六文そば 東京・秋葉原



満員の通勤電車の車窓からも朝日を浴びたサクラの、そこかしこの居所が目立つほどに満開となっていた、サクラ色の東京の四月前半火曜日の朝だった。

そんな今日は、先日に続いてこちらと言う気分になり、また訪問する事にした昼下がりだった。先週はランチの早番であったが今週は遅番で、中へ入ると午後一時過ぎとあって数人の先客と後続客のみで、あとは開放された引き戸から、緩やかな春風と言う名の先客が、店内を駆け抜けていただけだった。

一人だけおられる厨房内の方に、またミニ天丼たぬきそばセット400円をオーダーして、今日の追加天ぷらはイカゲソにした。

ふと天井近くにあった貼り紙を見ると、ちょうどイカゲソ天の事が案内されており、当店名物の健康食と銘を打って、肝臓や腸の働きを助ける、タウリンがたっぷり入っている事を表記していた。程なく到着。

おお、今日もそれはもう、美味しい天ぷらの蕎麦で、今後も訪問回数が増えそうな美味しさだった。前回に以前はもっと広かったと記したが、そんな痕跡も無く何かの勘違いなのかも知れない。気が付けば完食。カウンタトップに器を上げ、台拭きでひと拭きし、いつものように軽く一言告げて外へ出る。

裏手にちょっとした広い公園があり、歩いていた通り沿いに、今まで気がつかなった案内板を見つけた。二十年近くも秋葉原に来て、初めて見たその案内板には、南総里見八犬伝で有名な滝沢馬琴の住居跡が、ここにあった事と、その滝沢馬琴について簡単な略歴等が記されていた。千葉と秋葉原が繋がった、そんな案内板を見つけた、午後のひとときだった。

(左フォト) たぬきそば+いかげそ天 (2009.04.07)







青白の空、純白な雲、深緑の樹、薄紅な桜。どれもが春を彩る管弦楽団の様に、季節と言う名の音符を奏でてゆく、そんな晴天の日の、四月前半金曜日の朝だった。


時に昭和63年(1988年)のちょうど今頃、私は勤務地が茅場町から秋葉原となった。今はもう無い家電量販店の、外商営業部の一員として入社した。

そんな中で、一番どこの外食店へ行ったかとなると、正直に言ってそれは定かではない。

もしかしたら、そうかなと言えるのがこちらのお店で、一時営業車を止めていたパーキングと、事務所の途中にあったお店だった。

そう言えばここまで一度も紹介していなかったし、またこちらの天ぷらを入れた蕎麦を口にして見たくなり、本日めちゃくちゃ久々に入って見る事にした。

いわゆる立ち食い蕎麦店で、天プラは揚げ立てで、豊富なラインナップが特徴と言える、都内に相当数出店しているチェーン店の一店舗のこちら。ちなみに須田町の小川町寄りにも支店がある。


正午頃に入店すると、数人の先客だが後続が続いて、あっと言う間に店内は満員となった。メニューからたぬきそばとミニ天丼のセットで、蕎麦は、アジの天ぷらの追加でオーダーした。

以前はもっと客スペースが広く、ベテランの女性が数人厨房におられたが、中は男性の方ばかりであった。程なく到着。

当時は外商営業の傍らで入店していたので、こんな盛況な時間に入った事は無かったが、今日は隣りの人と肩がぶつかる程に混んでいた。程なく到着。

一味を振りかけて口にして行けば、懐かしさも手伝って、もう旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。

以前は確か店内に若干の蘊蓄があったが、現在は店頭の目立つ場所にドドンと案内されており、昔ながらの方法で鰹・鯖・鰯を利用した、本ダシを取っているそう。

そんな魚介の風味が渋い演出をしており、セントラルキッチン方式では無い様に感じ、風情が豊かで味わい深いものだった。蕎麦も比較的良質な感じがある。

昔からよくアジ天で食して今日もそれを選んだが、このアジの天ぷらが特に旨いと思う。

天ぷらは全て健康にも最適な、大豆による植物油で揚げているらしい。以前と変わらず若干の小骨があるものの、それが味を良くしている感じであった。

唐辛子の一味がこちらは粉末で無く、一粒が平たくかなり大きく、これがまたこちらの味となっている。

ミニ天丼と蕎麦にアジ天を乗せても六百円以下で、かなりの満足感が得られ、やっぱり良かった六文そばサンだった。


時に蕎麦を啜っていると、ふと家電量販店時代の、よく先輩に怒られた懐かしい記憶が蘇って来た。

そう、家電店外商部の良き先輩方の、色々な意味で親身になって頂いた真のご指導により、精神的にも人として良い成長ができた。それはそれは、感謝の念に、たえないものがあった。

そして外に出ると、平成21年の春に引き戻され、春がそよぐ晴天の空が広がっていた。

(左フォト) たぬきそば+あじ天/ミニ天丼/店舗外観 (2009.04.03)


 六文そば 昌平橋店 ※立ち食い蕎麦店

 住所:東京都千代田区外神田3-5-1  定休日:年中無休  営業時間:6:00〜20:00

 アクセス:JR山手線・秋葉原駅電気街口下車。中央通りを上野方面へ進み、ソフマップ秋葉原本館
       がある十字路を左に曲がり、次の神田明神下交差点を右へ進む。しばらく歩いた右側。

  


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