喜劇らーめん食べ歩きの世界 U


仕事が終わって、電車に乗って。本八幡の改札出口に、定期券を通す。

そして店頭に立ち、赤いネオン看板の明かりに安堵を感じ、それほど混んでない時間帯の、こちらの一席に着く。

背の低い一本テーブルの、両側には丸椅子があり、テーブルには粉砕状の長ネギにモヤシがザルに入り、

どこに座っても手が伸ばせる場所に、それは置いてある。

もしかしたら、広い日本のどこかに、似たようなこんなお店があるのかも知れない。

それでもここに集まる人達は、誰もが唯一無二の月梅と応えるに違いない。

(ねぎそば月梅/2007.01.18)


陽がとっぷりと暮れてから、自宅を出てバスを待つ。寂しくなる暗闇のバス停は、通りに車が通過する度に、

周辺を明るく照らし出す。見上げれば、大木の枯れ枝の陰からは、上弦の三日月と、輝く冬空の星々。

子供の頃、同じ様に星空を見上げ、この星の先に何があるのか、考えただけで背筋が凍った思いも、

人は序々に癒されるのか、その思いから解放されて行く。第三惑星から、見える星空。

(菜/2007.01.24)


凍えた空気の、午後になって、いつのまにか小雨が降り出して来た、二月も後半の火曜日。

日暮れて、さらに寒さが募る、仕事帰り時。小雨も、止まず。JR本八幡駅南口の小じんまりした、

ロータリーの石畳の小さい水たまりに、ネオンが映りゆらぐ。そんな、午後九時過ぎ。

ふとまた、こちらの気分になり入店。

(八幡だんちょうてー/2007.02.20)



遥かなる大空を望めば、白く透き通ったようにして、青空の見えない正午前。

春浅い風は、それらしく、そして穏やか。まもなく、都知事選が行われる、

そんな桜花を待つ、大都会東京の三月中旬。 

今日もまた、秋葉原は、萌えているか?

(天神屋秋葉原店/2007.03.16)


まるで、良い思い出なんて、そう無かった青春時代だったと、

誰もが振り返る様な、陽が隠れてしまった日の、月曜日の天気。

曇り空で見る桜は、どこか紅さが、失われて淡白いものの、ひらひらと、

花弁が風にそよぎ始め、その足下に見る桜色の絨毯が美しい、卯月に入った日の休日。

四季が豊かな日本の、春にいつも決まって大木から、

花を咲かせる桜が、今年も美しい風景を繰り広げる。

(べんてん/2007.04.02)


深夜のあいだに、初雪が周辺に空から舞い降りた様で、朝方にカーテンを引けば、

眩しい陽射しが更に眩しくさせる。そんないつもより遅い初冠雪に、早咲きの梅が咲き出した木曜日。

ふと何故だか、こちらへと言う気になり、出掛ける事にした。風の強い外だが、陽射しも良く、

それ程の寒さでも無い感じだが、ひとたび風が強くなれば、襟を立てて寒さをやり過ごす。

(麺屋吉左右/2008.01.17)


春近い気候が街を包む、それは穏やかな、ひな祭り翌日の火曜日。

オーバーコートのボタンを外して、急ぎ早やに歩く人とすれ違い、高級車が乱反射の光りを送る。

春らしいそよ風は、そんな全てを陽気にさせる。

(桃天花/2008.03.04)


街はいつも、微かな鼓動を僕等に伝え、

そして何事も無かった様な顔をして、

また次の瞬間へと導いて行く。

見上げれば薄曇りでも過ごし易い、

時折りには薄陽が射す、春がそよぐ四月上旬の水曜日。

(兎に角/2008.04.02)


朝方の雨が嘘だったかの様な青空。駅への途中で、歩いていて見つけた、野原の空き地。

ふと見ると土筆と蒲公英にも、優しい光りの束が降り注いでいた。

水滴の幾つかが、陽射しを浴びてむせる草の香りを放ち、桜が終わった次の新しい春の花々を迎える。

青空がさらに広がりを見せ、風が駆け抜ける。雨のち晴れ。

(匠神角ふじ /2008.04.11)


見上げれば一度降っていた雨が止み、多少だけ曇天模様の空が明るくなりだし、

藤やツツジの彩りが街をさらに華やかにしていた、四月卯月後半の木曜日。

いつだったか家電店にいた頃、店のフロアーが使っていた自転車を借りて出掛けた所、

街角で警察官に呼び止められ立ち止まると、

乗っていた自転車の防犯登録シールの上に別のシールが貼られていて(泣)、

その後犯罪者扱いされた事があったが、そんな思い出さえ今では懐かしくさえ感じる、季節の変わり目。

人は実に多くの事を引きずる動物と言える(笑)。閑話休題。

(広島つけ麺ぶちうま/2008.04.24)


昨日の強い風と大雨が、まぼろしだったかのように、雲の高い空から穏やかな陽射しが降り注ぐ、

五月も後半の爽やかな水曜日。

ビルの巨大化が進む秋葉原は、ビルの数が以前より減りながらも、人の交差の激しさが増していた。

(めん屋いなば/2008.05.21)


さみだれ雲から舞い落ちる五月雨は、それが都会でもどこか郷愁を感じる雨音の調べが哀愁を誘う。

そんな止む気配の無い、凪の雨の日の木曜日。ぬかるむ歩道。

(竹園茶酒楼/2008.05.29)


手に持つ傘から落ちる梅雨の雨だれに、その向こうに待つ入道雲の幻影を見た、間もなく七月という木曜日。

我に返れば、薄墨を落としたかの如く、グレイトーンな秋葉原電気街の雨模様。

(喰麺家冬馬秋葉原店/2008.06.26)


梅雨の終わらない、何処かうらぶれた青空の、七月も後半に入った水曜日。

敬愛する武内伸氏が亡くなり、悲しみの週明けだったが、見る空が全てを凌駕させた結果なのかも知れない。

何も語らないよりは、語るべきと思った。ともあれ今日も、らーめんレポートは続く。

(天神屋秋葉原店/2008.07.16)


幾万ものモノローグを聴いて来た、そんな真夏の青空に雲が漂い、

そして夏の風が吹く、そんな7月終わりの木曜日。晴れ。

(牛丼専門サンボ /2008.07.31)


地球温暖化が進む、真夏の東京、特許許可局目下該当許可項目、今日確認中、だった(おいおい)。

それにしても、アブラゼミの喧噪が精神的にも気温を上げ暑い日々が続く、真夏の関東地方。

(粋な一生/2008.08.04)


そんな訳で、陽射しの眩しい本日、出掛ける事にした。店名が「つなみ」だけに、

心が波に飲まれる程に良い事を期待しつつ、京成電車で八幡からみどり台へ向かった。

さほど混んでいない、お盆休みらしい車内。ふと、吊り広告を見ると、

これがパチンコの広告。思わそのキャッチコピーでひとり唸る。

お盆も、仕事だぜ!!(おいおい) なお、私はライフワークだが・・・。

(つなみ/2008.08.13)


窓硝子には無数の水滴が付着し、梅雨を思わせる雨と暗い空が東京を覆う、

朝の通勤電車からの車窓。駅に停車する度に静まり返った車内には、

足音と共に大通りを走るクルマの水切り音が聴こえて来る。九月も近い、そんな雨の火曜日。

(つけめん麺天/2008.08.26)