浅草橋 大勝軒 東京・浅草橋





蝉の音がアサガオの淡い紫色の花を揺らすそよ風にのせて周囲に広がり、見上げれば青空に白いモクモクとした白雲が低空飛行していた、そんな真夏らしい七月文月も最終コーナーを迎えた水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、それほど蒸した感じも無い穏やかな夜風が街を駆けていた午後七時過ぎだった。

このサイトが始まって数年した頃にこちらを何気なく訪れたものだが、それがきっかけで数多いレポートとなった人形町大勝軒シリーズがこのウェブの中で綴られている。

また秋葉原が勤務先となって、そんなこちらをまた訪ねて見るかとなってその店頭へやって来た。前回来た時から、もう九年の歳月が流れていた。光陰矢の如しとはこのことだ。

そんな概ね10年近く経った店頭だが、全く以て何一つ変わっていなかった。さっそく入店すると、店主ご夫妻が厨房で来店して来る客を待っておられた。

右寄りのテーブル席に腰を降ろしてメニューからワンタンメンをお願いしつつ、壁面の案内で300円出せば半チャーハンを提供することに気づいてさらにそれもオーダーすることにした。

そう言えばこちらは、いつ頃創業したのだろうか。思わずそんなところをさりげなくお聞きして見ると、今回も色々と知ることが出来た。

こちらは三代続くやはり人形町系の大勝軒だそうで、どうやら戦前は都内三ノ輪周辺で営業されていたようだ。太平洋戦争で空襲にあい焼け出されて戦後ここで再出発されたようだ。

以前の関連店レポートの中で、こちらがネットで調べて昭和21年創業とお伝えしたが、そんないきさつから考えれば浅草橋で再開したのが昭和21年なのだろう。

三ノ輪での創業年が知りたくなって何度かあらゆる会話手法でそれを引き出そうと試みたが、戦争の中で判らなくなってしまったところなのだろう答えは出なかった。

人形町大勝軒から分家した大勝軒は、浜町大勝軒、横山町大勝軒日本橋本町大勝軒、そして以前は三ノ輪周辺で営業していたこの浅草橋大勝軒となるそう。

参考に紐解けば後の新川大勝軒で一時期本店となった時代があると聞く浜町大勝軒は大正3年創業、横山町大勝軒は大正13年創業。

そして日本橋本町大勝軒が昭和8年創業から考えれば、そんな幾つかの時代の前後と言えるのだろう。

数年前に石神井公園大勝軒を訪れて浅草橋の地名が出たことを告げると、やはり交流があるらしくよくご存じだった。

ちなみに総本山である人形町大勝軒は一般的に1912年創業と言われて来たが、近年の本家人形町大勝軒におられた方が営業する日本橋よし町(以前は人形町で大勝軒を営業)の案内によればそれは違うようだ。

店内にあるそれによれば人形町の旧地名である日本橋芳町に1905年の明治38年に創業したらしく、その年こそ日本が日露戦争で大勝した年であるだけになるほどと言うしかなかった。程なく到着。

こちららしくカマボコが入るワンタンメンがやって来た。それではと行かせて貰えば、何とも風情豊かな優しい味わいがたまらないもの。

麺もワンタンの皮も、なかなかの風合い。お聞きすると地下に製麺室があるそうで、やはり自家製麺だそう。ワンタンの皮もそこで打っているそうで、餃子や焼売もそうした皮で作り上げたものだそう。

半チャーハンもそこそこ多めで、良い焼き加減でとても旨かった。気がつけば完食。いや、かなりなかなかで、とても実に素敵で良かった。毎日でも食せるような風合いをしみじみと感じた。

(左フォト) 夜の店頭/ワンタンメン/半チャーハン (2014.07.30)


 中華料理 浅草橋 大勝軒

 住所:東京都台東区浅草橋2-28-10  TEL03-3851-1952

 定休日:日曜日  営業時間:11:00〜15:00/17:00〜20:30

 アクセス:JR総武線浅草橋駅東口下車。前方の江戸通りを左手に250mほど歩いて進んで行き、
       マルケーコバヤシ奥の路地を左折。そこから60mほど先の左側にあり。



最寄り駅はJR浅草橋駅で東口側に出る。

江戸通りを左手に250mほど歩いて行きここを左折する。

さまざまな中華料理と麺料理が愉しめる人形町系だ。

浅草橋にも大勝軒があると最近知り、雲が陽を隠す世間はゴールデンウィーク中休みの金曜日、行って見る事にした。人形町系と言うことらしい。人形町系って池袋や永福町とかあるけど、何処寄りの系統なんだろう?と言う感じであった。お店に入るまでは、である。

場所は台東区立育英小学校の近くで、そのお店は風情良く佇んでいた。開店まもない、午前11時過ぎに入店。先客はいなく、お姉さんにラーメン500円をお願いする。そのお姉さんに、大勝軒と言う店名についてお聞きすると、やはり人形町にあったお店に属するそう。

永福町や今や飛ぶ鳥を落とす勢いの東池袋とも違う大勝軒だそうで、むしろどこの大勝軒系よりも歴史があるらしい。店内には昨年、ヨネスケさんが来られた様で、そのフォトやサインが飾られていた。程なく到着。

湯(スープ)は、鶏ガラから滲み出た鶏の脂がやさしい味わいで、麺はどちらかと言えば低加水気味のレトロ感のある麺。チャーシューが軽く炙られた感じで、かなり美味しいもの。

これにやはりいい感じのカマボコ、シナチク、小口切りネギがのる。カマボコを見てナルトを思い出したが、お雑煮に入る様なカマボコがラーメンに入るナルトに変化したのかも知れない。総括的にはまずまずの、昭和の佇まいを感じる真面目なラーメンを堪能出来た。

精算を済ませて、近くの喫茶店で一服している時、女性が「人形町にあった」と過去形になっていたのを思いだした。あれ?そうだっただろうかとなり、 某とらさんで「人形町」を調べると、一度閉店したがそこで働いていた方がお店を再開させていた。なるほど、であった。

(2005.05.06)



2005.05.06 ラーメン