らーめん専門店 東紅
東京・馬込 ※閉店





夜が明けてそう経過してない青空だけが、明日辺りは二十四節気の霜降と示していたような、十月下旬木曜日の朝だった。そんなそろそろ紅葉の季節で、しばらくしてから吹く北風が木枯らしと呼ばれる頃になって来た時期だった。

そんな今日は、社内でこちらの味噌が美味しいと言う話題が持ち上がり、その店名ならば山路力也氏編著「トーキョーノスタルジックラーメン」でも紹介されており、そんな流れの中で出掛ける事にした日となった。

昭和54年に先代が40代に脱サラして、環状七号線沿いのこちらにオープンさせたラーメン店だそう。そしてウリとなるのが美味しい餃子と、その先代が台湾で学んだ味を独自にアレンジして提供する中国的な香辛料の味が特徴らしい、特製ラーメンがイチ押しの現在は二代目が厨房に立つお店らしい。

店頭には開店まもない時間に到着。賑やかな車の音が絶えない環七通りが目の前にあるものの、一時停止もままならない感じの通りだけに歩行者もまばらな周辺であった。

店内に入ると築年数30年のビルの風情で、ここが出来た頃は高校生だった自分がえらく年輩者に感じてしまえる所に思わず苦笑してしまった。

外から見た時は新築ビルに建て替えたかと思ったが、どうやら外壁工事でもしたのだろう。しかし中は確実に時を刻んだ店内で、その風情が好きになれた。

比較的奥のカウンター席に腰掛け、二代目らしいお若い店主にご挨拶しつつ、社内で話題になった味噌ラーメンをこってり目でお願いして、さらに人気メニューらしい餃子も一緒にオーダーした。

二代目と共に先代の奥さんらしき方もおられたが、先代はおられなかったそんな厨房であった。まだ早い時間もあってか、入り口からは車の風切り音が入って来るばかりだった。

後続客が続かなかったので、思わず世間話しなども出来た。そんな中で程なく餃子と同時にラーメンもやって来た。

それではと味噌ラーメンから口にすれば、これがもうなるほどな美味しさで、いやいやいや美味い美味い美味い美味い美味い美味い。豚骨とモミジが利いた旨さらしく、味噌味なのにしみじみと来る味わいが良かった。麺は風情のいい南京軒食品さんの中太麺で、丁寧に出汁をとっているのがとてもよく判る美味しい味噌ラーメンであった。

今日は何だかコッテリで行きたい気分の日だったので、ついコッテリとお願いした分油を多めに入れて頂いたが、あっさり目で口にした方がより出汁の旨みがストレートに伝わり易い仕様だと後から気が付き、口にしてから一人で猛省した次第で後悔先に立たずだった。

チャーシューがプルプルとして旨みを蓄えた美味しいもので、量的にも多めでこれがまたかなりに良かった。

そして餃子の美味しさは、圧巻そのものであった。野菜・肉・香辛料・そして餃子の皮が、まるでオーケストラを奏でる個々の楽器が、タクトを振る指揮車に最高の美音で応えているかの如くで、ジューシーかつプリプリの食感で旨みも弾む美味しい餃子であった。

下落した株価に現在の社会情勢を実感するが、こちらも不況の波に厳しい状況だそうで、そんな声を結構杯数が出るラーメン店でもお聞きしている事をお伝えしたりもした。

そんなお話しを三十年も環七通りでラーメン店を構える方からお聞きするとは、ひと昔前は夢にも思わなかったものだが、時代の変化とはそれ程に激しいものだと思うしかなかった。

なお冒頭で紹介したラーメン本だが、こちらの常連さん等が欲しくても買えなくて困っているらしい。千葉では簡単に変えたが、こちら方面等では購入し辛かったのだろうか。

気が付けば完食。それにしても後味感も素晴らしい味噌ラーメンと、アツアツでウマウマの餃子で、どこか高度成長期だった日本が懐かしくさえも思えた味であった。

(左フォト) 味噌ラーメン/餃子/店舗外観 (2009.10.22)


 らーめん専門店 東紅 (とうこう)

 住所:東京都大田区南馬込1-15-2  定休日:月曜日  営業時間:11:30〜14:30/15:00〜23:00

 アクセス:都営地下鉄浅草線馬込駅環七通り方面改札出口下車。環七通りを左手に進んで行き、
       横断歩道で向こう側に行ってから更に600m直進して行った右側にあり。(渡り逃しても
       途中の歩道橋で横断できます)



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