嘉夢蔵 千葉・みのり台 ※閉店

1980年代、イタリア・ローマのスペイン広場に、世界規模で展開するハンバーガーチェーンの、マクドナルドの一軒の店舗が営業を開始したのがきっかけで、今や世界的なムーブメントともなった、「スローフード」と言う考え方が始まった。それは、そう難しい事では無く、伝統的な食材のその生産者やその料理を守り、その味を理解して貰うものであり、キーワードとして、「ゆっくりと、のんびりと、待って、そして食べる」がある。



それは現代において、大変に重要であり、そして大切な考え方と言えよう。そんなスローフードを提唱するのがこちらの店主で、平成14年に長年のあいだ製粉会社に勤めていた経験も生かして営業を開始した。

当初は通常のラーメン店の様に、平日の昼も夜も営業していたが、最近は土日曜日の昼営業のみとなり、ついに本年六月末日(予定)を以って閉店する御意向らしい。そんな事情を知り、本日嫁さんと二人して出掛ける事にした。

午後一時近くに入店。先客でそこそこ盛況な店内。空いたカウンター席に、案内を受けて着席する。嫁さんは太平のつけ麺にして、私はこちら特有の幅三センチの平麺を、なみなみと入ったスープで行きたくなり、平麺のラーメンならぬ卵麺(らんめん)でオーダー。

麺は自家製で、北海道産の内麦(国産小麦粉)を使用し、地鶏有精卵と塩のみでかん水を使わないこだわり切った麺の為、法律的にラーメンと呼べないだけ。程なく到着。

おお、やはり悩殺的なビジュアルの麺と、どこまでもじんわりそうなスープ。季節毎に変わる野菜が菜の花で、春を満喫出来る感覚の具がまたいい。それではと口にして行けば、やっぱりこれがもう、旨い ∞ (無限大)。

そのスープは、動物系は何と黒豚ひき肉のみで、そこに天然魚貝食材がたっぷりと使用され、甘露醤油とも言われている、塩水の代わりに醤油を醤油に利用する三年もの再仕込み醤油を利用しており、その澄んだスープの味は、どこまでもまろやかな口当たり。

全てが天然素材のため、化学調味料が入る隙間が無く、その旨さにインパクトは無いものの、食せば判る他では味わえないニュアンスが賞賛的な滋味深いうま味。

気がつけば完食。利益を追求していない営業方針もあり、スローフードと言う文化を伝える事も出来て、体力的な事もあり、今回お店を畳む事にしたそう。

その多くの誌面でも、この姿勢と味を理解して貰い、営業して良かったそうだが、一部残念な扱いを受けた事もあったのか?でも多くの麺屋嘉夢蔵のそばを食した方は提供された卵麺につけ麺が、どんなに素晴らしかったか、を知っている。スローフードは永遠に不滅と言う事と共に。いや、実に、旨かった。

(左フォト) 卵麺(平)/太平つけ (2008.04.20)


 麺屋 嘉夢蔵 (めんや かむぞう)

 住所:千葉県松戸市稔台1-14-3サテライトビル1F 

 営業:土曜日・日曜日のみ営業 11:45〜15:30 ※スープ切れ次第終了

 アクセス:新京成電鉄線みのり台駅下車。改札を右折して踏切を渡り、歩道橋のある交差点を左折。
       一つ目の路地を右に入り、少し先を左折。程なく進んだ右側、徒歩およそ5分。


     
無かん水麺の半端でないこだわりのお店。 2006.01 冬季限定・ミート麺(太) 2007.08 卵麺(太) スローフードを提唱するお店。




つけ麺の具は別皿で供される。 まず麺の形状から決めよう。 2007.12 中華まん・肉まん 2007.12 中華まん・花巻

こちらにも年内中にもう一回行きたくなり、本日休日の嫁さんと共に訪問。サイドメニューで中華まんが人気の、平麺は幅3センチが圧巻のスローフードを推奨するお店。中に入ると丁度席が埋まっており、入口近くで多少だけ待ち、一番奥のカウンタ席が空いて着席。自分は太平つけを選び、嫁さんは平つけを選択。これに今回は、中華まんの肉まんと、具無しでロールパン形状の花巻(はなまき)もお願いする。

中華まんは、この他に帆立まん、あんまん、そしてやはり具なしでこちらはバンズ形状の割包(かっぽう)があり、どれも手作りの自家製。まずその中華まんが先に来て口にすると、ふわっとした皮にもっちりとした口当たりで、どちらも大変美味しい。タレがついて来て、少量つけて食せば、これがまた実に旨い。程なく、つけ麺も到着。

いやいや、やはりこの麺は、大変美味しい。こちらはカン水は使わず塩のみだが大変にコシが強く、それでいて柔らかく、例の幅3センチの平麺に至っては、ツルツル感がまたたまらない。つけ汁は生姜が辛味を作り、チャーシューの脂が甘味を表現するもの。青菜なども有機農法で、どの素材もこだわり高い。スープ割り用に若干麺を残し、それをつけ汁の器に入れてからスープ割りをお願いする。それをあらためてレンジで加熱してから、具を足してスープを入れ渡してくれ、旨くない訳がない。油は少なめで一安心。気が付けば完食。年内の営業は、本日が最後。年明けは2週目からの様。 いや、良かった。

(2007.12.23)


春先から初夏まで体を壊して入院し、その間は全くラーメンを口にしなかった。退院してこの二カ月弱は、数軒でだけ食した。一度油が抜けたのか、嗜好が変わったと言うのか、そんな感じとなった。一度復職したが、体調が万全とならず、色々と考えた末、今の勤務先を先日退職。今後は体に無理の無い、勤務先を探したいと思う。ここ最近は以前の嗜好も、ほぼ戻って来た様。今日は久々こちらへ行って見る事にした。中へ入り、カウンタ席手前に着席。

太麺の暖かいそば、「卵麺」でお願いする。後続が続き、賑やかな店内。平日の夜のみ営業も、いつの間にかやめていて、今は土日曜の昼営業だけだった。程なく到着。おお、いやいや、旨い旨い旨い、旨い旨い旨い。しんみりと来る、厚みある味わいが、やはり素晴らしい。以前より、油分を多めに感じたが、流石な一杯だった。気が付けば完食。 いや、旨かった。

(2007.08.26)


今日は嫁さんと共に、久々こちらへ行く事にした。無かん水麺の、こだわりのお店。開店まもない時間に入店すると先客ゼロ。しかし少しすると後続が続く。無カン水ゆえに、ラーメンの文字は無く、変わりに卵麺の文字がメニューに踊る。嫁さんはラザーニャパスタの様な幅3センチある平麺と、太麺がミックスされた太平を卵麺でオーダー。自分は、平麺のみで卵麺にした。後で食べるつけ麺も一緒にオーダーしたが、ふと冬季限定とあるミート麺のインフォを見つけて、そちらの太麺に変更する事にした。ここに来ると今日もそうだがカウンタ席に座り、そうすると世間話しに花が咲いて、如何にこだわっているかが良く解ったりするのだった。程なく到着。

おお、また更に良くなった感あるスープに、極平の麺が旨い旨い旨い。煮豚チャーシューも極上に美味しい。全てにおいて全く妥協しない旨さ。気が付けば完食。太麺のミート麺も具なし饅頭が付き、一見ボロネーズパスタだが、口にすると有機野菜の極み高い旨みが、それ以上の食べ物にしてくれる。饅頭にトマトピューレソースが絡まった麺を挟んで食べると、これがまた旨い旨い旨い。ボロネーズパスタっぽいが、ガーリックが入っておらず、それでいながらナチュラルな旨みで、物足りないと言う事も無いのだった。後半にスープを入れてくれるサービスもあり、これがよりラーメンスープっぽくて、その美味しさを感じさせてくれたのだった。いや、どちらも、やつぱり旨かった。

(2006.01.09)


某店を出た後、近くの喫茶店コロラドで一服。そしてなかなか来れなかった、こちらへ入店する。太つけ900円をオーダーした後で、店主と御挨拶。奥様がチャーシューを炙るか否か尋ねられて来られたので、つけ麺と言う事もあって炙る様お願いする。スローフード提唱のお店で、無かん水有機野菜で、そのこだわりは半端ではない。目の前で圧力鍋を使って、茹でられて行く。見るとキッチンタイマーの数字は6分40秒。しばらくして到着。

その太い麺は、表面は柔らかいものの、芯近くは強力なコシがあり、その絶妙な食感は、食べ心地の良さに圧倒される。つけ汁には、三年醸造の再仕込み醤油を使用しているそうで、何とも味のある感じ。そこに有機農法の擦られた生の生姜が多めに入り、その甘さは驚きを覚える程。脂の多いチャーシューが、旨みを加速してくれる。別皿には無リンのカマボコ、干し筍、青菜、可憐な大きさの卵焼き、脂の少ないチャーシューが付き、それを併せて次々に食して行くと、様々な旨みが口の中で弾けて行く。口にする前は900円は高いと思ったものだが、ここまで来て既にその考えは、微塵も無く消え失せていた。

スープ割りの時には、冷めたつけ汁にダシスープを入れると電子レンジが使われ、出て来たスープ割りは熱々で、先ほどの生姜が違う旨みで、魚介の旨みと共に楽しませてくれた。気がつけば完食。小麦粉の話しになった時、使用されているブランドが書かれた紙を見せて貰ったが、ホクシン、ハルユタカなど8種の小麦粉がブレンドされたものの様で、小麦粉に一番のこだわりが感じられた。いや、これは旨かった。

(2005.04.16)


街の日陰に多少の雪が残る年の瀬の日曜日。久々の日曜日の休日である。今日はこちらへ昼に行って、食す事が出来る数少ない日である。以前、営業時間が自分の行ける時間から大きく変わり残念だった事が脳裏を過る。振り向けば一年以上のブランクが在った。そんな訳でホルモン焼きの看板が出て別のお店になっていた元大吉の建物の前を通りこちらへ正午前に入店した。二組四人の先客の中、カウンタ席中程に着席。「太麺と平麺が一緒の、たいへいがお奨めですよ」と以前無かったメニューで、それをつけ麺でお願いする。圧力鍋でしっかり茹で、鍋を開け、湯切りをして、丼に入れる姿をじっと眺めていると、もうこのお店は一年前から、さらに進化している事が理解出来た。これはさらに良いぞと確信出来た。しばらく待って到着。

太麺と平麺を一つの圧力鍋で茹でていて、丼を覗くと中で絡まっていた。平麺のモチモチ感がまた絶妙だし、太麺は同じ圧力鍋に入っていたのに、平よりコシが強く噛むと何とも言えない旨さを感じ取れた。小麦粉は変えていないが配合ひとつで、麺は大きく変わる事を思い知らされる。つけダレも進化しており、生生姜を擦ったものが入り独特感が高く、以前の醤油感とは全然違っていた。

複雑な旨みを麺に絡ませ食すのだが、もう旨いの一言に尽きる。そして驚いたのが割りスープで、動物系と魚系の量を逆転させてあり、雑味少ない魚がドドッとやって来る。流行っているからやって見ましたと言う次元では無い真骨頂の魚ダシの旨みが詰まっていた。総括的には最近TVや雑誌で度々紹介され、大変に気になっていたが、さすが世間に振り回される事無く、さらに進化を遂げた旨いお店であった。

(2003.12.27)


今回は「細」を注文する。スローフードとの事だが事前に受け止めているせいもあるかも知れないが、さほど待たされる程では無いと思う。しばらくして卵麺が到着。一見すると日本そばである。一口食べても日本そば?というところがあり、食べて行く内に美味しいチャーシューも手伝って、ラーメンの分野の食べ物となる。店主いわくカン水を入れないとラーメンといっちゃいけないらしい。醤油と鰹節系の味が強く大変にインパクトある湯(スープ)である。麺はコシが強く、無カン水といえども立派な拉麺の麺といえる。豚骨醤油に入っていたら誰も疑わない所である。

具は程よく脂がのったロース系チャーシューといつもの具だが今日はオクラでは無く、エシャロットの香味油で揚げたモロヘイヤが入りもちろん有機野菜で大変美味しく頂いた。「細麺の方がコシがありますね」と言ったら「平の方がありますよ?」・・・・・・・。どうやら前回は一般向けの柔らかさのようである。それ程のコシなのか。こうなったらそのコシのある「平」が食べたくなる。

何しろ無化調なので胃がもたれないので今日はさらに平つけ麺を注文。そのコシは店主も意識して頂いたのもあって、それはコシのある麺であった。食べ終わった後であごの動きが重くなる。ここで種子島チャーシューが登場している。タレはきざんだ「しょうが」がアクセントで薄コマ切れのチャーシューの脂が食欲をそそる。そういえば店主とお話しをしながら食べていたらロレツが回らなくなり思わずどもってしまう。それ程にアゴが疲れる麺だがほのかな味わいが良かった。

(2002.09.02)


混んでいるか、空いているか、想像のつかないまま訪問したが、平日という事もあり、入店した時は一人もいなかった。厨房には店主と奥さんの二人がいた。明るく挨拶される。軽く会釈して着席し、「平」を注文する。麺は北海道産小麦粉を使用しているそうで「ハルユタカ」が思い出されるが、尋ねてみると少し前までハルユタカだったが事情により今は北21(?)という小麦粉がベースらしい。これを無かん水で卵麺にして圧力鍋で茹でるそうだ。程なく卵麺が到着。

その平べったい麺はもうプリプリ。幅3cm長さ18cmと決まっており、コシは少ないが噛み応えがあり、何とも言い難い旨みが感じ取れる。湯(スープ)は和風醤油味といった感じで醤油そのものが前面に出て来るタイプで無化調。魚介類をだしに使用しているが今では珍しいあっさりとまとめた味付け。シナチクらしき具を口にすると?のマーク。店主に聞くとこれが干し筍(タケノコ)を戻したもので旨い。錦糸たまごにオクラ、無燐のかまぼこ。そしてチャーシューが絶品。特別にという前ふりつきで種子島の黒豚のものと、鹿児島の六白黒豚と二種類のチャーシューがのり特に前者が秀逸。後で小皿に種子島の黒豚のロース部のチャーシューも出してくれた。

スープに入れるとかたくなるそうなのでそのままほおばる。これもなかなかいける。追加トッピングは皆無で、そこをなんとかチャーシューをと、衝動にかられたのは私だけではない筈である。冷水は冷水機から自由につぐ方式。チャーシューがこれだけいけるならと思いメニューに中華まんがいくつかあったので肉マンを追加注文するがしょうがの味が強かったがうまかった。お話し好きのご夫婦で色々なお話しが出来、大変楽しく食した。後半お客さんが二人入って来て賑やかになる。ハルユタカの「平」を是非食べて見たいと思いながら店を後にした。「平」の他に「太」と「細」があるようなのでそちらも食してみたい。なお店主は支那そばやの佐野実氏の親しい知人らしい。

(2002.08.22)



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