中華そば 栄家 千葉・稲毛 ※閉店







都会と呼ばれる街には視覚的な表層が無いように、いつも違う顔を見せる秋日の大空は、霞んだ色を著しながらも斑状の雲を広げ、季節の変わった淡い陽射しを地表に注がせていた、長月中旬金曜日の午前中だった。

今日は会社を休ませてもらい、三カ月と期間が長くなった最初の定期検診日だったが特に問題もなく、以前よりも随分と早く午前10時前には終わった。

昼まで時間があるしどうするかとも思ったが、幾つかの候補店の中から比較的早い午前11時から開店する、稲毛のこちらのお店がベストと言う事を導き出した。

岐阜県多治見市の中央自動車道多治見インターチェンジそばにある、昭和38年創業の老舗人気行列ラーメン店の、大石家で修行した店主が営む中華そば店らしい。

そんなわけで千葉駅から総武線電車に乗り、ほどなくの稲毛駅で下車して東口側へ出て、市道幕張町弁天町線の小仲台坂通りを新検見川駅方向へ進んで行った。

しばらくテクテクと歩いて行けば、三階建ての大きいマルエツ稲毛店が左手に現われ、その前にあるこちらを見ると、未だ開店前で暖簾が掛けられていなかった。

まだ午前11時まで15分近くあり、どう時間を潰すものかと案じていると、マルエツの三階がダイソーになっており、最近ケータイストラップが千切れて、それを買おうと思っていたので丁度良かった。

その買い物をしながらもヒヤカシしていると、ついつい靴下や靴ベラなど余計な物と思いつつも買ってしまい、おそるべしダイソーであった。

それにしても百円ショップほど様々な商品が並ぶ見飽きない場所は無く、最近は五百円前後の商品も並んでおりこれ以上時間が潰せる場所はないだろう。

などと感心していると開店時間が過ぎており、腰のケータイにストラップをつけながらも、こちらの店頭へ到着。4タイプ全て違うインフォのノボリが立ち並び、丈の短い白い暖簾が吹く秋の風に揺れていた。

そんな中を入って行くと券売機がないお店で、三人ほどの先客が腰掛けるカウンター席の、空いていた中程の席へ腰掛けた。

ふとオーダーに思いを巡らせていると、いわゆるところのユルいキャラクターの絵があった。お店のイメージキャラクターだろう。小さいツノが三本頭から生えていて、口はタラコクチビル。豹柄のパンツを履いて、顔はヒヨコのように可愛い出立ちだった。

オーダーは結局、中華そば並盛・ミニチャーシュー丼・お新香がセットになった、その名もミニチャーシュー丼セットにした。程なく到着。

おお、多治見にある老舗店のラーメンと言うことで、肉厚のチャーシューが多めに入っており、またカマボコが彩り良くどこか飛騨高山ラーメンに通じる感じだ。

それではと行かせて貰えば、いやいやいやいや、良き時代の中部地区のラーメンだそうで、もう美味い美味い美味い美味い美味い。

タレと豚のエキスをお湯で割る方式のようで、味わいにもそんな風情が先に立つものの、これが面白いくらいに美味いと思わせる工夫に富んでいた。思わずほっとする、感覚の味わいがいい。

チャーシューのその飛び抜けた旨さは、スープの製法が似ている事もあり、思わず竹岡の梅乃家さんを思い出し、そして千葉人と言うか日本人の舌を魅了させる何かがあった。

大石家の中華そばをネットで見ても判るように、全く同じカマボコやメンマが使われており、修業先本家から麺やタレ等と共に仕入れているそう。

その麺も中細やや太やや縮れの、ツルツルシコシコの美味しい麺で、お聞きすると本家の玉より10グラム多いそうでその分ボリュウムが良くなっているそう。

東京浅草で日本人にあった、醤油ラーメンが誕生してほぼ百年が経過した中で、太古の生物が様々な進化を遂げたように、シナソバと当時呼ばれた東京ラーメンもまた、様々な先人の英知によりその味わいを変えて来た。

鳥が大空を羽ばたく如くにそのタレの味が変わり、魚が大海原を進む如くその製法が変わり、そしてその土地土地で根付いて来たのだろう。それほどにラーメンは日本人の心を揺さぶり、そして安堵感をもたらす料理なのかも知れない。

そして「喜劇らーめん食べ歩き」は今回のこのレポートで、御紹介する店舗が千軒を迎えた。と、思ったら違っていました。エクセルに入力してオートSUMをかけたら違ってました。(大汗) 何れにしてもかなりの軒数で、これもひとえに皆様の暖かい応援の賜物であり、心より御礼申し上げる次第です。

気が付けば完食。いやいや、今日も心に染み渡る、そんな美味しさだった。泣いた、笑った、感動した、そして体も壊した事もあったが(笑)、 ・・・ 何れにしても「喜劇らーめん食べ歩き」は、さらに続く。

(左フォト) 中華そば並盛/ミニチャーシュー丼/インフォ/店舗外観 (2009.09.11)※9/12加筆


 中華そば 栄家 (さかえや)

 住所:千葉県千葉市稲毛区小仲台7-26-1坂通スリービル103

 定休日:火曜日  営業時間:11:00〜21:30

 アクセス:JR総武線稲毛駅東口下車。ロータリー左手にある稲毛ヤングボウル裏手の稲毛駅東側
       交差点から小仲台坂通り(市道幕張町弁天町線)を新検見川駅方面へ進んで行く。
       しばらく歩いて行くとマルエツ稲毛店があり、その前の進行方向右手にあり。徒歩5分。



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