旭川ラーメン 蜂屋 東京・飯田橋
※2011.2.25閉店







薄曇りの空から時折り淡い陽射しが洩れ、秋風が街路樹の木の葉を軽く揺らしていた、シルバーウィーク三日目月曜日の午前中であった。

そんな今日は少し前の8月30日を以て、ラーメンの殿堂と呼ばれる新横浜ラーメン博物館を卒業した蜂屋さんが、飯田橋に支店をオープンさせると知り、それは早い時期に訪問してそのラーメンを楽しみたいとなった。

昭和21年に旭川市内の自家製アイスクリーム店として創業し、店名は蜂蜜を入れたアイスクリームがウリのお店として当時から蜂屋の屋号であった。

しかしその翌年に近所の日本蕎麦を営む店主から、東京で人気を集めている中華そばの存在を教えて貰い、それを旭川の風土に合わせた中華そばにして、改めて中華そば店として創業した。

以来そのラーメンが大当たりして、旭川市民の愛されるラーメン店として営業するラーメン店だったが、平成11年に新横浜ラーメン博物館に相応しい一店として出店の依頼を受け、今年の夏までラー博を訪れるお客さんの舌までも魅了させて来た。私もそこで美味し一杯を堪能している。

旭川は北海道のほぼ中央に位置する都市で、道内でも屈指の寒さで知られる街だ。札幌市に次ぐ北海道の大都市で、戦前までは陸軍師団が置かれていた。明治31年に北海道官設鉄道(後に国有化)の駅が設けられ、明治後期には東京と同じように馬車鉄道が開業し、大正中期まで市内を馬が車両を引いて線路の上を歩いていた

大正11年になると市制が施行され旭川市が誕生し、周辺の町村と合併して今日に至っている。昭和初期には市内とその郊外を走る二社に及ぶ私鉄が開業したが、市内を走る路面電車は昭和31年に消え、郊外路線の電車も昭和47年にはその姿を消して行った。

そんな旭川市民の胃袋を古くから満たして来た、ラーメン店がこちらと言うわけである。そして9月19日に神楽坂通りの入口近くのビルに無事オープン。その二日後の本日こちらへ出掛ける事にした。

店頭には正午少し前に到着した。ビルの二階が店舗のこちらで、その階段下ではお店の方がプラカードを首から下げ、神楽坂を歩く人々に入店を促されていた。

ビル右手にある階段を上がって行くと、緑色の蜂屋さんらしい風情のある暖簾が入店客を待っていた。そこを入って行くと今度は券売機が待ち受けていて、そこでしおチャーシューメンに、大盛ボタンとはちみつアイスのボタンも連打した。

長いカウンターが奥まで続く店内。比較的その奥に促され、座ってから冷水が注がれたコップを置いてくれた。

オープン数日前には試食会が行われたそうで、その時には二代目の店主も来られていたそう。しかし本日の厨房には三代目の店主と従業員の方のみがおられ、二代目は既に旭川へ帰られたそうで、三代目はこちらの支店が落ち着くまでおられる予定らしい。

そんなに混んでもいない店内だったが、呼び込みの方に覇気もあってか、徐々に盛況さが増して行く店内。程なく到着。

おお、焦がしたラードが浮く旭川らしい塩ラーメンで、何とも食欲の湧く香りがドンブリから迸る。それではと行かせて貰えばそれはもう、美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

さすが創業時から変わらない動物系と魚介系のダブルスープは、その持ち味にも奥行き感があり美味しく、そしてそのダブルスープの元祖こそこちらのお店だそう。また焦がしラードも私的には味の三平かさんかと思っていたが、これも創業以来と言う事でこちらもまた元祖と言う事になる。

生の生姜が利いていい風情のスープに、加水低めながら熟成度の高さがこちら独自の持ち味となった麺がまた良く、チャーシューがそこへ底上げした美味さを放ち、そこにメンマが二仕事程しており、そんな事を探したらキリがない美味しさだった。

と言う訳で気が付けば完食。ただしラーメンマニアの聖地のラー博の時ほど、焦がしラードは入れてない感じで私的にはもう少しこってりでも大丈夫だったが、これはこれで丁度良かったし、そこは巣鴨がお婆ちゃんの原宿なら神楽坂は中高年の原宿と言われているだけにそうした戦略は適切と言えるだろう。

オーダーする際にアブラオオメと、一言あれば対応してくれるそう。また多すぎるのも何とおっしゃる方は、気持ち多めとささやく手もある。

ラーメンの後で口にしたアイスクリームは、程良い固さと蜂蜜の程良い甘さで、こちらならではの美味しさと言え、ラーメンの後にぴったりな冷たいスイーツであった。

外に出て大久保通り方面を見上げれば、神楽坂の比較的なだらかな坂道に、多くの人々が余暇を楽しんでいた。色々と今回教えて貰った、呼び込みの方にお礼を告げてそこを後にする。

その昔なだらかとは言え祭り神輿にはつらい道程に、神楽を奏でると重さが不思議と身軽になり、登り易くなったと伝説が残る都内の坂の一つ。

石狩川の支流が集う旭川の街の川に、大雪山系からの冷たい風が流れ始めると、本格的な冬の到来もそう遠くない。そんな街の美味し一杯が、ここ都内神楽坂の入口にある。

(左フォト) しおチャーシューメン大盛/はちみつアイス/神楽坂通り/店頭外観 (2009.09.21)


 旭川ラーメン 蜂屋 (はちや) 神楽坂店  ※公式サイトはこちら

 住所:東京都新宿区神楽坂1-10   定休日:無休(年末年始を除く)

 営業時間:11:30〜23:00(LO22:30)※土曜日曜〜20:30(LO20:00)

 アクセス:JR総武緩行線飯田橋駅西口下車。改札口を右に出て進み、外堀通りの交差点を渡り、
       神楽坂通りを更に進み入って行った左側にあり。



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