梅乃家 千葉・竹岡
※2015.8.3隣家火災の影響で当面の間休業







大空は雲で覆われているものの、陽射しを輻射熱で感じる程に雨の降る気配もなく、時折り吹く微風も爽やかな、六月半ばの金曜日だった。

今日は久々の検診日で会社を有休で休み、会社に出るより早起きして、千葉市内にある大学病院へ出掛けた日であった。

それも特に問題もなく終わり、JR千葉駅には正午少し前に戻る事が出来た。最近は主に都内の食べ歩きが多く、千葉県内でも特に房総半島方面のラーメンが御無沙汰だった。

ここまで来たのであれば、そんな事もありせっかくだし、更にその先まで行きたいところ。以前は病み上がりだった事もあり、そう思って諦めていたが、今日は出来れば遠くへ行きたい。

と言う訳で、切符売り場でとりあえず、青堀までの切符を買って改札口を入る。そしてキヨスクで繋ぎのオニギリ一個と、冷茶の450mlペットボトルを購入し、正午丁度発の内房線館山経由安房鴨川行きに乗車して、千葉駅のさらに先へ向かう事にした。

車内は比較的すいていて、座席も四人掛けシートだったので、気兼ねなくオニギリをパクつけた。そんな事もあり、当初は青堀で下車して某店と言う選択肢もあったが、その駅に到着する頃には、隠れていた陽射しも顔を出し始め、こちらへ向かおうと言う気持ちに火が点いた。

青堀まで来れば上総湊までは、大した事は無い様に思えるかも知れないが、数分間隔で電車がやって来る都内とは勝手が全然違い、タクシー代等の費用が掛かるだけでなく、はっきりしていない月イチ休業もあったりして、何かと清水の舞台があったりするのだ。

上総湊に到着したのは、午後一時十分頃だった。案の定バスはしばらく無い時間帯。見るとタクシーが二台止まっており、普段から京成グループの君津タクシーさんが常駐しているJR上総湊駅だった。

そのタクシーに乗り、早速こちらへ向かう。途中の車内では運転手さんと、ラーメン談義に花が咲いた。海岸線に近い国道を進んで行き、駅から六分程度すると店頭が見えて来た。

すると突然運転手さんが「あれえ?」とか言い出し、緊張が走る私だった。ここまで来て臨時休業だったら、悲し過ぎると言うものだ。「ああ、大丈夫、やってるやってる」との事で、想像の中だけで運転手を殴りつけた(おいおい)。なおタクシー代は、1250円と言う金額。

爽やかな青い空。直ぐそこに見える青い海。遠くに見える波が、陽にきらめく海洋、そして目前に梅乃家である。また来てしまった、実に五年振りの店頭だ。

平日でも外列が出来るこちらだが、タイミングが良かった様でそれは無かったが、入店して見ると満員だった。店内の二人掛け待ち椅子に促された。オーダーはそこで聞かれ、大チャーシューメンとヤクミをお願いする。

そして数分で席が空いて、右奥テーブルの壁際の席に案内された。ちなみに左手の座敷では、地元の漁師さんらしき二人の方が、梅割りをガブガブ呑んでおられた(汗)。ふとカレンダーを見ると、今月のこちらの月イチ休業日は、今週の月曜日になって過ぎていた。

席について待っていると、入り口付近は後続客が続いていて、ちょっとした外列が出来ており、やはりタイミングが良かったよう。平日の午後一時過ぎと言うのに、さすが元祖竹岡式ラーメンの人気店だった。程なく到着。

おお、ナミナミとスープが入ったラーメンがやって来た。そのこぼれたスープが、乗せて来たトレーの上で揺れていて、木製のテーブルにも、置いた勢いでやはり少しこぼれた(笑)。こんな所はどこか、海の家を連想させる。

レンゲを忘れたみたいで、いつもの様にラーメンを撮影していると、空いた方の手にそのレンゲを持たせてくれた。

さてそれではと、五年ぶりのこちらのラーメンを食らえば、いやいやいや、これがおや?と思う程にもう、美味い美味い美味い美味い。香ばしいチャーシューに、泡雪のような刻みタマネギが、またたまらない。

実に旨いチャーシューはそのままに、乾麺の風情に大きな違いは無いが、スープは何となく仕様を変えた感じがあり、この五年で何があったのかと思うほど。

感慨深い中で訪問した所為か?はたまた、旨いチャーシューの脂で、そう感じてしまったか?いや、甘みがあった気にもなった。ともあれ、うやむやの内に、気が付けば完食(おいおい)。それほどに、微妙でもあった。

精算を済ませて外に出て、バスの停留所に立てば、バスはやはり当分のあいだ、来ない時間帯だった。とりあえず、このままUターンするのも何なので、そう遠くない海岸線へ続く下り坂を降りて見る事にした。

真っ直ぐに下りて見ると、漁船が駐車場のように海から揚げられて並べられている漁港がある周辺で、少し遠くには市場らしき岸壁も見えた。

右手に進んでゆくと、ゴツゴツとした岩場がある景勝地らしき風景が広がり、しばしそんな眺めに砂浜へ降りる事なく立ちつくして馴染んでいた。

そして国道まで上がって行き、またこちらの店頭まで戻る。そこから行きのタクシー車内で貰った、インフォカードを取り出し、ケータイでタクシーを呼んで帰途に就いた。

あじさいの花が海風に揺れていた、海水浴シーズンの少し前らしい初夏の竹岡の街が、タクシーの窓から離れて行った。


(左フォト) 店舗外観/大チャーシューメン+やくみ/店舗周辺二景 (2009.06.12)


 ラーメン 梅乃家 (うめのや) ※2015.8.3隣家火災の影響で当面の間休業(2015.08.22)

 住所:千葉県富津市竹岡401 定休日:火曜日&不定休日月一回有り 営業時間:10:00〜19:00

 アクセス:JR内房線上総湊駅下車。日東バス高島別荘行き十夜寺停前、国道127号線沿い。
       または、君津タクシー(TEL0439-52-0063/0120-52-0063)利用。



車窓から海が見えれば上総湊も近い。
 
上総湊駅から、バスかタクシーを利用。
 
竹岡式ラーメン発祥のラーメン店がこちら。
 
アルコールの梅割りも、名物になっている。
 

いつ訪問しても、盛況な店内だ。

国道側の出入り口に掛かる赤い暖簾。

お店の傍の坂を降りて行けば漁港。

今回はアジサイが咲く頃に訪問した。


休日の朝、突然それは思いついた。「梅乃家へいこう!」と。失礼ながら、営業確認の電話をして、午前8時24分発のバスで自宅を離れた。空は明るいものの、やや、どんよりしている。船橋で快速ホームに立つと、幸いすぐに君津行きの電車がやって来て、幸先良いスタートとなった。 ― わたし探しの旅に出る。 
そんなフレーズが脳裏を過る。

言わずと知れた、内房・竹岡にあるラーメン店で、千葉県を代表する地ラーメンとなっているらしい。竹岡式と呼ばれ、チャーシューの煮汁を、お湯で割った醤油が前に出たスープ。麺は乾麺、薬味として刻まれた生タマネギが特徴らしい。

姉ヶ崎あたりになると、田園の先には鉄鋼所の煙突が見え、車内に陽が射して来た。電車はさらに加速して、臨海工業地帯を駆け抜ける。煙突の先から、真っ白な大量の煙り。一時低迷した鉄鋼業界も、中国特需に忙しそう。君津で24分の乗り換え待ち。そんなもんである。ここから先は単線区間の様で、電車も久々の四人掛け席で、ローカルな景色が目前に広がる。トンネルもあった。快晴の上総湊駅に到着。

周辺からセミの大合唱。駅の方に、バス乗り場の場所をお聞きすると、「そこ」。見ると、日東バスとあり、旧型そうなバスが二台連ねて停車していた。前のバスの運転手さんに、「あの十夜寺・・・」と言うと、「あ、後ろ後ろ」との事で後ろのバスに乗車するのであった。バスはすぐに発車した。先頭の座席に座り、車内がすいているのもあって、運転手さんと世間話し。「ラーメン食べに松戸から?へぇ」バス停を降りると目の前にこちらのお店があった。

近づいた途端、醤油のいい匂いが鼻についた。午前十一時半近くで三時間の道のり。外に二人程の行列。店内の席が埋まっていて、4〜5人のおばちゃんが、せわしそうにトレーにラーメンをのせて注文客に運んでいた。トレーにはかなりこぼれたスープが、波打っていたのだった。あらら、である。席はすぐに空き着席。チャーシューメンに、ヤクミとある、タマネギ追加トッピングもお願いする。厨房が見え、その真ん中にずん胴があり、常に水を注ぎ足していた。国道が目の前で、窓のすぐ前をデカいダンプがけたたましく通過する。程なく到着。

湯(スープ)は濃い方で、単調な醤油スープでありながら、風光明媚な周辺の環境と、小細工の少ない良さが功を奏し、独特な仕上がり感があり、悪くは無かった。特筆なのはチャーシューで若い煮込みのものと、しっかり煮込まれたものと半々で、たっぷり入り旨かった。麺はたすかに乾麺で、スープの色がしっかり移り面白かった。ヤクミのタマネギが甘みもあるもので、尖った醤油スープをやや丸くさせて良かった。

これが竹岡式元祖かと、感動出来た一杯だったのであった。一食の価値あり、である。清算して外に出て、バス停に戻ると、次のバスはきれいに一時間後であった。・・・・・・。さてと、である。少し歩くと川口金物店というお店があった。中におられた方と世間話し。「あれまぁ、わざわざ松戸から?ラーメン食べにねぇ」さりげなくタクシーの電話番号を教えて頂き、ケータイから電話。竹岡駅に着くと次の電車は40分後だった。無人駅の様で待合室では、地元の中学生同志がふざけていて、なごやかな風景。

国道まで歩き戻り、付近の漁港を散策して時間を潰す。青い空と海。風が波を作る。時間が止まった様なひとときが流れる。子供の頃父親の夜釣りに付き合い、よく車の助手席に座り、出掛けたのが内房で、黒鯛が目当てなのにゴンズイばっかりだったのも、今ではいい思い出である。安房勝山あたりの漁港が多く、そこしか思い出せないのであった。

真夏の竹岡駅に戻り、日陰のベンチに腰を下ろす。セミの鳴き声が、山間に鳴り響く。まもなくすると電車が、南国のプラットホームにやって来た。

(2004.07.14)

     
2004.07 国道沿い竹岡式元祖のお店。 2004.07 チャーシューメン+ヤクミ 2004.07 竹岡駅から海はすぐそこ。 2004.07 竹岡駅に帰りの電車が入線。


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