

 住所:東京都豊島区池袋3-6-8第1京花荘1階

 定休日:日曜・祝日  営業時間:11:30〜15:00(ラストオーダー)

 アクセス:東京メトロ有楽町線要町駅出口5下車。都道441号線を池袋駅方面へ進み、光文社
       ビル奥の左路地を左折して進んだ左側にある。



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