らーめん 兼吉 東京・大島





風もなく穏やかなもののやや冷え込んでいて、曇り空が広がる東京は若干の雨が予測されたが殆ど雨降りと言う事もなかった、十一月下旬休日の日曜日の午前中だった。

そんな今日は先日神楽坂某店の店主とお会いして、そんな折りふとこちらを思い出したものであった。

是非またこちらの無化調らーめんを堪能して見たくなり、都営地下鉄新宿線の電車に揺られ、大島駅に到着したのは午前11時半過ぎであった。

確かもう営業している筈と店頭に立つと未だ準備中となっており、やむを得ずサンロード中の橋商店街を散策した。その後でまた店頭へ行くと営業しており、三人の先客もおられた店内であった。

随分前の以前から正午からの営業時間にしているそうで、後で気が付いたが前回訪問した時もその時間から営業しており、勘違いしていたようで恥ずかしい限りであった。

振り返ると様々なメニューがあり悩む事頻りの末に、醤油味の旨辛らーめんにトッピングで肉ワンタンを選び、さらに半ライスもお願いした私であった。

醤油・白醤油・味噌味の各らーめんをベースに、そのスタンダード以外にも様々な仕様が用意されているこちらであった。

さらにトッピングも結構悩んでしまう位魅力的なものがあり、揚げもちに卵豆腐なんてのもあった。ちなみに揚げ豚と言うのもあり、500円で要予約だそう。

先日修行されたお店へ行ってこちらを思い出し、訪問した事を話すと歓迎してくれた店主であった。4年ぶりの店主は、以前よりもラーメン店主らしい、風格が備わっておられた。思わず自分の4年間が、オーバーラップしていた。

以前来た時は煮干し等の魚介臭が強い店内だったが今はそんな事もなく、その事をお話しすると逆に出汁に利用する食材は殆どが以前の2倍使うようになった事を教えてくれた。程なく到着。

おお、なんというオーラのいい風情の高いビジュアルな事か。まるで自らが輝きを放っているようにも見える程だ。以前の2倍食材を利用している事を納得させるものであった。

それではと行かせて貰えばそこは至福の世界。いやいやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

以前ラードのように感じたこってり感は、食材から溶け込んだまったり来る濃厚感で、濃厚ブームの今だからこそ理解出来るものであった。

醤油は本醸造丸大豆に白醤油と溜まり醤油もブレンドしたものだそうで、チャーシューはしっかりと炙られていて甘い脂感がまたたまらないものだった。

トッピングでお願いして入っていた肉ワンタンも、厚い皮がぷりぷりとして食感を楽しませてくれるだけでなく、肉餡には海老などの魚介食材にタケノコまでも入っていてウマウマだった。

柔らか目の中細ストレート麺はどこまでも裏方に徹しており、それによりスープの存在感を何倍にも押し上げていた。

入るラー油もマイルドな辛味感が何となくラーメンに合っていたが、激辛を楽しむ仕様でない事をつけ加えて置きたい。

洗練された味わいありきのラーメンで、それはもう気が付けば完食だった。まさに目立たない路地裏に佇む隠れた名店だ。いや、とっても美味しラーメン、ここにありと言えた。


(左フォト) 肉ワンタン醤油旨辛らーめん/店内インフォ/店舗外観 (2009.11.22)


 らーめん 兼吉 (かねきち)

 住所:東京都江東区大島6-27-6  定休日:水曜日  営業時間:12:00〜15:00/18:00〜22:00

 アクセス:都営地下鉄新宿線大島駅A6出口下車。出口前にある新大橋通りを左手に進んで行き、
       二つ目の左路地のサンロード中の橋商店街を入って行く。十字路の道を左に少し進んだ
       右側にあり。





正午過ぎに自宅を出ると、降水確率60%の大空を隠す、薄い灰色の雲が広がる、降りだしそうで降らない大島駅周辺だった。車の行き来が絶えない新大橋通りから商店街に入り、少し歩いた所にこちらがあった。今日はこちらと決めていた。

先日、浦安・永吉さんに行き、その修行先にも行って見たいと、翌日に神楽坂・黒兵衛さんへ伺った。実はそこから帰ってからメールを御挨拶で送って見た。

すると店主から、それは丁寧なメールが返って来てた。読むと「兼吉と永吉に足を伸ばしてくださったとの事、二人の元上司としてありがたい事と感謝しております」とあった。

こちらにはまだ訪問してはいなかった。これはこのお店に行きなさいと言う、ありがたいお告げに聞こえた。ともあれ社員思いの、素晴らしい経営者と感じた。

そんな訳で、今日はこちらへ行く事にしたのであった。

一昨年、開業した無化調店の様で、石神本常連店だ。 日曜日の都内商店街中程近くで、時間も時間だし混んでいるだろうな、と思いながら店頭に立つ。とりあえず、行列はなかった。

おや、「営業中」の札の変わりに、「営業夢中」と言う札が立て掛けてある。う〜む、ちょっと引いてしまう札だったりするが、それ程に入れ込んでいます、と言う主張なのだろう。 

引き戸を開けるとたまたまなのか、先客ゼロ。予想を見事に裏切られたのだった。

店内は煮干しの様な、本格魚介臭が漂っていた。店主の前に挨拶をして腰を降ろす。メニューから、白醤油使用とある、しろらーめん600円をお願いする。程なく到着。

おお、ドンブリが銀ブチ。メガネではよく見るが、ラーメンのドンブリでは初めて見た。煮干しの様な店内臭とは違い鰹節中心の魚介で、豚鶏をダシに使っているそうで、その分脂が多く浮くものの、なかなかのラーメンであった。

「煮干しはあまり使ってないんですねぇ」と言うと、「臭くなるからあまり使ってないんですよ」との事であった。味の穴の無い無化調でこれは良いぞと、次にしょうゆつけめん800円もお願いした。細麺で食べさせて、これもなかなかの良いつけめんであった。

煮豚チャーシューはダシに存分使っている感があるが、その後濃い味付けを加えた感じでまずまず。いや、どちらも奇をてらわず、大変に良かった。

途中で後続の方が一人だけ入って来られたが、それきり精算して帰る時まで引き戸は動く事が無かった。御高齢者が多いから、と店主は言っておられたが、立地を考えると、居酒屋や食堂等の複合商法的にするか、もう少し忘れられないような、個性が欲しい所ではあった。

帰り際に店主から、近くにある喫茶店を教えて貰い、そこで一服した後で駅に向かうとパチンコ店近くに、ラーメンチェーン店「空海」さんがあり、席はほぼ埋まっていた。やや心配な、らーめん兼吉さんであった。

(左フォト) しろらーめん/しょうゆつけめん (2005.11.06)


  2005.11.06 無化調インフォの貼り紙。   2005.11.06 入口には、「営業夢中」の店頭。



喜劇らーめん食べ歩きTOP