決定版!新横浜ラーメン博物館ウェブガイド2010 ※2009年版はこちら



ここはラミューズメント・ミュージアム


1階売店には様々な土産商品あり


一時退館してカフェでゆったりするのもOK

 












昨年横浜市では、西暦1859年・安政6年に開港した横浜港が150年周年を迎え、それは盛大なイベントがとり行われていた。そんな開港を機にして国内では、多くの中国文化がやって来るようになった。

明治初期頃から港に近い横浜南京町では、中華街が形成されて行き、中国人の手により多くの中国料理店が営業を始め、明治5年頃にはラーメンの屋台も現れていたらしい。

そんな文明開化により東京においても明治12年王楊斎氏により、築地入船町に「永和斎」と命名された中国料理店が創業した。その後も明治16年に日本橋亀島町に「偕楽園」、翌年にはやはり築地に「聚豊園」なる中国料理店が続々とオープンして行ったと言う。

地方においても、明治17年に発刊された函館新聞に「養和軒」と名乗る南京料理店が広告を掲載しており、そこに南京そばなるメニュー名が表記されていて、函館ラーメンのルーツとして認定されているらしい。

そして明治20年創業の現存する国内最古の中国料理店の「聘珍樓」が創業してから23年後、東京浅草に広東支那蕎麦「来々軒」が初のラーメン専門店として開業した。

ちなみに東京・茅場町周辺には、中国料理本がベストセラーだったらしい大正3年に創業した、以前にも当サイトで紹介したお店だが人形町大勝軒系の「中国料理大勝軒」が、東京最古の現存するラーメン店として営業している。

そんなわけで浅草来々軒が創業してから今年で百年目を迎える本年と言う事で、またラーメンの殿堂であるこちらへ訪れる事にした、春まだ浅い三月弥生上旬の月曜日であった。

昼間の京浜東北線は快速運転をしている事もあり、出掛けたのがちょうどそうした時間だった為、時間帯によって新幹線と大差ない事が今回あらかじめ判った。

秋葉原からの京浜東北線と、東神奈川からの横浜線の両方とも快速電車で乗り継ぐ事が出来て、とてもスムーズに新横浜駅へ到着した。近郊駅らしいプラットホームだが、ひとたび新幹線側の出口を出れば都会的な香りがする周辺が広がる。

そんな街並みをしばし歩けば、インテリジェンスなビルの合い間に、変わらずにこちらが異彩を放って佇んでいた。入り口で三百円を支払い、入場して地下へ降りて行く。

するとそこはまるで知らない内に違う次元の扉を開いてしまったように世界が変わって行く。東京タワーが完成してインスタントラーメンが発売された、高度成長期真っ只中の昭和33年の夕方の街並みが広がっている。まるで映画の中に入った気分が面白い。

そんな中に各ラーメン店がさりげなく営業しているのがこの新横浜ラーメン博物館で、いつもながら飽きないシチュエーションで楽しい提案だと思う。

まず店頭に立ったのが一昨日オープンしたばかりの期間限定店である、岡山笠岡から来た「中華そば坂本」だった。笠岡と言うと個人的には山陽本線の途中駅で、昭和46年まで営業していた井笠鉄道の始発駅として記憶に残る土地だが、戦前から養鶏が盛んな地域で名を馳せていた周辺である。

現在では人口約55000人に及ぶ岡山県南西部の市で、瀬戸内海には大小31から成る笠岡諸島が点在している島も含まれている。

その昔は村上水軍の支配地で、福山市に隣接している街だが、四年前からスタートした乗用車に表されるご当地ナンバーの地名は、やや遠い感が在る倉敷の地名が刻まれている。

お店は昭和33年に創業した笠岡ラーメン最古のラーメン店だそうで、先述した事柄からも理解できるように鶏専門精肉店を営んでいて、その直ぐ隣りで精肉店主の奥さんが中華そば店を開いたのが始まりだそう。現在は息子さんの二代目がお店を任されているらしい。

さて入口の券売機でミニねぎ・かしわそばを選び、店頭で少しだけ待ってから入店を促され、指定されたテーブル席に腰掛けた。そばには大きい薄型テレビが置いてあり、こちらのお店を紹介するプロモーションビデオ映像が流れていた。程なく到着。

おお、濃い醤油色をしており、鶏ガラ鶏チャーシューの中華そばだそうで、紛れも無いドンブリから来るそんな香りがとても良い風情を造っていた。

濃い醤油色の鶏ガラ鶏チャーシューのラーメンと言うと、関東地方では下館ラーメンが浮かぶものだが、そんな筑波軒などのラーメンと較べてどんなものなのかと言う所であった。

そんな思いで口にして行けば、何とも醤油際立つ中華そばで、その独特な醤油から来るような酸味感が良く、かしわチャーシューも下館とはまた違う趣でありながら、淡泊な鶏のうま味が素直に感じ取れるもの。こちらもまた同様に独特でありながらも良く、脂をあまり感じない所に真骨頂さえも感じるものと言えた。

そうした油脂が少ない面から濃い味付けが前面に出て来るもので、それがまたいい雰囲気を醸して行くものであった。また青ネギも興味深い味わいを造形しており、その独特な切り方から来る美味しさの虜になりそうな程であった。もう気が付けば完食である。

さてそこを出てしばらくだけ昭和30年代の街をぶらつき、今度は佐野実氏が手掛ける佐賀県唐津市新ご当地ラーメンと言う触れ込みで営業している「らぁ麺むらまさ」へ入店する事にした。

来月の四日までこちらで営業して、来月22日からいよいよ唐津市内で凱旋営業が始まる予定だそう。それを睨んでか唐津市内にあるマツキン醤油を利用した唐津醤油らぁ麺を現在提供している事を知り、今回そのミニラーメンを愉しんで見る事にした。

麺は18番の中太ストレートだそうで、奥深いテイストでありつつ滑らかさが良い麺で、醤油は先程の坂本とは180度違うスタイルの味わいながら、どこまでもどこまでもまったりと来るもので、佐野氏の洗練された奥義を味わう事になったラーメンであった。これまた気が付けば完食であった。

さてそこも出てラー博内にカフェでもあればそこを利用したい所だがそれは無く、しかしお聞きすると一時退館が可能だそうで、外に出てまた同じ入場券で再入場する事にした。

それで出入り口の方にそれを申し出ると、片手の甲にブラックライトで浮かぶスタンプの押印をされてからの途中出場となった。しばし周辺のスタバでまったりしてからまた再入場した私であった。

さてもう一軒はラスト一杯だけに、がっつり行って帰ろうと決め、予定通り昨年12月19日よりオープンした福岡・久留米からやって来た「大砲ラーメン」へ入店する事にした。九州豚骨発祥の地で、昭和28年から久留米市内明治通りで屋台営業で創業し、昭和42年より現在の通外町にて店舗営業を始めたこちららしい。

平成元年に二代目が経営を引き継ぐと現代的な経営のCIを率先して導入し、現在では久留米周辺に10店舗を展開する人気ラーメン店のこちららしい。

熟成スープに新しいスープを加えて行く呼び戻し方式で提供する九州豚骨ラーメンらしく、定番のまろやか系のラーメンの他に、こってり系の昔ラーメンの2タイプがあるそう。今回は通称カリカリと呼ばれる豚の背脂を揚げた小粒な揚玉も入るこってりタイプの昔ラーメンのワンタン入りを選んで入店した。

久留米ラーメンと言うと、薄い白濁ラーメンのイメージしか無かったが、こちらのようなラーメンも提供している事を知り、久留米ラーメン自体のイメージが大きく変わってしまった。程なく到着。

そのビジュアルは一見してド豚骨。久留米のイメージは一階から乗ったエレベーターが、遥か超高層ビルの最上階の屋上までやって来た程に変わったと言っても過言ではなかった。

ブワンと来る濃厚豚骨スープは或る種の哲学さえも感じる旨さで、そこに豚脂の揚玉が実に痛快に美味しさを底上げしていた。

また国産小麦らしい低加水の細ストレートの麺が、またかなりいい仕事をしていた。さらにあっさり茹でられたメンマは、福岡八女地方特産のタケノコを独自調理して乗せたものだそうで、これがまた実に良かった。

目の前の卓上には紅生に幾つかのニンニク系調味料があり、夫々をレンゲに少量だけ入れて個々に愉しんで見たが、思わず店内販売があれば買って帰りたくなる程にこれが良かった。気が付けばその世界に引き込まれていての完食であった。

何気なく通りがけにあったタバコ屋を見ると、一昨年入口にいたチャルメラのおじさんが中に居て、このご時世でもにこやかな顔をしながらタバコを販売していた。

遠くからは紙芝居をする人の人情味豊かな声が聞こえて来て、それは楽しい演出に事欠かないラー博であった。子供が本当に嬉しそうな顔をして楽しんでいた。一年すれば様変わりするこちらへ、是非またいらしては如何だろうか。


(2010.03.08)

(左フォト) 中華そば坂本のミニねぎ・かしわそばと店頭/らぁ麺むらまさのミニ唐津醤油らぁ麺と店頭

        大砲ラーメンの昔ワンタンメン並盛と店頭/たばこ屋で営業していたチャルメラのおじさん


 新横浜ラーメン博物館 詳細 ※公式サイトはこちら。 ★以下は平成22年3月現在の内容です。

 住 所:神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21  休館日:12/31〜1/1

 最寄駅:JR横浜線・新幹線 新横浜駅徒歩5分。横浜市営地下鉄 新横浜駅8番出口徒歩1分。

 〔JR新幹線・横浜線 新横浜駅北口からのアクセス〕

 スカイウォークに出て日産スタジアムへ向かうように、案内板の指示に従って階段を降りる。地面に
 降りたら前方の道を進んで行き、二つ目の十字路を右折して次の左路地を入り進んだ左側にあり。

 入場料:大人(中学生以上)300円・小学生・60歳以上100円 ※小学生未満無料 ※3カ月パス大人500円

 営業時間:開館〜平日11:00・土日祭日10:30/最終入場21:00〜23:00の間で変動あり。

 ※183台収容可の駐車場あり。

 【東京駅からの電車アクセス】

 東京→[JR京浜東北線]→東神奈川→[JR横浜線]→新横浜  または

 東京→[JR新幹線・品川寄り自由席840円]→新横浜

  



地下1階にある駄菓子屋夕焼け商店


地下2階でやっていた紙芝居


館内は昭和33年の夕方の街角



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