中華そばつけそば こばやし
東京・北千住





昨夜から吹き荒れる強い南風が木々を揺らして、時ならぬ秋の嵐が陽射しを街に注がせながらも雨が滴り落ちていた、そんな十月・神無月下旬の休日火曜日の朝方だった。先日は久々に北千住へ出掛けたが、よっぽどこちらにも行こうと思いながらも結局その日は帰途についた。

そこに昨夜は想定外の中国式手延べ麺の中華店だ。それだけに今日はこちらを目当てに、また北千住へ出掛けることにした。そんなわけで自宅周辺は天候不順だったものの出掛ける時には雨が止んでいて松戸にバスで出た。松戸駅から入線して来た常磐線電車に飛び乗る。

快速運転する電車に乗れば、北千住は次の駅だ。ふと車掌アナウンスに耳を傾ければ、この電車は特別快速であること共に次の停車駅は日暮里であることを告げていた。北千住は停車しない電車に乗ってしまった。おそるべし常磐線ダイヤ。

まもなく日暮里に到着しようと言う頃、ありえないくらいのバケツを引っ繰り返したような土砂降りの雨が周囲を襲っていた。日暮里で引き返す前に連絡橋に上がって、そこで避難を強いられるほど猛烈な雨だった。

しかしほどなく下り電車が来て、北千住で外に出た頃にはその雨もほぼやんでいた。国道4号へ出て横断歩道を渡ってから右手へ歩いて行き、次の信号にさしかかる手前の目立たない低層の建物の1階で営業していたこちらだった。

大きく店名を記す看板が見当たらないから、到着寸前まで場所が判らなかった。店舗入口左手にある小型の札のような板に店名が表記されているだけだ。さっそく入店するとすぐ目の前が厨房で、その手前に5つの席が並んでいて、そこに3人の先客が居る店内。

右手の壁に券売機が設けられていて、財布を出すとうっかりして1万円札しかないことに気がついた。先客オーダーの対応が終わるまで待ち、お詫びしつつも両替して貰い券売機の前に立つ。

近い距離もあって念のため店主にオススメがあるかお聞きすると、どれもがそれぞれに違うシフトでお奨めだそう。それならばと来る前に決めていたつけそばを選択。他には醤油味の中華そばと、塩中華そばがあるこちらだ。

麺量を確認すると普通でおよそ260gだそうで、大盛だとおよそ370g近いことを教えて頂き大盛ボタンを連打した。麺食堂Xに一度だけ訪れたことをお話して、実際そうだったが何度も再訪を考えたことをつけ加えた。向こうでは中国式手延べ麺だったが、こちらに来て通常の自家製麺にしたそう。

手延べの場合手の衛生上一人で営業出来ず、どうしても最低もう一人の人手が必要となるそう。そこで移転を機にして店名も一新して製麺機を導入したようだ。ちなみに店主は馬賊ではなく残念ながら2006年に閉店してしまった、馬賊出身店主の新橋・餓王で修行された方だった。

また食べ歩きはたまに有名店を訪ねる程度で殆どしないそう。来店するお客さんの情報を参考にして、こちらでの新しい提供メニューを考えられたそう。国道4号沿いにあるこちらで、広い歩道はあるものの勢いよくクルマが通過して行く分ラジオのボリュウムがやや高かった。程なく到着。

軽く麺をだけを箸でつまんで口にすると、これがつけ汁が無くても愉しめるほど実に素晴らしいもの。ついつい麺だけで、かなり食してしまった。国産にこだわらず地粉など3種類ほどの小麦粉をブレンドした麺だそう。太ストレートの麺はやや色が付いていて、挽きぐるみの全粒粉のようだった。

それではと汁に浸して行かせて貰えば、これまた感動級の濃厚魚介豚骨系のたまらないシフト。魚介食材はありがちな感じだったが、ありそうで無かったそんな味わいの王道一直線の素晴らしさ。麺がいいと当然つけ汁もワンランク上の味わいとなる。

そこに店主の腕が問われるところだが、さすがこちらの店主は見事なシフトを作り上げていた。スープ割りも素敵で、気がつけば完食。後続客が続く。最寄り駅から若干あるものの、5席だけに今後行列店必至なこちらになりそう。いや、かなりとんでもなく、果てなく実にとっても絶え間無く良かった。

(左フォト) つけそば大盛(麺・汁)/店頭外観 (2012.10.23)


 中華そばつけそば こばやし

 中華そば麺量:普通盛約200g/大盛約250g◆つけそば麺量:普通盛約260g/大盛約370g

 住所:東京都足立区千住寿町8-17

 定休日:月曜日(祝日営業翌日休業)  営業時間:11:30〜15:00/18:00〜22:00

 アクセス:JR常磐線北千住駅北改札口下車。西口に出てロータリーから延伸する道路を歩いて
       行き、国道4号に出たら横断歩道を渡ってから右手へ進む。200mほど歩いた次の信号
       の少し手前の左手にあり。徒歩およそ8分。



  2012.10.23 店舗は国道4号千住寿町信号交差点の目の前にあり。   2012.10.23 中華そば・塩中華そば・つけそば、後は大盛とご飯だけ。


※「麺食堂 X(エックス)」葛飾区東立石2-1-1 中国式手延べ麺時代。




世間は底の見えない株価に戦々恐々の、しかし気候は寒さも昨日で一段落の様な、比較的気温が持ち直した水曜日の昼さがり。

昨年の春時にオープンして気になっていた、こちらへ本日は出掛ける事にした。

京成八幡から京成電車に乗り、青砥で各駅停車に乗り換え、京成立石で下車。数年前に駅そばにあるけんけんへ行く為に、二度下車しただけの駅で、殆ど知らない周辺。

見ると下町らしい、風情のある商店街があり、惣菜を自転車に乗ったまま支払いを済ませて、無造作に自転車のカゴに放り投げ、踏み切りを渡って行く初老の女性。

小麦粉を焼く、香ばしい香りが薫る。そんなどこか活気のある商店街を抜け、奥戸街道から平和橋通り方面へ向かう。

途中複雑に入り組む道路に苦戦しながらも、八百屋の店先の旦那に道を尋ね、町内会の地図を見つけ、軌道修正が出来て店頭には午後一時前頃に到着。

店内は満員御礼で、ガラスの引き戸の前に4人の外列があり、その後ろに就く。換気扇からは、芳しい香り。

多少だけ待って入店。こちらは日暮里・馬賊と同じで、麺をその場で伸ばして行くスタイルの、新橋・餓王で修行された店主らしい。

もちろんこちらも、専用スペースで大きい音を出しながら、麺を伸ばしていた。カウンタ席に腰掛け、ランチ時は大盛が同じ値段と言う事で、丸旨塩つけ麺800円を大盛でお願いする。

するとジャスミン茶が来て、それが口の中をすっきりとさせ、これがまた美味しい中国茶だった。そして、更にけたたましい音がした後で、程なく到着。

時間が気にならない空間とは、まさしく言い得て妙だった。おお、汁の乳白色の加減も然る事ながら、もうこの麺の艶やかさはどうだろう。

それではと口にして行けば、もうもう、旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。瑞々しい麺は華々しく美味しく、汁は鶏の旨みが十二分に表現されているもの。

麺が途切れてないので若干食しにくいが、そんな事はどうでもよい程にいい。気がつけば完食。スープをお願いすると、小茶碗に入れた出汁スープが来て、つけ汁を適量来た茶碗に入れ楽しむ。

インパクト食材をさりげなくして、鶏と豚の婚前交渉的な出会いの旨さ。今月は、水曜日の休みは無いそう。 いや、旨かった。


(左フォト) 丸旨塩つけ麺 (麺・汁) (2008.01.16)


駅前の風情ある立石駅通り商店会。

平和橋通り沿いに立地するお店。

鮮やかな手さばきで麺が延びて行く。

楊枝入れにもこだわりを感じる。