大勝軒 東京・人形町三丁目 ※閉店







現在日本には首都圏を中心に多くの大勝軒が存在している。それはここまで触れて来たように、4つの系統に分ける事が出来る。

現在一番人気を博している東池袋系大勝軒は丸長系大勝軒から分かれた系統で、永福町系大勝軒はまたそちらとは別の歴史を歩んで来た。

そしてもう一つの大勝軒が、人形町系の大勝軒だ。現在は休業中となってしまった、喫茶店となった大勝軒の名を継承する五代目が営む「珈琲大勝軒」は、昭和61年12月まで中華そばを提供しており、この系統の総本山で本店であった。

こちらはその本店で26年間働いていたチーフをされていた方で、本店が閉店した翌年の昭和62年6月に暖簾分けの許可を得て、本店の味を伝えるべく営業を開始したお店だそう。

系統の名前が意味する総本山とはこちらだけは違っていて、人形町系は総本山なき大勝軒となるようだ。(浅草橋大勝軒のレポートを改めました)

先日初めて永福町大勝軒を訪れ、そして東池袋大勝軒にもまた数日前に訪れた。

そんな折りに触れるのがこちらの系統の大勝軒で、そして人形町の新店を先日訪れてそう言えばとなり、それならばと4年ぶりに訪れる事にした本日であった。

そんなわけでつい先日も来たばかりの人形町に到着して、駅からそう遠くないこちらへ入店。正午を過ぎた時間だが、そこそこの先客の店内であった。

前回と同じ一番奥のテーブル席が空いていたのでまたそこに腰掛け、入り口のインフォにあった中華そばと半チャーハンのセットをお願いした。

ふと見るとマガジンラックがそばにあり、ファイルブックが目に留まった。それを手に取ってめくれば、新横浜ラーメン博物館から毎年送られてくる年賀状と、そこのインフォメーションパンフレットが冒頭の方に入っていた。

その後ろにはこちらがオープンして間もない頃のラーメン本の切り抜きが貼られており、こちらを紹介している所には、赤いマジックインキで「当店」と言う文字が入っていた。

またこちらは営業する会社名から、第五大勝軒とも呼ばれているらしい。

閉店した本店の中華そばは、当時メンマの具しか入ってなかったそうだが、こちらでは店主の出身地である岩手産のワカメと、火で焼いたチャーシューも入れている案内を見つけた。程なく到着。

おお、ラードがほとんど浮かない分、湯気が勢いよく立ち上る中華そばで、これは美味しそうだ。

チャーシューもいい感じで、昔ながらの食紅が付いていた。それではと行かせて貰えばそれはもう、美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

美味いラーメンとは何か?ラードや背脂やニンニクや大振りチャーシューや大量の豚骨や丸鶏や極太麺が、入っていればそれでいいのだろうか?

いや、そうでは無いと思う。そうでは無くてそこに作り手の心や情熱や魂が入ってこそ、初めて感動出来る美味いラーメンになるのだと思う。なお、だからこそラーメン店では、特に紳士でありたいと思う。

そんな事を気付かせてくれた、鶏のうま味がさりげなく利いた美味し中華そばであった。チャーシューがまた実に美味かった。

チャーハンも薄味ながら、中華そばの程よいうま味のお陰でそんな感じながら味わい深い美味しいものであった。それはもう気が付けば完食。精算時に少しだけお話しをさせて貰う事ができた。

初代の創業は西暦1912年であるが、まだ大正に入る前の明治45年に営業を開始したそうで、店名は明治38年に終結した日露戦争に大勝した事に由来するもので間違いないそう。

浜町が本店だった時代があったそうで、新川はその時のご兄弟が営業している大勝軒だそう。

日本橋横山町日本橋本町、浅草橋の他に、江東区三好と小岩も人形町系だそうで、以前は瑞江にもその系統があったそう。他は違うらしい。

また別の雑誌の切り抜きを見ると、こちらイチ押しの中華そばがあるようで、それはトリネギそばらしく、以前は伊府麺(いふめん)と称していたようで、細切りした鶏肉と野菜のとろみあんかけに、白髪ネギがたっぷり乗ったものらしい。

ふと見るとすぐそばの壁にメニューがあり、そこにはカタカナで「イケメン」なるメニューがあった。ご時世である。

これは新メニューかな?とお聞きすれば、件の伊府麺(いふめん)の新しいネーミングだそうで、とりあえず言える事は、こちらは当分大丈夫そうだと言う事であった。

帰りがけ休業中と教えて頂いた珈琲大勝軒の店頭に、やはりどうしても立って見たくなり立ち寄ってみた。つい最近まで営業していたようで、今風の袖看板が付いていた店頭であった。

多くの老舗和菓子店が点在する人形町界隈で、様々なラーメン店がしのぎを削っており、是非お休みの折りに人形町の街に足を向けて見ては如何だろうか。

いや、あっさり系の美味し中華そばだった。

(左フォト) 中華そば/半チャーハン/店頭外観/休業中の珈琲大勝軒 (2009.12.09)


 大勝軒@人形町三丁目 (中華料理 大勝軒/第五大勝軒)

 住所:東京都中央区日本橋人形町3-1-9 定休日:火曜日 営業時間:12:00〜14:00/17:30〜20:00

 アクセス:東京メトロ日比谷線または都営地下鉄浅草線人形町駅A5出口下車。階段を上がったら
       右手に進んで行き、三つ目の右路地を入って行った次の十字路の手前左側にあり。



今年の春先の無職だった時期に、「大勝軒@浅草橋」へ行き、もう一つの大勝軒を知った。しかしそのルーツであるこちらは、一度昭和の終わりに閉店してしまった。そしてそこに勤めていたチーフが翌年再開させて今に及んでいるらしい。何れにしても、由緒あるお店と言える。一度店頭に立つと、人形町のビジネス街の中に、ごく普通の雑居ビルの一階にあるよな、食堂風中華料理店と言う風情で佇んでいた。そして本日、またこの界隈で営業があり、入店する事にしてみた。

中に入ると、柱が店内を狭くしていた。テーブルがそれで不規則に置かれている。一番奥のテーブル席に座り、メニューから中華そば大盛と、自家製らしいしゅうまい三個をお願いする。

お店の方とお話しすると、浜町にもあった系統だそうで、後で調べると何とその流れのお店が、勤務先近くの新川にある様。そう言えば新川のベローチェ近くで見た記憶がある。程なく到着。

ラーメンが中華そばとなって大変コシの無い麺で、カン水が入ってないと思ったら微量だけ色をつける程度に入れているらしい。ワカメと、縁が紅色のチャーシューと、シナチクがまた大変個性的であった。さやえんどうも入っていた。 で、しゅうまいが旨い。思わず往年の「松楽」を思い出してしまう。

総括的にはラーメンのスープが、どこか大衆中華店で定番になった雰囲気があり、良い意味で地味な堅実さを感じ取れた中華そばであった。ふと考えると、周辺企業はIT系が多い、ここは日本橋、人形町。(2005.10.28)
2005.10 中華そば大盛 2005.10 しゅうまい三個


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