池袋大勝軒 君津店 千葉・君津 ※閉店







午前中は強い風が吹く事も無く、大空に広がる雲は、陽射しを隠すものの厚い雨雲とは違い、それは穏やかな二月中旬の金曜日だった。

そんな今日は先月は無かった、また千葉市内の定期検診日。そしてそれも正午前には、問題なく無事済み、JR千葉駅へ路線バスで、とんぼ返りする私だった。

千葉駅に着いて、腕時計に目をやると、午前11時58分と言う時間。バスの車内で、正午丁度発の内房線安房鴨川行きに、間に合う事に気が付いたが、とても微妙な時間にバスは着いた。

まだその時点では、何処に行くか決まっておらず、スイカ圏外も考慮し、券売機でとりあえず最低運賃の切符を買った。再度時間を見れば、なんと午前11時59分で、自動改札を抜け、階段を駆け上がり何とか発車ギリギリの電車に間に合った。

色々なラーメン店が思い浮かんだが、悩んだ末に君津駅で乗っていた電車から降り、駅のホームよりロータリーにある、こちらの営業を確認。その上で改札を出て店頭に立った。

プラットホームから営業を確認出来る、ラーメン店は千葉県内にも数多く存在するが、臨時休業がたまにある外食店だけに、間違いなく営業しているのが判るのは大きい。

そんな訳で入店すると、そこそこに盛況な店内だった。空いていた奥のカウンター席に腰掛け、何にするかメニューを覗き込んだ。

すると「中華とモリの融合、もりそばのスープラーメン版」と紹介されていた、「ぶっかけ」なるメニューがあった。「ぶっかけ」と言うと讃岐うどんであるが、それに近いのであろうか?そう言えば前回来た時もあったメニューだった。

お聞きすると、もりそばのつけ汁で、ラーメンにした感じらしい。それは面白いと思い、それの大盛りをチャーシュー増しでオーダーした。するとウチの大盛りは、凄いですけどイイですね?と来た。

以前の私なら二つ返事で「イイですとも!」だったが、そこは「じゃ、普通盛りで・・・」と返し、チャーシューぶっかけ普通盛りで収まった。店主はおられず、その変わりに厨房には、女性がお二人おられた。程なく到着。

そのオーダー品が到着する頃、店主が何処からともなく現われ、以前来た事を告げると、すぐ判って頂き思わず深々と御挨拶。

頭を上げると「濃かったらお酢を垂らすといいですよ」と言われた後に、「この脂を入れて見て下さい」と来られ、こってりシフトが好みの方は、うまみ脂多めと申告した方が良さそう。ズラリと並んだレードルの上にも、そうした案内があるので、お願いして見よう。

そのビジュアルは、濃いもりそばのつけ汁を、まさしくラーメンにした感じ。ウドンで「ぶっかけ」と言うと、汁の少ない合えそば的なイメージがあるが、またそれとは違っていたこちらのオリジナルメニュ−。

それではと行かせて貰えば、そこはもう、正統派東池袋大勝軒系の良さが、十二分に表われたもので、もう美味い美味い美味い美味い。チャーシューも味玉も、大変に旨いもの。

神保町に程近いお茶の水大勝軒の出汁感がありつつ、そこに昭和と言う名の出汁をプラスした、そんな旨みが口内を魅了させるもの。数多い大勝軒の中でも、ここまで遠方でありながら、三度目の入店になったのは、そんな所があったからかも知れない。

麺は絵に書いた様な低加水で、ヤワめの極太ストレート仕様に良い個性がありつつも、スープの色をその表面に映していた。脂やお酢を入れる前のスープは、日本蕎麦の汁に近い風情があったが、それらを投入すると風景は一変し、よりラーメンらしいスープになったのが面白かった。

君津の大企業と言えば、新日鐵と浮かぶ方も多いと思うが、遠方から来られる同企業の取締役には大勝軒のファンが多いらしく、よく来店されているらしい。

ところが来る曜日が、業務の関係で月曜に変わってしまったそうで、昔の大勝軒の味だと慕ってくれる事などから、その為に月曜日の定休を止めて無休にしたそう。その変わりに日曜と月曜は、午後4時半でお店を閉めているらしい。

良き時代を知る、古くからの東池袋の大勝軒ファンは、山岸マスターのお店を、東(ひがし)を付けない池袋大勝軒と言っており、古い暖簾分けの大勝軒を卒業した店主のお店も、こちらと同じように「池袋大勝軒○○店」としている。

(左フォト) チャーシューぶっかけ/店頭外観/レードルが並ぶ上のインフォ (2009.02.13)







また行きたいラーメン店だったが、あれから二年近くも経っていた。今日こそ行こうと、JR船橋駅快速ホームで、君津行きを待つ。その前にケータイで営業を確認しておこうと、バッグから電話番号があるお店の名刺を探す。おっ、あったあった。り、リューキューアーユーの若オカミの名刺だった(おいおい)。

そんな訳で営業を確認して、一路臨海工業地帯君津へと向かう。幸い薄雲が空を覆うものの、爽やかな陽の注ぐ、梅雨の中休みの日だった。

二年振りの店頭は、ほぼ変わっていなかった。中に入ると店主はたまたまおられず、先客でカウンタ席は窮屈そうだったので、テーブル席に腰を降ろす。ふと見上げると、「当店のスープは房総の名水(不動の滝)を使用しています。店主」と墨で書かれた案内があった。

さらに前を見ると、房総で暴走しそうな、カックいい車の脇腹に「大勝軒」とあり、思わず「頭文字D」で出て来る、トレノの「藤原とうふ店(自家用)」が頭をよぎった。あの車で、名水を汲みに行くのだろか。おそるべし。

お店の方にメニューから、ここはつけめんで行くかと、もりチャーシュー850円をお願いする。少しすると、店主が来られたので御挨拶。君津と言えばやはり新日鐵なのか、そうした方の出張で来られた方も、味が濃いと言われていたそうで、一考を案じて醤油ダレをオチョコに入れて最近は出しているのだそう。

ちなみにそうした常連さんの中で、こちらは昭和50年代の池袋大勝軒の味に近いと言って下さる方もいらっしゃるそう。また最近では、茨城大勝軒系の話題も出ているそうで、二郎系に芽生えそうな雰囲気を匂わせていた。これは、更におそるべし。

「お腹すいてるでしょ?」と聞かれ、朝食はバナナ一本だったので、素直に応える。するとつけめんの前に、前回訪問の答えなのか、「試作です」と中華そばがやって来た。見るとなるほど醤油ダレと旨み油が入っていないラーメンに、それが容器に入れて添えられていた。

まずそれで数口すすりスープを飲むと、やはりこれだけで充分に美味しいもの。タレと油を入れると、旨み豊かな醤油ラーメンで、もう旨い旨い旨い。チャーシューもかなり良い。夕方にはさらにダシが良くなるらしい。いやいや、旨かった。そしてつけめんが到着。

麺は自家製特有の太ストレートで、もうもっちりな良さ。つけ汁はかなり吟味したらしいお酢がフルーティさを醸し、醤油も塩気が抑えられたもの。高級なものを使うから良い物が出来るとは限らないそうで、そうした事を教えて頂いた。いや、旨い旨い旨い。

そしてチャーシューがこれまたすんごい旨い。やや炙られた感じがあり、その旨さに酔いしれた。塩味と味噌味のラーメンも始めた様。気が付けば完食。 いや、良かった。

(左フォト) 中華そば(醤油・油が別皿)/もりチャーシュー(麺・汁) (2006.06.14)


 池袋大勝軒 君津店 (いけぶくろたいしょうけん きみつてん)

 住所:千葉県君津市中野4-1-1  定休日:無休  営業時間:11:00〜20:45※日曜・月曜〜16:30

 アクセス:JR内房線君津駅南口駅下車。駅前ロータリー内右手側。

店内にあった車のフォトを拡大。 水にこだわる、インフォメーション。

  

竹岡の梅乃家へ行く途中、君津駅の乗り換えでベンチに座っていると、駅のロータリーにこちらのお店が見えた。昨今の大勝軒開店ラッシュで出来たのか程度に思っていた。その帰り道、やつぱり気になると、帰りは途中駅の君津駅を飛び降りたのであった。お店はもう丸井並みに駅前。店内に入ると、例によって山岸さんのフォトだが、それがやけにデカい。その大きさが何を意味するかで頭が巡る。カウンタに座り、中華そばをお願いする。程なく到着。

思わず唖然の中華そば。なかなかのダシスープと醤油ダレだが、なんなんだこの醤油ダレの濃さは?と言うくらいに濃い。いくら梅乃家に近い大勝軒でもこれは濃過ぎる。それとも地域性の問題なのか?と思っていると、店主らしき方がどこからか帰られた様で、店内客に挨拶をしながら厨房に入られて行ったのだった。

ラーメンは醤油ダレが濃い以外はなかなかのものであった。食べ終わる頃店主に、「醤油ダレ、梅乃家並に濃いですね」と言うと、「初めは薄くしてたんですが、梅乃家さんの様に濃くしないと受け入れられないんですよ、常連さんは逆に薄口希望の方が多いんですよ」との事。う〜む、地域性なのであった。言えば、醤油ダレの濃さを自由に希望の濃さにしてくれるらしい。

「ほら、あそこを見て下さい」と見ると、な、な、なんとタレを入れるおたまのレードルが、10個近く並んでいたのだった。漫画の世界がそこにはあったのだった。おそるべし、である。「大きさが全部違うんですよ」との事。「ダシスープだけ飲んで見て下さい」と頂くと、これがまたすごい。ダシスープだけで味が整っているのである。それもかなり本格的。「去年、オープンしたんですが、今は自信ある落ち着いたスープを提供出来ます」とおっしゃっておられた。

店主は昔からの梅乃家の常連さんだそうで、同店のウメワリを提案した張本人らしい。大変に人当たりの良い方で近くだったら頻繁に通ってしまいそう。清算時、「また来て下さい」 「また来ます」と約束したが、我に返るとここは君津市、ああ君津駅である。でもまた訪問したい。イメージは濃い醤油顔。

(2004.07.14)


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