荻窪中華そば 春木屋 東京・荻窪





一時期の20度を超えた気温もここ数日はまた落ち着いて、青い表層から注ぐ陽射しがまた初夏に向かっていた、五月皐月上旬の世間はゴールデンウイーク明けの水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、ともあれまた涼やかに過ごし易い、そんな午後七時過ぎだった。

三日前の仕事帰りこちらを訪ねると、ゴールデンウイークもあってか店頭には十人を超える行列が出来ており、その日はまた今度にするかとなって他店に回避したものだった。

そんなゴールデンウイークも過ぎ去って、今夜辺りならもう行列も無いだろうとして、再びその店頭へやって来た。

やはり推測通りで行列も無くさっそく入店すれば、それでもさすが超が付く人気店のこちらだけに、ほぼ満員の店内が待っていた。

かろうじて入口付近に一つだけ空き席があり、そこに促されて腰掛けた。直ぐ傍にあったメニューボードを見上げて、少し悩んだ後でちゃーしゅー麺をお願いすることにした。

そのメニューボードには、わんたん麺には人気No.1の文字が入っており、ちゃーしゅー麺には特選の文字が添えられていた。

冬限定のみそ中華そばは既に提供を終えていて、その替わりにつけ麺の提供が始まっていた。直ぐ傍には、そのつけ麺の自立スタンド販促物が置かれてあった。

ふと見ると一番奥の壁に古い写真をまとめたフォトパネルが見えた。そこでお店の方に許可を頂いてから、それを見に行かせて貰った。

そこには創業まもない昭和25年頃の店舗と、アーケードが出来ていた昭和40年頃の店頭、そして最近撮影された店頭の写真も添えられていた。

そしてそれだけでなく、その昔に青梅街道を走っていた新宿と荻窪を結んでいた都電杉並線の電車が走行しているフォトも織り込まれていた。

大正10年に西武軌道が淀橋町と荻窪村の間を開業させた路線で、程なく西武鉄道に引き取られた軌道線だが、切符収集が高じてその当時を偲ぶ乗車券を以前から所有している。

日本が高度経済成長期と言われた時代、都内には実に多くの都電の路線が営業していた。

そんな一路線の戦後に買収されて都電となった杉並線だが、昭和38年周辺の地下鉄開業の折りに廃線されて行った。閑話休題。

しばらくすると奥の先客数人が帰られて行き、それまで入口辺りの狭い角席でラーメンを待っていたが、もしよろしければ奥の方の席へどうぞとのこと。

そんな在り難いご配慮を頂き、お礼の言葉を言いながら、ゆったり出来る席へ移動させて貰った。目の前に奥を隠すように茶色い暖簾が垂れていた。

二か月前に吉祥寺店を訪れているが、そちらへ行って余計に本店のこちらへ行きたくなったものだ。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、スープ・麺における全体のバランスが王道的であり、もう打ちひしがれるばかりで、それがかなりたまらないもの。

チャーシューがまた絶大に素敵だった。それだけに、気がつけば完食。いや、かなりとんでもなく絶え間無く果てなく実になかなかとっても素晴らしかった。


(左フォト) ちゃーしゅー麺/フォトパネル/店頭と周辺 (2014.05.07)


 荻窪中華そば 春木屋 荻窪本店        ※公式サイトはこちら

 住所:東京都杉並区上荻1-4-6  TEL03-3391-4868

 定休日:年中無休  営業時間:11:00〜21:00

 アクセス:JR荻窪駅北口下車。ロータリー前の青梅街道を右手に100m程歩いた右側にあり。



わんたん麺が人気1、ちゃーしゅー麺は特選品。

奥を隠すように中ほどに茶色い暖簾が垂れていた。

先月から始まった夏期限定メニューのつけ麺。





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昨日のまとまった降雨により気温がグンと落ちて涼しい、そんな8月後半週末の土曜日。実は現在の立川勤務の仕事は、予定通り本日で終了となった。

次の仕事までは、しばらく夏休みとなりそう。そうした日に何処へ行くべきだろうと想いを巡らしていると、ふとこちらが浮かんで訪れる事にした。

そんなわけで会社帰りにまた荻窪で途中下車。北口出口のエスカレーターを上がって右手へ進み、荻窪銀座街の文字を横目に荻窪北口駅前通商店街の歴史を感じるアーケードの中へ入る。

そこを抜けたら今度は右手へ進んで青梅街道沿いの荻窪駅前商店会を歩いて、茶色いレンガの壁に白い暖簾が揺れていた風情の良いこちらの店頭に到着した。

中へ入るとやはり盛況な店内が待っていた。年明け頃以来の入店で、梅雨入り前には吉祥寺店にも訪れたものだ。

壁面にあったメニューを見上げ、たまにはいいかと奮発して1500円するちゃーしゅー麺の大盛をオーダーすることにした。

吉祥寺店訪問時にも触れたが、新横浜ラーメン博物館の支店は既に卒業して行った。荻窪本店が営業しているように思った方も多いと思うが実は郡山分店の経営だった。

それゆえに当初は4月3日が卒業の予定日だったが、震災直後に郡山から直送していた麺の供給が難しくなった事を発端にして、その直後から卒業する日を切り上げて閉店して行ったと言う。程なく到着。

やはりそこから来るオーラは、ちょっとないくらいに輝くもの。

チャーシューは豚モモ肉の厳選したものを使用しているらしく、それを一口頬張れば絶え間ない旨味のバイブレーションがタマらなかった。

中太ちぢれの麺も相変わらずなかなかで、生姜と魚介と醤油のじんわりと来るスープの味わいは、遥かな果ての宇宙で繰り広げられる、銀河同士の衝突のように衝撃的と言えた。気がつけば完食。

ひと仕事を終えた事から来る、感無量の気持ちから外の小雨が心の中にも落ちていて、そんな切ない気持ちに潤いを与えた美味し一杯だった。いや、とんでもなくかなり良かった。

(左フォト) ちゃーしゅー麺大盛/店頭の暖簾 (2011.08.20)


朝方自宅周辺では雪が降り積もっていたが出掛ける頃には太陽が顔を出して、1日晴天の首都圏の天気予報に安心して出掛けた1月半ばの日曜日。

そんな今日も仕事が終わって外へ出れば、寒いと思えば余計寒い午後8時過ぎだった。

未訪問の荻窪某店と思って店頭に立てば、臨時休業なのかはたまた早終いか閉店しており、それならばとそう遠くないこちらへ入店する事にした。

中へ入ると、かなり威勢の良い挨拶に迎えられた。おそらくは店主の掛け声だろうか、とにかく張りのある声で、つい某津田沼必勝軒を思い出す程だった。比較的盛況な店内。

さて何にするか決めてなかったが、メニューを見上げると冬だけ提供している恒例となっている冬限定らしい、みそ中華そばなるメニューを見つけ、思わずその大盛で注文する事にした。

オーダーが通ると、まるで法律で決まっているかのように、一味唐辛子が目の前に置かれた。入り口寄りのカウンター席が空いていたので無意識にそこへ腰を下ろしたが、魚屋の店頭に椅子を持って来て座っている環境に何故か似ていた。

冬限定のみそ中華そばは、いつ頃からいつ頃までと決まっているのかお聞きして見ると、特に決めてないそうで大抵冬を意識した頃に仕込んで3月近くまではあるそう。

ただ仕込んだものが無くなると、そのシーズンは終わりになるらしい。程なく到着。一味を軽く掛けてからラーメン撮影。

味噌ラーメンと言うイメージかと思えば然に非ずで、見た目は豚骨醤油と言った風情だった。それではと行かせて貰えば、これがもうこれ以上ない味噌ラーメンと言う味わいながら、みそ中華そばと言うネーミングがなんともしっくりと来るもの。

初めは凍み豆腐にも見えた弾力のある四角い形状をしたイカのような見た目と食感の食材が、原型を留めてなかっただけに何だか判らず確認してしまったが、言われて納得のキノコのエリンギだった。

カラフルな野菜が心をくすぐり、さいの目にカットされたチャーシューがステーキを思わせるものでそれかも知れない。

中太ちぢれの麺が良き伴侶の如くで、これぞ名店の名作限定と言いたくなるオリジナルティが溢れながらもこれまた王道の真ん中を歩く美味しさで、それは気がつけば完食だった。

いや、かなりとんでもなくなかなか実に良かった。

(左フォト) 冬限定みそ中華そば大盛 (2011.01.16)


台風が過ぎ去ってからは穏やかな晴天が続いている数日で、暫くはそうした秋の晴れ間の関東地方らしい11月前半週明けの月曜日だった。

そんな今日も仕事が終わって外に出れば、やはり肌寒い感じの午後8時過ぎの都内であった。

初めてこちらを訪れてから、もう七年の歳月が流れていた。ちょうどあの時も、秋深しな頃だったようだ。昭和24年創業の荻窪を代表するラーメン店の一つだ。

まさか通勤帰りに途中下車して店頭へ立つとは、当時これっぽっちも思わなかったものだった。それだけに感慨深いものがあった。

そんなわけで店の前の歩道を何度か歩いて通り過ぎた店頭だったが、7年振りに店内へ足を踏み入れた今夜だった。中ほどまで進んでから落ち着けそうな、そのカウンター席に身を寄せた。

目の前にはメニュー名と金額が表示されていて、初めて見た時と同じように思わず高いなとつい思ってしまった。しかしそれがこちららしいし、誇らしさでさえもあるかも知れない。

わんたん麺をオーダーしてから今回は麺量を確認する余裕があって、お聞きするとごく一般的な量だそうでそれならばと大盛でお願いした。

荷物は背中側の壁の中央に、やや不思議な空間があって、そこに置くよう促されそうさせて貰った。

後払いのこちらだが、一人先客が支払いを済ませて帰る頃後続客が一人入って来て、そんな入れ替えが不思議と三人程続いて真の老舗店らしいこちららしい出来事と言えた。程なく到着。

たっぷりと注がれた醤油スープに、たっぷりの中太平ちぢれが泳いで、それはそれは支払う金額以上のオーラを感じるビジュアルと言えた中華そばだった。

それではと行かせて貰えば、荻窪中華そばらしい風情の嵐が口内を吹き荒れる美味しさで、牝鶏油かラードらしき油がスープの表面をたっぷりと塞いでいて、熱々な生姜醤油スープの感覚にタマらない歓喜が生じるものだった。

もう気がつけば完食だった。吉祥寺店、郡山分店、横浜ラーメン博物館、中目黒「めんめん」、そして本店で口に出来る荻窪の味は今日も何処でも冴えている事だろう。いや、やはりとても良かった。

(左フォト) わんたん麺大盛/店舗 (2010.11.08)


秋と夏が同居する十月の月初め、青空と白い雲がまばゆい。そんな季節に春の文字が付く、こちらのお店へと向かう。ラーメン本ではよく顔を出す人気店である。豚ガラ鶏ガラ魚ダシの東京醤油系のお店といった所か。ノリ以外はすべて手作りらしい。JR荻窪駅から少し歩いた所にお店はあった。

回りはさすがラーメンの町・荻窪で、沢山のお店が乱立していた。暖簾を潜ると店主らしき方の威勢のある掛け声が小気味良い。麺を茹でる大釜の前に案内され着席する。メニューを見るとチャーシュー麺がやけに高かったので、隣りの食べているそれを見てデフォルトの中華そばをお願いする。後から味付け玉子も追加した。

店内はランチタイム時とあって満席状態。店主が先客の為の麺の湯切りが始まる。平ザルで四人分の麺を流麗にさばく。驚いたのは目の前なのに、湯切りの滴が一滴も飛んで来ない。仕切るものは何一つ無いのにである。おそれ入谷の鬼子母神だった。しばらくすると味付玉子が別皿でやって来た。こだわり深そうにその煮汁まで入っている。

そしてラーメンも到着した。湯(スープ)はなんと先日食べた市川間々の宝楽に何処か似ていた。生姜の出方が絶妙で、他は均一した旨み具合。今でこそ一昔前のラーメンだが、そのバランスの妙は素晴らしい。麺はやや低加水の中細ちぢれでやはりなかなか。シナチクも薄味具合が絶妙だった。どんぶりに移し変える事無く食べた味付玉子もトロリ半熟でプロ意識の高いものであった。

(2003.10.01)