中華麺店 喜楽 東京・渋谷





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まるで交奏曲が始まる序曲のように蝉の鳴き声が天空から聴こえて来た、今日も真夏の陽射しが朝からアスファルトを焦がしていた7月下旬の日曜日であった。

そんな今日も仕事が昨日と同じように早めに終わって外に出れば、午後7時過ぎの雨が降り出したばかりの夜の渋谷の街角だった。

そんな雨が行くきっかけにさせたのか不思議に今夜はこちらと言う気分になって、バックから折り畳み傘を出して広げて歩いて行き、途中から地下道を利用して店頭に到着した。

日曜日の夜の百軒店(ひゃっけんだな)だからなのかやや人通りが少なく、やや入店客の少ないこちらの1階厨房前のカウンター席だった。その空いた1席に促されて、そこに腰を降ろした。

不意に来たからオーダーは特に決めて無かったものの、ここの処しょうゆ味系とタンメン系を交互に愉しんでいて、そう悩む事もなく今回はしょうゆ味系のワンタン麺を麺柔らか目でお願いした。

まだ午後8時前だったから、本日は最終客と言う事も無く程なくして後続客が続いて来た。見ていると基本的にグループ客は上に上げ、単身客は1階の席に座らせていた。

その一人の単身客は私の近くに座って、もやし麺をオーダーしていた。思わず耳が反応していた。そして程なく麺柔らかの中華そばが到着。

それではと行かせて貰えば、それは遠い日の古いアルバムの上を歩くように、何処かで懐かしさを振り返るように味わっていた喜楽のカウンター席だった。

何故だろう、こんな風に懐かしい思いがよぎるのは、と言うしかなかった。

まるでせつない小夜曲をBGMにでもするようだが、仕事で疲れながらもそこは充足した思いがあるだけに、単にラーメンの味わいの中に刹那の一瞬が感じとれる所なのだろうか。

都会の夜がいざなう気まぐれか真夏の夜が作った偶然なのか、そんな風を感じている内に気がつけば完食だった。

何度も気楽に喜楽へ来れるとまた違った趣になるもので、何度も訪れるとその味わい深さがまたたまらないものとなった。たまに名店を訪れるだけでは判らない事があるものだとそこで痛感した。

直ぐ近くの後続客がオーダーしたもやし麺を見ると、今まで一度も注文した事は無かったが、たっぷりのもやしを豚肉等と炒めたものが乗ったもので意外だった。

と言うのも、こちらの以前訪れたこちらで修行した店主のお店である永楽のもやしラーメンがあんかけになっていたから、てっきりこちらも同じ感じかと思っていたが違っていた。

精算を済ませて厨房の方に挨拶してから外に出る。気まぐれな夏の夜空は、まだ雨を降らせていた。これで少しは地表面の温度が下がるだろうか。いや、今日もまた美味し喜楽の中華そばであった。

(左フォト) ワンタン麺/店頭外観 (2010.07.25)※2011.12.9文章一部修正


 中華麺店 喜楽@渋谷

 住所:東京都渋谷区道玄坂2-17-6  定休日:水曜日  営業時間:11:30〜20:30(LO)

 アクセス:JRほか渋谷駅下車。渋谷109左手の道玄坂を上って行き、二つ目の右路地の百軒店
       商店街とあるアーチを潜り少し歩いた左側にあり。地下鉄出口1から外へ出るとそこから
       ほど近い。


今日も夏の欠片の一つが空いっぱいに広がっていたような、そんな夏らしい気温と湿度で、ふと初めて夏を意識したのはどんな年の夏だったかなんて、そんな想いを馳せて見たくなった7月前半の土曜日であった。

そして今夜も仕事が終わって外に出れば、傘を指す程でもない微量の霧雨が渋谷の夜を軽く濡らしていた午後8時過ぎの渋谷駅前界隈だった。

そんな本日はまたこちらへ立ち寄って見たくなって入店する事にした夜だった。「渋谷に喜楽あり」とした名店の中の名店だ。店頭にはラストオーダー5分前に到着した。

電光袖看板がまだ光々と点いていて、一階のカウンター席にはまだ半分の先客が中華そばをすすっていた。店内に入ると後片付けが始まる関係で、また二階へ促されて上へ上がって行った。男性二人客ばかりが3組のなか、空いていたテーブル席に腰を下ろした。

先日来た時の到着までの間に「冷麺」とあったメニューが妙に引っ掛かった事があって、どんな感じかお聞きすると十中八九はそうだと思っていたが、やはり予想通り冷やし中華と言う言葉が返って来た。

それでも良かったがそれはまた今度にする事にして、再度見たメニューから今回はまだ未食だった五目麺にワンタンが入る「五目ワンタン麺」で行く事にした。後続客は今夜も現れず、今回も最終客となった。

メニューリストの一番最初に紹介されているのが五目麺で、そこにワンタンを入れたもの。

言わばイチ押しメニューの豪華版となるわけだが、名前的にはタンメンの延長線上にも感じるメニューだけに、そんなイメージでオーダーしたものだったが、暫くしてやって来たそれは見た目は予測内であったものの何ともまた違うオーラが感じられるものだった。

それではと口にさせて貰えば、タンメンのようでありながら不思議と違った風情があった。

これが実に美味いもので、肉は豚レバーと豚ロースの2種類が入り、その他には味玉半裁に白菜・人参・筍・キクラゲ・さやえんどうに椎茸で、どれも食べ易いサイズに切り揃えられて絶妙な塩気と優しい味わいが良かった。

こちらのワンタンがまた感動クラスに美味しいもので、五目麺との相性もあるのかこんなに美味しいワンタンがあったのかと一人テーブル席でウンウンと唸りながら首を縦に振ってその感動に浸っていた私だった。

結構な野菜の量だったがそこは気がつけば完食。いやいやいや、適度なヤワメの中太平打ち麺もあって、とんでもなく美味しい五目ワンタン麺であった。

(左フォト) 五目ワンタン麺 (2010.07.03)


3月中旬から渋谷へ勤めるようになって、既にかなりのラーメン店を紹介する事が出来た今日この頃。そんな折りだがこちらと言う気分になって、また訪れる事にした今夜であった。

以前は渋谷駅前のスクランブル交差点の信号を待ってそこを渡り、それぞれのラーメン店へ訪れて行ったものだが、最近はその下にある地下鉄駅のプロムナードを歩いており、それで人の行き来も上ほどでは無くそうしていたりしている。

今日もスクランブル交差点手前で階段を降りて行って、1番出口から地上に戻って緩やかな道玄坂を少し上がってこちらの店頭にやって来た。

閉店時間の8時半数分前もあって店先の照明が消されていて、閉店準備間もないこちらの感じであった。前回はもう少し早く来て、その様子を中から見ていた。

しばらくはそれでも入店して来る客を迎え入れていた事を思い出し、さりげなく中へ入ろうとすると二階に促されて、入店が認められたので上へ上がって行った私だった。

すると一人ラーメンを口にしている人が座る4人掛けのテーブル席に促されて、腰を降ろしてからチャーシュー麺大盛と言った後で、麺柔らか目とそこに足すように告げてオーダーした。入店した時はまだ盛況と言える店内であった。

しかし続く後続客は一人も現れず、自分が本日の最終客となったようだった。麺柔らか目と言った分だけ遅れてやって来た。それではと行かせて貰えば、これが相変わらずの実に風情豊かな中華そばで、麺が柔らかい分いつにもまして感動の度合いが数段以上良かった。

チャーシューが若干だけ縦積みながらこれが昔を思い出す程の良さで、それはそれはとんでもなく美味しいチャーシューであった。麺量も満足行くものながら、気がつけば完食であった。

食べ終えて周囲をふと見ると、まるで田舎の終着駅に一人取り残された乗客の如くで、周りには誰もいない店内であった。一部だけ席もテーブルの上に上げられていた。

下に降りてからいつものように精算を済ませて、笑顔できちんと挨拶してからお店を離れた。何かが繰り返されているように、誰かが繰り返すように。今夜も渋谷の夜は更けて行く。

時にスイーツブログも相変わらず続けていますが、最近はラーメンネタでレポを締めています。そのネタがウケた時は是非とも愛のワンクリックをよろしくお願い申し上げます。(スイーツブログはこちらです

(左フォト) チャーシュー麺大盛/メニュー (2010.06.06)


先日訪問したばかりだが、前回はケータイ撮影がまだおぼつかない頃で画像がピンぼけだったので、そんな所を刷新したい為、また訪問することにした今夜であった。

またそれに加えて昨今のタンメンブームもあって、こちらのそれを是非早い時期に紹介したい事もあり、行ける土曜日を待ち、会社帰り百軒店と書いてヒャッケンダナと読ませる商店街のアーチを潜り抜けた。穏やかと呼ぶには語弊が出そうな、目の前の傾斜の坂道を昇って行くと、そばにキャバクラ系のお店があるのかその呼び込みのお兄さんに声をかけられた。

時間が時間だけにありがちな出来事だが、「場所決まってます?」と来たので、「ラーメン食べに来ただけ」と言うと、徐に近づいて来た足取りがその時点でピタリと立ち止まった。

そしてから「喜楽でしょ?」と来たので「大当たり」と返せば、手を振りながら見送ってくれ、また渋谷の街がさらに好きになった一瞬であった。

店頭に到着すると数人だけが並んでいたが、直ぐに中へ入って行き二階に促されて上がって行った。お店の方が私に気づいたので、指を一本だけ立てて単独客である事を指で示すと、一階の入り口前の空いたカウンター席に促されそこに腰を降ろした。

メニューには大抵の場合は湯麺と書いてあるタンメンで、ご多分に漏れずこちらも同じそれをお願いした私だった。目の前には幾つものドンブリがステンレス製のテーブルに並べられており、麺が入り具が乗せられて次々とラーメンが出来上がって行った。程なく到着。

おお、何処となく黄金色に輝いた、風情のいいオーラがあるタンメンがやって来た。それは昭和27年創業の名店らしい、風格が感じられたタンメンのビジュアルだった。

それではと口にして行けば、たっぷりの野菜にもいい味わいが感じられる美味しさで、中太平ストレートの麺は麺茹でサイクルの最終コーナーだった分先日よりも柔らかく、スープもその分さらに乗り易くなっていて嬉しい良さがあった。

塩気は食べている最中は気にならなかったが、スープが美味しかった分多めに飲むと、最後の方でやや多めに感じたが気にならない範囲のうちに気が付けば完食であった。

すぐ目の前に店長さんらしき方がおられたので、さりげなく(自分的には)以前ビルに建て替える前に何度か来た事を告げた上で、このビルが完成したのはいつ頃だったのかお聞きすると、21年前だそうで平成元年頃の事らしい。

そうすると家電量販店に勤める前に訪れていた事になり、ふとこちらがまだ木造家屋だった頃の自分の何気ない出来事がオーバーラップしていた。

以前は厨房側に上へ上がる階段があり客席側に厨房があったそうで、自分が上へ上がる姿がそんなお言葉のお陰で鮮明にイメージ出来た。普通に足を置いても、それはきしむ音が響いたものだった。

それにしてもあの時ここで食べたチャーシューは、どう美味しかったか表現出来ない程記憶は風化してしまったが、こんなチャーシューが世の中にあるのかと感動した程にとてつもなく美味かったものだった。知らない内に舌が肥えたのだろうと思う、そんな桜咲く春の夜だった。


(左フォト) 湯麺(タンメン)/周辺の夜の顔 (2010.04.03)


足の筋肉は退化していないものの、終業時間が近づく頃になると足裏がジンジン来てしまう数日だったが、やっとそれも落ち着いて来た祭日の月曜日の夜であった。

仕事的には一度以上は経験している事ばかりだけに、流れを覚えて更によく勉強し、潤沢にこなして行きたい今日この頃だった。

そんな感じで今日も仕事が終わって外に出れば、比較的早かったのでそれならばと早い内に訪れたかった、こちらに足を向けた今夜であった。

午後8時半には閉店してしまう為、ダメ元で店頭に着くとその10分前で、こちらの終業時間はどうやらラストオーダー時間のようだった。

中へ入ると後片付けが近いからか2階へ促され、いつものようにテーブル席の相席で腰掛け、メニューを拾い上げそこから今回はワンタン麺をお願いした。

グループ客がいない所為か、ほぼ満員の店内ながら聞こえて来るのは、先客が中華そばをすする音のみの感じだった。袖看板の照明が落とされ入り口を暗くしたのか、いつの間にか続いていた後続客がピタリと止まっていた。程なく到着。

タンメンも考えて来たが、揚げネギありきな所があってこれにしたが、そのビジュアルの風情に心が和み仕事疲れが半分になった気がした。

それではと口にすれば、やはり来て良かったその美味しさに加えて、自分のラーメンをすする音が先客のそれに同化している事に或る種の一体感を覚えた事に嬉しさを感じたものだった。気がつけば完食。先客が何人か下に降りて行き、徐々にラーメンをすする音が減って行く。

それはまるでシンフォニーからコンチェルトとなって、まるで独奏で完結するクラシックコンサートのようなイメージか。下へ降りて行き、腰を曲げながらも元気そうなお婆ちゃんに、世間話しをしつつも代金を支払った。

外に出るとそう寒くはない渋谷の夜で、そんな東京にも桜の開花の知らせが届いていた今夜だった。

(2010.03.22) ※今回画像なし


本日はラーメンバンクを運営する大崎氏により、恵比寿で第一回ラーメン検定王選手権が開催されると言う事で、ラーメン検定を受けた実力者が火花を散らすらしい。

ラーメン検定を受けたりするのは何だが、クイズ大会を見るだけなら楽しめそうと出掛ける事にした。

その前に一軒立ち寄った後で、恵比寿某所へ行き観戦したが、新店から老舗店、チェーン系から有名店まで、ありとあらゆるラーメン店のラーメンとつけめんがクイズ問題となり、最新事情を知る事も出来たし、笑える場面も多々あり、参考にもなり、楽しめたクイズ大会であった。

年が明けてから、この時の模様が、DVDソフトとして発売されるらしい。それも終わり解散となり遅いランチと言う事で、その場所からこちらまで歩いて向かう私だった。クイズでこちらのラーメン画像が出た事もあり、思わず久々また寄って見るか、となったのであった。

さっきまで降っていた雨が上がっていたものの、雨雲はそのまま動かないでいた午後二時頃。暗い雲で覆われた、そんな大空の渋谷界隈。

渋谷駅前の雑踏は、いつもの様に凄く、新宿や池袋には無いパワーで漲っていた。何処となくハイセンスであり、何処となく雑多感もある街だと思う。

渋谷109の道を左手に行き、しばらく歩けば上り坂の、渋谷百軒店(ひゃっけんだな)商店街入口がある。そのアーチをくぐり、少し進んだ左手に、こちらが今日も風情よく佇んでいた。

おお、午後二時過ぎと言うのに、7人の外列が待ち受けていた。やはり、渋谷に喜楽あり、だった。それでも回転が良く、しばしだけ待った後に入店。また一階に通されて着席。

この時間帯は、一階だけかも知れないが、定かではない。一呼吸おいてから、ラーメンをオーダー。後続客が続いて、中華麺と言ってオーダーを通したが、出て来るものは同じ。程なく到着。それはと行かせて貰えば、いやいやいや、もう旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。

もっちりと来る太い麺、揚げネギが絡むモヤシ、醤油がまったりした風情のあるスープ、濃い醤油色のホクホクしている味玉子、うま味ある厚いチャーシュー。

どれもが喜楽であり、どれかが抜ける事も無い、喜楽の醤油ラーメンこと、中華麺。気が付けば完食。もう、やっぱり、良かった。

(左フォト) 中華麺/店舗外観/百軒店商店街入口 (2008.12.14)


とあるサイトでこちらのラーメンを目にする機会があり、そう言えば行ってないし、行けるしであった。そんな訳で本日4年ぶりに渋谷へ散歩がてらこちらへ出掛ける事にした。

昭和27年創業の老舗店で、20代の頃に何度か足を運んだお店。何度と無く近くの「桂花」と、どっちにするか悩んだあの頃。(おいおい)

午後一時前頃、店頭に到着。運良く一人待ちの後ろに着き、4年前の前回は二階席に案内を受け階段を上ったが今日は程なく1階カウンタ席中程に案内を受ける。着席前にオーダーを聞かれて、やはりいつものチャーシュー麺をお願いする。

ここのラーメン(中華麺)は普通盛りでも多めでボリュウムがあり、現在600円のようで、それでもこの平成ではお得な金額と言える。

目の前でラーメンが調理されているのが見える1階カウンタ席は、2階で待つよりはその旨さが倍増しそうな感じ。ちなみに以前の古い店舗の時は、一階に確か席は無く厨房のみだった筈。程なく到着。

ドンブリに顔を近付けると、焦がしネギの何とも言えない、香しさがやはりたまらない。それではと口にすれば、いやいやいやいや、太麺の独特なモッチリ感に、モヤシの絡みが相も変わらず良く、豚骨鶏ガラの絶妙な割合のスープ。

そして、甘ささえ感じる焦がしネギ等の旨みが、ドドンと押し寄せて来て、もう旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。ま、チャーシューの旨さが、こうだったかな?と言うのは今日も感じたが、それでもかなり良いランクのチャーシューに変わりは無い。気がつけば、完食。やっぱり、すっきり、旨かった。

(左フォト) チャーシュー麺 (2007.11.26)

     
入口にあるメニューボード。 名店に相応しい風情のある店銘板。 渋谷109の裏手にある有名ラーメン店。 2003.06 チャーシュー麺

低く垂れ込めた、黒ずんでいる雲から霧雨が降り仕切る木曜日の午前。一路、渋谷へと向かう。二十歳の頃に何気なく入った繁華街のラーメン店。これは旨いと何度か足を運んだ。二階席へ行く階段が木で出来ていて、みしみしと音がしたものである。当時そんなラーメンに対して入れ込んでいなかったので足は遠のき、忘却の彼方となってしまった。今、時代はラーメンブームの真っ只中。雑誌で代変わりをしてお店の建物も一新された事を知り、随分と残念に思ったものだが、やっぱり食べて見たくなった。

霧雨止まぬ渋谷に着くと、アンブレラの花が咲き乱れていた。また高いビルが出来、でもその様相は20年前とそう大差無い様に感じる。渋谷は前からそういう街である。道玄坂の路地を入った所に今も同じ店名はあった。茶色のレンガ貼りの瀟洒な建物になっていた。そして変わらぬ人気で行列もあり、四〜五人が並んでいる。しばらく待って二階席へ案内される。あのきしみ音の面影はない階段を昇り、またそこでしばらく待つ。注文を聞かれてチャーシュー麺をお願いする。そして着席。六人掛けのテーブル席に見知らぬ者同士が同じ店のラーメンを黙々と食べる。

よくある街の出来事。二階にいたお店の方二人は中国人の様で時折、「☆△★□☆☆」と判らんチンな事を言っている。しばらく待ってついにラーメンが到着した。湯(スープ)は豚骨と鶏ガラで丁寧にダシをとったあっさり醤油に、今では珍しく無い揚げネギが多さを感じない絶妙の量。それに芽がついたモヤシに、麺が太ストレートの独特な麺。スープだけ一口飲んだ時に、「あれ?」と思ったが麺とモヤシを同時に口に入れた瞬間、「そう、これこれ」と感じた。チャーシューはしっかりコゲも見られるしっかり食感系でいけた。

遠い記憶を蘇らせて感じたのは、味のアウトラインはほぼ同じだがどこか違う様な気がする。舌が贅沢になっただけだよと言われそうであるが。でも確かなのはチャーシューで、前は感動物に旨かったはずである気がした。何れにしても懐かしさも手伝って、気が付いたら完食していた。清算を済ませ、109を通り過ぎ、雑踏の一人に同化して行く。人々の感性が流行を生み、それにより感性が変わり味覚も変わるのであれば今後も変わり続けるであろうし、その中でアウトラインだけでも変わらないと云う価値は賞賛に値する事であろう。午後になると時折太陽が顔を出して来た。良き時代の良きラーメンを、平成不況の中で堪能した。

(2003.06.12)