中華そば 甲斐 東京・久我山





焚き火の煙りがそのまま雲にでもなったような、そんな雲の浮く青空が広がっていた十一月前半木曜日の朝だった。

そんな今日は、吉祥寺に程近い久我山界隈と営業先を決め、ランチのラーメンはこちらに入店して見る事にした日であった。朝方とはまた様相の違う晴れ空で、移ろいゆく日本の如く変化に富んでいた。

一昨年の三月に京王井の頭線久我山駅前にオープンしたラーメン店らしい。まもなく開店と言う時間に店頭へ到着。

お店の前は高田馬場辺りより随分と幅が狭くなった神田川と、周辺のよき生活道路が交差する場所にあったお店であった。

店先には奥行きの狭い椅子があり、そこに三人の先客が開店を待っていた店頭であった。その後ろに着くように腰掛ける。目の前は神田川で、大人の胸元まである柵が、遥か先から続いていた。

やがて踏み切りの音が聞こえて来ると、少し置いてから電車がゆっくりと動き出す音が向こうから聞こえ、すぐ近くを加速しながら電車が通過して行った。

そして踏み切りの音が鳴り止み、電車の音が徐々に薄れて行く。すると車が穏やかに前を過ぎて行き、また元の平穏な周辺の時間が解放された。

しばらくすると店主が徐に中から出て来られた。入り口を開けると我々の入店を促し、矢継ぎ早に暖簾を入り口に掛けて厨房へ戻って行かれた。こちらも一人で全てをこなされているよう。

前の方々が手慣れた手つきでチケットの購入を済ませると、券売機が私の順番となり味玉そばにチャーシュー丼も選んで客席に移動。

チケットを手渡してから、右から詰まって行った先客に習って腰掛ける。何気なく見上げると、丁度目の前に店主がおられる席だった。

店主は山梨のご出身らしく、そんな所から旧国名の甲斐となったのだろう。せっかく目の前だし、何か適当な話題をきっかけに話したかったが、そうも行かない感じであった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、いやいや美味い美味い美味い美味い美味い。正直に言って、このラーメンを口にする瞬間までは、先行した情報により、全く違うイメージで捉えていた。

なるほど、それは荻窪らしさとはまた違った風情在るあっさり系の東京醤油と言えるラーメンであった。

そしてこちらへ到着した時に、この建物を上から見たら三角形なんだろうなあと思っていたが、スープに浮く海苔が、その三角をした形をしており、それを意味している事も考えられた。

また麺が自家製麺のようで、低加水の熟成仕様がツボにはまった良さもあった。チャーシューがまたかなり良く、当然サブメニューのチャーシュー丼もいい感じがあり、その刻まれた肉の量も良ければご飯の量も多めで、美味しいチャーシュー丼であった。

味玉もついた中華そばに、チャーシュー丼も付いて千円以内に収まっており、販売価格を考えながら食材を利用している事が、目に見えて来るようなそんなラーメンであった。

そうした中でこだわりが平均的なラーメンより、ずっとハードルが高いものとなっており、そんな戦略を重んじて率先している店主の姿が何とも格好良かった。

そんな訳で今日もまた、気が付けば完食だった。いやいやいや、良かった旨かった。

(左フォト) 味玉そば/チャーシュー丼/店舗外観 (2009.11.05)


 中華そば 甲斐 (かい)

 住所:東京都杉並区久我山2-27-1    定休日:火曜日・第4水曜日 

 営業時間:11:30〜15:00/18:00〜21:00頃

 アクセス:京王井の頭線久我山駅南口下車。南口を出たら左手に出て目の前のセコム薬局の
       裏手へ右から回り込んだ場所の神田川沿いにあり。

  

  2009.11.05 京王井の頭線久我山駅ホーム。ここからお店は程近い。   2009.11.05 高田馬場とはまるで違う、店前の小川状態の神田川。



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