たいめいけん 東京・日本橋





関東地方の梅雨明けが来月20日辺りと予測が出て来て、夏の彩りが仄かに増幅し始めて来る頃、見上げた上空はいつ降り出してもおかしくない曇り空が広がっていた6月下旬の休日月曜日だった。

先日こちらの店名を久々目にして、どうせならば日本橋本店に出向いてそのラーメンを堪能したい処となった。そんなわけで総武線電車を浅草橋で下車して、都営浅草線を利用して日本橋までやって来た。

そもそもの「たいめいけん」は明治18年に京橋通りに創業した泰明軒本店がその始まりで、西支御料理処と称して当時から西洋料理と中国料理の両方を提供していたらしい。

そんな泰明軒本店で修行された先代・茂出木眞太郎氏が暖簾分けで独立を果たして、昭和6年4月に泰明軒の支店として中央区新川に創業させたのがこちらの成り立ちのよう。

その後太平洋戦争が勃発。戦火を生き延びて昭和23年の戦後混迷期に、新川の支店だったこちらが日本橋へ移転。その際に店名を平仮名の「たいめいけん」に改めている。

昭和48年には現在もある6階立てのビルを新築。先代は大空に舞う様々な凧を収集するコレクターだったようで、その趣味が高じて昭和52年にそのビルの5階に凧の博物館を開館させた。

その先代は残念ながら昭和53年に急逝してしまい、長男である茂出木雅章氏が「たいめいけん」を継承した。平成13年には三越日本橋本店内に総菜販売店「デリカテッセン・ヒロ」がオープン。日本橋再開営業時にはそうした営業名目だった歴史があるだけにこだわりも高いよう。

最近では雅章氏の息子さんである茂出木浩司氏が「三代目たいめいけん」なるレストランを立ち上げており、そちらでも西支御料理処を継承していてラーメンを提供しているようだ。閑話休題。

さて開店数分前に到着すると既に全ての営業体制が整っているこちらで、入店客が何人か入り口から招き入れている最中だった。

ラーメンコーナーも既に自動券売機の電源が入っており、扉が開いて入店客が来るのを待っていた。その前に立って予定通りトムヤン味噌風味の煮豚ラーメンを選んだ。

そしてチケットを待機されていた厨房の方に手渡しつつ、ネットで背脂の希望があれば対応する旨インフォがあったのでお願いすると、そのオーダーがすんなりと通った。

以前訪問した時のように大きなズンドウが目の前にあり、スープはやはりグツグツと煮立ってやや琥珀色に煌めいているのが見えた。程なく到着。

それではと口にして行けば、なるほどトムヤンクンベースに味噌の風味も加えられたあっさりした味わいにまとめられたもので、中細麺の風情も素晴らしく煮豚も自家製らしく大変に美味しいもの。

スダチが入っていて後半になってからそれを絞ってスープにかけると、トムヤンクンのような酸味となってまた良かった。

背脂はミンチ状になってたっぷりと投入されており、その風合いがバランス良くて愉しめるものだった。すぐ近くに「ますたにラーメン」がある影響からのサービスなのだろうか。

またローストされたニンニクも用意されて、やはり後半になってから口にしたが、臭いもそれほどきつくなく美味しかった。並盛りでも多めながら、気がつけば完食。止まることを知らない「たいめいけん」らしく、素晴らしく味わいの美味しいトムヤン味噌風味の煮豚ラーメンだった。

周辺のカフェでひと息してからまたこちらへ戻ってエレベーターに乗りビル5階へ。入口で入場料200円を支払い、凧の博物館を見学して見た。

そこには一つのジャンルに囚われない「たいめいけん」らしく、様々な形と大きさの貴重な凧が所狭しと陳列されていた。時代が変わっても価値を有するものは、この凧のように愛されて行くのであろう。

(左フォト) 煮豚ラーメン(トムヤン味噌風味)/ローストガーリック/店舗外観 (2011.06.27)


 たいめいけん    ※公式サイトはこちら

 住所:東京都中央区日本橋1-12-10  TEL03-3271-2465

 定休日:元旦・年始二日のみ※2階は日曜祭日定休

 営業時間:1階11:00〜21:00/ラーメンコーナー11:00〜20:00

 アクセス:地下鉄日本橋駅下車。コレド日本橋茅場町寄り隣り日鉄ビル裏手にあり。





店舗ビル右手奥にラーメンスタンドあり。



手軽に立ったままラーメンが食せる。



ズンドウの中に様々な食材が見えた。



ビル5階には先代が収集した凧の博物館がある。


色とりどりな凧が大量に展示されている。


入場料は200円で様々な資料も展示されていた。


【番外編】

「履歴書の写真は、フォトスタジオで撮影した方が良い」と言う事で、昨日は日本橋高島屋に寄り撮影をしていて、デジタルだから翌日出来ると言う事で、今日は嫁さんと共に日本橋へ出る事にした。食事の段となり、先日来たこちらへ、今日はちゃんと店内へ入るのだった。「たいめいけん」と言えば、やはりオムライスである。伊丹十三監督作品の映画「タンポポ」で登場して来るオムライスは、こちらと監督の合作で出来たものだそうで、こちらでいつでも提供して食べる事が出来る。

ちなみに映画「タンポポ」はラーメン店が舞台だったりする。案内を受けテーブル席に着席して、メニューを広げると、「伊丹十三風タンポポオムライス1850円」とあり、これが結構いい値段。二人ともそれをオーダーして、一つだけ大盛200円増しにして貰う。程なく到着。オムレツは塞がれたままで出され、自分で開ける様になっていた。それではと、スプーンで切れ目を入れ広げると、トロトロの半熟加減の卵が、美味しそうに広がる。バターの良い香りも広がる。

トマトソースを適量かけて食べ始めると、これがもうフワフワの卵と、チキンライスが絶妙のコンビネーションで、これが結構なかなか、そこそこ美味しいオムライスなのであった。大盛具合も宜しく、満腹満腹。精算で支払いとなり、「3900円になります〜」 に、ここでクラッとなる、いい値段のオムライスであった。

(2005.05.28)



2005.05 タンポポオムライス大盛




2005.04 チャーシューメン


雨が降った次の日、 朝から晴れ渡っているのは実に爽快で、 濡れた路面に朝日が反射し、 その眩しさに青空を見上げる。今日も所要で、大手町某所へ出掛け、終わってからこちらを目指す。東急百貨店の跡地に出来た、コレド日本橋の巨大なビルを見上げつつ、その裏手に回るとすぐに見つかった。

通り沿いの入口には、沢山の女性や男性が並ばれていて、見るとその脇道に「麺」と看板があり、中高年サラリーマンが並ばれていた。初めての訪問で、あの列は何?となった。行って見ると、「らーめんコーナー」と明示され、こちらの厨房脇にあるラーメン専門の立ち食いスタンドだった。五人程が食べられる広さのカウンタの向こうには、大きいズンドウが見え、肉骨野菜が入っているのが見え、グツグツと煮えたぎっていた。

あのズンドウを見ながらの、ラーメンはさぞかしと、そちらに並ぶ事にした。自分の番になって、コック姿のラーメン担当の方に、チャーシューメン850円をお願いする。老舗洋食店のラーメンを待つ。程なく到着。

チャーシューが、昔ながらのフチに食紅が付いた、何ともトトロ、いやレトロなもの。湯(スープ)は、あっさりな鶏ガラメイン系の醤油スープ。麺は細ストレートで、かん水が少ない分、柔らか目と言った感じ。ラーメン自体にインパクトは無いが、煮えたぎるズンドウを見ながらのラーメンは、何とも説得力の三文字を感じる、真面目なラーメンであったのだった。いや、良かった。

(2005.04.21)


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