はやし 東京・渋谷





本日も春がそよぐ穏やかな四月前半らしい、そんな好天の休日の火曜日であった。気温も昼に向けて上がって行き、少し走っても汗が滲むほどだった。

時に渋谷へ勤めるようになって、晩飯としてラーメンしている今日この頃だが、この渋谷で昼の僅かな時間しか営業していない人気ラーメン店がある。

それがこちらで、そんな営業時間だけに仕事の日には行けないお店である。それならばと休日の日に出掛ける事にした。そんなわけで今日も、いつもの通勤ルートで渋谷へやって来た。

渋谷駅西口前の左手には桜丘と言う町名があって、街路樹に桜が植えられている通りもあり、この時季になると誰もがそこで足を留めて見入ってしまうさくら通りだった。

本日も春の陽射しが桜花に注いでいて、はらりはらりと落ち始めた、折しの陽に花びらが輝いていた渋谷界隈だった。

一度訪問したこちらで、今回は渋谷の地理にも慣れて来た事もあり、前回みたいに迷うことなく店頭へ到着した。

平成15年11月に開業した昼の四時間のみしか営業しない、あっさり系豚骨醤油らーめんの無化調店である。真っ白で大きめの、暖簾が春風に揺れていた店頭だった。

中へ進むと右手にシンプルで小型の券売機があり、押せるボタンは、「らーめん」「味玉らーめん」「焼き豚らーめん」で、以前と変わらずに三つしかなかった。

ミニチャーシュー丼みたいなサブメニューが無いだけでなく、大盛ボタンも白ごはんも海苔増しボタンも無かった。バランスを重視するこだわり店で、たまに見掛ける状況である。

そんな三つの中から、味付玉子入りとなっていた、焼き豚らーめんを選んだ。前方を見れば、一本の長いカウンターが奥まで伸びていた。

一見すると席は全て塞がっている感じに見えたが、一つ席が空いてるらしく丁寧な仕草の手で案内されてそこに移動して腰掛けた私だった。

旨さは人を黙らせると言うが、先客の誰もが黙々とこちらのらーめんを堪能していた。程なく到着。それは必然的な面持ちさえも感じられる、そんなオーラが立ち込めていたらーめんだった。

徐に箸を携えて行かせて貰えば、無化調と思えない程に味に隙間のない奥深い味わいで、中太やや細やや平ストレートの麺はデフォルトでややカタメだったが風情が良かった。

前回と麺が同じか否かは不明だった。極太メンマは以前よりは細く感じられた。また柚子の皮が添えられていたが、これがいいフルーティな雰囲気を作っていてまた良かった。

豚骨醤油のカテゴリの中ではこってり気味だが、近年の濃厚系にシフトしたものとは違ってあっさりしたスープで、麺にそれが絡んで来てたまらないものだった。

箸で上げると簡単に崩れるチャーシューに、半熟した黄身がまったりした味付玉子も大変に良かった。私もこちらの一人の一ファンとなって、黙ってその美味しさに酔いしれていた。

気が付けば完食。いや、魚介の味わいもシブくて、じんわりとしたコクもなかなかと言えた、美味し無化調の豚骨醤油らーめんであった。


(左フォト) 焼き豚らーめん/店舗外観/渋谷駅西口周辺のさくら通り (2010.04.06)


 はやし

 住所:東京都渋谷区道玄坂1-14-9ソシアル道玄坂1F

 TEL03-3770-9029  定休日:日曜日・祝日  営業時間:11:30〜15:30

 アクセス:JR渋谷駅品川側南改札から出て西口下車。首都高と併走する国道246号の右手歩道
       を進んで行き、みずほインベスターズ証券奥の右路地を入り、突き当たりを左に折れて
       直ぐ右手に曲がって程ない右側にあり。

 
渋谷と言う街は、若い頃から頻繁に行き来している所だが、複雑に道が交錯するがゆえ、いつ来ても判り憎さを誇っている街と言える。こちらへ行って見ようとしたら、いっときも地図を手放せず、歩き見つけて店頭に立つ。

フリーク誰もが認める秀逸なお店。午後一時頃に入店すると、先客3とたまたまなのか比較的空いていた。入口に小型の券売機があり、らーめんと、味玉入りと、チャーシュー入りのみと。

らーめん680円を選び、カウンタ席奥へ腰を下ろす。壁には貼紙がひとつも無い徹底振り。程なく到着。

茶濁したスープから、爽やかな刻みネギの香りが立つ。一口すする。これは旨い。豚骨醤油で、じんわりじんわりと旨みが併走するスープ。麺も中細ちぢれの、ややカタメで良い食感。

チャーシューも独特な隠し味が、その旨みを引き立てていた。

このラーメンに極太のメンマは意外ではあった。気がつけば完食。煮干しの使い方も、シブく利用してあり大変に旨かった。いや、良かった。

(2005.06.18)



2005.06 らーめん



喜劇らーめん食べ歩きTOP