中国料理 進来軒 千葉・穴川





昨日の雨を引きずっていた朝方、今週の月曜日と同じで祭日の休日となったが、ふと蕎麦店で提供するラーメンに思いを馳せて出掛けることにした。

ところが電車が事故の関係で思うように運行しないばかりか、路線バスも利用してやっと辿り着いたかと店頭に立てば臨時休業で、もう踏んだり蹴ったりコケたりの午前中であった。

まあそんな時もあるさと、稲毛駅に戻ってその周辺にあるラーメン店に変更するかと、程なくやって来た上りの路線バスへ乗り込んだ。

見上げた空は灰色の雲が残るもののいつの間にか青空で、爽やかな陽射しが注いで新緑薫る正午近くの千葉市稲毛区周辺だった。

そう言えばそう遠くない場所に、こちらがあるではないかと気が付いた。そんなわけで、まもない穴川駅バス停で降車。そよ風が頬を撫でるなか、ぶらりと散歩をするようにして店頭へ到着した。

こちらも臨時休業だったらどうしようと思っていたが、暖簾が軽く揺れる店頭で営業しており、一人店先で胸を撫で下ろした。

さっそく入店すると、周辺の常連さんでそこそこの店内。そんなフロアーの空いたカウンター席の一つに腰を下ろした。3年ぶりの店内は、何一つ変わっていなかった。

メニューを見上げて悩んでいると、今日は祭日だけどランチメニューも対応していると店主が教えてくれた。いつもならば土日祭日はお休みのランチメニューらしい。

それならばとやり取りした後で、最終的にラーメンとチャーハンのセットメニューに、300円増しのチャーシュートッピングをお願いした。後続客が続いて、活気を帯びて行く店内。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、来々軒から受け継がれる味わいがそれはしみじみと来てタマらないもの。中華店と言うと中国人が経営するケースが目立つが、こちらはそうした中華店とは違うお店だ。

まだ塩ラーメンが主流だった明治時代、浅草で開業した来々軒がその場所に合わせて醤油ラーメンを当時開発して提供した、その当時を偲ぶことが出来る醤油味だけにそこから感じられる味わいは実に尊いとさえ言えた。

スープに泳ぐ中細麺も、もっちりしてまた良かった。そしてチャーシューも分厚いもので入る枚数も多く、それが実にかなり美味しいものだった。

チャーハンも中華店のものとはまた違う仕様だが、これまた米粒がモチモチしながらもパラッとしていて、その絶妙さは天下一品と唸りたくなるほどだった。

日本蕎麦店でもたまににラーメンを提供しているが、これも来々軒が明治時代が終わる頃に醤油ラーメンを作ったからと言えて、来々軒なくして蕎麦屋のラーメン無しと言えるのかも知れない。

気がつけば完食。いや、今日もまたかなり実にとても素敵で美味しい、そんなチャーシューメンとチャーハンだった。

(左フォト) ラーメンチャーシュー増し/セットチャーハン (2012.05.04)







どこまでも透き通る真夏の青い空に、ふっくらとした白く低い雲がいくつも浮かぶ、八月中旬お盆休みの土曜日だった。

日本初のラーメン専門店として、明治43年に浅草で営業を開始した来々軒に思いを馳せ、八重洲時代から内神田時代も知る、当時そこに勤めておられたこちらの店主のシナソバを是非また口にしてみたくなり、再びこちらへ出掛ける事にしたのであった。

奇しくも今日と言う日は、浅草来々軒を一時閉店にも追い込んだ、太平洋戦争の終わりを告げた玉音放送が流された終戦記念日の日だ。

総武快速電車で千葉駅に出て、そこから千葉の市営モノレールに乗り、最寄りの穴川駅で下車。現在モノレール各駅は、エレベーター新設工事が始められていた。

そこから千草台小学校の前を通り、その先にある住宅街の左路地を入った奥の左手に、以前と変わらずに佇んでいて、時折り焦げ茶色の暖簾が微風で軽く揺れた。

その暖簾には大きく中国料理と記され、その中央にこちらの店名が電話番号と共に表示されていた。中へ入って行くと二人の先客が既におられた。

メニューリストを手に取り、そこからワンタンメンをオーダーしつつ、あらかじめ電話で営業確認して応えて頂いたお礼を申し上げた。

そしてまたあらかじめ食後のコーヒーかアイスを選ぶ事となり、暑い外もあり後者の方でお願いした。

明日は午後二時で閉めるそうで、先客の常連さんにその事を伝えていた。壁を見ると明後日の17日から20日までが夏季休暇と知らせていた。程なく到着。

おお、風情のあるショウガの香りが、食欲をそそらせた。それではと行かせて貰えばそれはもうもうもう、いやいやいやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い。

昭和30年代に八重洲で働いていた頃の来々軒の味だそうで、思わず高度成長期当時の都内周辺の記録フィルム画像がオーバーラップした。

八重洲時代の来々軒の場所は、ブリジストン本社と城東小学校の間にあったらしい。そんな貴重な話しも、お聞きする事ができた。

生姜の香りについて触れると、豚足と鶏ガラを煮詰めて作るスープだが、その豚足の匂い消しの為に香味野菜として入れていたそう。

うま味調味料の使い方も、やはりよく堂に入ったラーメンだ。チャーシューもいい感じで、ワンタンはやはり昔ながらというもの。

メンマやナルトにさえも、風情の奥深さを感じさせてくれる。うずらの茹で卵が入っていた。

ラーメンを食べ終えると、冷たいアイスクリームが来て、大変美味しいだけでなく、熱いラーメンの直後だけに嬉しい冷たさであった。気が付けば完食。

元祖来々軒最後の店主である尾崎一郎氏が、店主がまだ子供の頃すぐ隣りに引っ越して来たそうで、その関係で仕事を手伝う事となったらしい。

その三代目来々軒店主も、今は既に他界してしまったそう。ちなみに店主によると、元祖来々軒の暖簾分けは無かったらしい。

いや、時代を超越して良き時代の、来々軒のラーメンを堪能できて良かった。

(左フォト) ワンタンメン/アイスクリーム/店舗外観 (2009.08.15)


 中国料理 進来軒

 住所:千葉県千葉市稲毛区天台5-6-5   定休日:月曜日・第3火曜日

 営業時間:11:00〜14:30/17:00〜20:00

 アクセス:千葉都市モノレール穴川駅下車。またはJR総武線稲毛駅東口ロータリーより京成バス
       あやめ台団地経由草野車庫行に乗車して穴川駅で降車。千草台小学校と千草台中学校
       の間にある三和ショッピング街内にあり。徒歩およそ7分。



浅草のラーメンの歴史を辿ると、浅草来々軒の味を提供する、稲毛にあるこちらのお店へ繋がっていた。一度食べて見たいと思っていて、某店の帰り道に寄って見る事にした。創業明治43年のお店が、商標失効により使えず、唯一の味を継承するお店がこちらと言う事らしい。本家本元である。

千葉モノレールの穴川駅から少し歩いた所にあり、到着すると風情良く佇んでいた。昭和44年からこの地で、営業を始めたらしい。アポロが月に着陸して、映画「男はつらいよ」が初めて興業された年で、翌年には大阪万博が開催されている。

昼を過ぎて気温が上がり、小汗を拭いつつ店内へ入る。周辺の愛される人気店と言った感じで、出前も受けている様だった。ラーメンをお願いする。食後に珈琲かアイスクリームがサービスだそうで、アイスでお願いした。何ともモダンなサービスと言う感じ。程なく到着。

なるほど、生姜の風情がまた独特で、醤油本来の味が、素直に出ていながら、際立つ事の無い鶏ガラ系醤油ラーメン。麺は西山製麺らしく、中細やや太ちぢれのぷりぷりした多加水麺が良かった。ナルトやシナチクも、切り方まで何処か違っていた。食べ終わるとサービスのアイスがやって来て、濃厚なしっかりとした味わいのある美味しいアイスクリームであった。

精算時お金を払おうとすると、20%オフの日だそうで、払ったのはアイスも食べたのに、394円だけであった。外に出ると気温はさらに上昇していて、どこか浅草の裏通りを歩いている様な錯覚に陥らせてくれた、浪漫溢るる、東京醤油ラーメンであった。いや、良かった。(2005.06.01)



2005.06 ラーメン