壱寅家 千葉・新松戸





見上げれば薄曇りの朝だったがその後は青空が広がり、アブラゼミが大勢の鳴き声に、ヒグラシの少数精鋭な鳴き声が被っていた、そんないつもの夏と変わらない八月・葉月中旬の水曜日だった。

仕事が終わって日暮れ時にまたラーメンとなり、新松戸駅から徒歩圏内にあるこちらのラーメン店と決めて入店する事にした。三年前にオープンした、磯子に本店がある壱六家の関連店らしい。

店頭には午後六時過ぎに到着した。今日も暑い日で、その熱気もまだ残った感じの黄昏時だった。

そんな中で入り口には「和風とんこつつけめん」の案内があり、思わず今日はそれにしようと、蛍光灯が光々と照らされた店内へ入って行った。

早い夕食の時間帯だったが、そこそこの先客が店内におられ、周辺の人気ラーメン店の風情が在ったこちらだった。

カウンター席が奥にあったので、そこへ向かうと厨房の店主らしき方が、券売機でチケットの購入を促され、振り返るとそこには、私を忘れないでとでも言いたげな券売機が佇んでいた。(おいおい)

そこでつけめんの大盛を選んでから、一番奥のカウンター席まで行き、腰掛けてからチケットを渡す。するとつけめんは茹で時間が掛かる旨の案内があった。

そんな風に言われると、多少待っても気にならないものだ。なお、座った席と厨房の間には通路があり、その分冷房がよく効いていた席だった。

ふと見ると雑誌の切り抜き記事が貼られており、見ると元巨人の投手だった野球解説者が、こちらの店主をインタビューしているものであった。

それによると以前は、誰もが知っている大手製鉄会社に入社して営業職に就いていたそうで、そこを退職して独立を決め、手軽に開業できたチェーン店を六年間営んでおられたらしい。

しかしあまり奮わずにいて、そんな時に横浜家系ラーメンの壱六家の店主と知り合い、家系ラーメン店に方針転換する道が目の前にあらわれたそう。

そこそこ利益が出ていただけに随分と悩まれたらしいが、意を決してその時のお店の看板を下ろし、そこで修行に入ってからこちらを開業させた様だった。程なく到着。

おお、つけ汁には大きな豚バラロールチャーシューが入っており、鶏油も浮いていた。麺はそこそこ太い平打ちストレートで、いい感じがあった。

それではと行かせて貰えば、いやいやいやいやいや、それはもうもう、美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

家系らしい豚骨のコクにチャーシューの下には、やはり家系らしい多めのホウレン草が入り、何とも横浜家系感の高い和風とんこつつけめんであった。

チャーシューがまた感動さえ出来る美味しさで、削られた鰹節がそのままつけ汁に入っており、その和風感が却って日本料理の出汁に通じるものがあり良かった。

麺の量も満足出来る内容ながら、気が付けば麺が消えていた。スープ割りが出来るかお聞きすると大丈夫だそう。

つけ汁の椀を差し出すと、程なくして返って来て、よく掻き混ぜてからどうぞとの事で、その通りにして楽しんだが、これがまた何とも家系らしさバリバリのスープ割りで大変に良かった。


(左フォト) 和風とんこつつけめん大盛(麺・汁)/店舗外観 (2006.08.19)


 横浜家系ラーメン 壱寅家 (いちとらや)

 住所:千葉県松戸市新松戸3-279   定休日:月曜日※祝日の場合は翌日

 営業時間:11:30〜15:00/17:30〜翌1:00※土曜通し営業※日曜通し営業0〜0:00

 アクセス:JR常磐緩行線他新松戸駅下車。改札を出たらダイエー新松戸店へ向かい、その奥の
       道を左折してしばらく歩いた右側、ダイエー裏手徒歩およそ6分。

 


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