鳥取 神奈川・箱根板橋
※2010.6.30閉店





6年前に地元で1年間ほど存在していた支店の本店に訪れる為に湯河原へ出掛けた日だった。当初の予定では小田原市内で二軒の予定であったが、その内の一軒を湯河原行きにしたのであった。

そんな訳でもう一軒の行き先がこちらで、小田原まで戻りJRの改札を出てカフェで一息してから箱根登山鉄道に乗り換え、一駅だけ電車に乗って箱根板橋で下車。駅前には車の行き交いが少なかった国道1号線があり、その歩道を小田原中心街へまた戻るように300m程歩いて行くと、こちらのお店が風情よく佇んでいた。小田原系ラーメンの源流の一つと言われる老舗店だ。

店先には鉢に植えられた多くの観葉植物が置いてあり、思わず心が和むそんな店頭であった。紺色の暖簾が微風でかすか揺れ、少し前に再び雨粒が増して広げた傘をすぼめて店内へ入って行く。午後二時近くのランチタイムもそろそろ終わる時間帯で、店主がご自分用のラーメンを作っていて、先客がお一人遅い昼食を摂られていた。

先客より手前の入口そばのカウンタ席に腰掛けたが、入り口を解放させて雨が降り出していた事を考慮して、奥に座るよう促され先客の奥の席に座り直した。こちらでも先程と同じワンタンメンでお願いする。千葉の市川の方から来た事を告げた事をきっかけに世間話しが始まった。お店を始めて50年になるそうで、昭和35年頃に創業されたそう。私のラーメンは女将さんが作ってくれた。程なく到着。

おお、モヤシに刻まれた青ネギも乗って先程のラーメンとビジュアルも近く、そんな事から大西さんの話題を投げた。すると女将さんから大西さんとは家族ぐるみでお付き合いしているこちらだそうで、麺も同じ室伏製麺を利用しているそう。ただこちらではその麺を、独自に手を加えているらしい。

それではと行かせて貰えばこちらもまた美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。豚骨鶏ガラに野菜が利いたあっさりした醤油スープで、そのじんわり加減は心を解きほぐしてくれ、肩の力が抜けて行くようにしみじみと来る美味しさだった。

市川の方から来たと言う事で、一枚多く乗せてくれたチャーシューは柔らかくジューシュー。ワンタンもプリプリした肉厚の皮で、こちらも良い風情に満ち溢れていた。

以前はもっとパンチのある、ラーメンを提供されていたそう。しかし成人病と言う言葉が流行り出した頃、日本は騒然となり減塩ブームが流行した事があった。その時を契機にして通常はまったりとした、塩気が強くない醤油ラーメンを提供しているのだそう。要望があればパンチのある、ラーメンも出来るのだろう。

店名は店主ご夫妻のお名前だそうで、お話しをお聞きすると、何と天湯川田命の末裔だそうで因幡の国で鳥を捕まえた事から天皇より喜ばれた逸話のお話しまでお聞きする事が出来た。そこから鳥取と言う姓が与えられる事となり、現在の鳥取県の由来もそんな所から来ているそうで、大阪の柏原市には祖先の神社もあるそう。

また神奈川県秦野市にある小田原系人気ラーメン店「三憩園」店主は、こちらの店主の甥にあたる方と言う事も教えて頂いた。味の大西さんと言えば、親戚筋しか厨房に入る事が出来ない事で知られているそうで、そこで修行経験が出来たのもそんな事からであった。

そしてその昔、まだ小田原〜熱海間に東海道本線が走っていない頃、明治中期には車両を人が手で押して営業する人車鉄道が存在していた。その後明治後期には、そこへ蒸気機関車が客車を牽引して走るようになった。

その鉄道を熱海軽便鉄道と呼び、何と店主のお父さんはそのケービンの湯河原駅長をされていた方だそう。思わずその絵葉書を所有している事を話した。

そんな目からウロコのような話しの数々をお聞きしている内に、まさしく気が付けば完食だった。ちなみにこちらにもサンマーメンがあり、チャーハンもメニューに並んでいた。いやいやいやいや、大変に美味しいラーメンであった。

(左フォト) ワンタンメン/メニューリスト/店頭外観 (2009.10.03)


 手打ラーメン 鳥取 (とっとり)

 住所:神奈川県小田原市城山4-23-20   TEL0465-23-4040

 定休日:月曜日&第1・3火曜日       営業時間:11:30〜18:00

 アクセス:箱根登山鉄道線箱根板橋駅下車。駅前の国道1号線を横断歩道を渡ってから右手に
       300m程進んで行った二つ目のガードの直ぐ手前左側。



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