愚直 東京・中板橋







節気的に考えれば秋も今日辺りで終わりだが、そんな季節を青空が見送るように空色に染まっていた、十一月霜月前半金曜日の朝だった。

そしてどこか亜麻色掛かった秋風も、それは緩やかに街を駆け抜けて行った。

そんな今日はまた板橋界隈と決めて出掛け、ランチは一昨年の4月に営業を開始したこちらへ入店する事にした。池袋から今度は東武東上線各駅停車に乗り中板橋駅で下車。

川越街道の国道254号へ向かって行くと、風情の良い古い民家があったり、老舗っぽい味のある暖簾が掛かっていた中華店があったりで、何とも不思議な空間の周辺であった。

その大通りに出ると絶え間無い車が行き過ぎる川越街道で、すぐそこにこちらがある所まで10分も掛からなかった。掛からなかったが、さてどこにあるのか?

まだ開店まで数分あるが、店名もなければラーメンの一文字さえない周辺であった。それらしき建物があり、そこには書いてあった店名を消したような感じの店舗があった。

到着して見れば、またある意味不思議な空間となっていたこちらであった。

ごく稀に相性が悪い大家さんとモメて、急に移転する外食店もあったりして、思わずそれなのかと思いが巡った次第だった。

店頭に立つとそうでも無さそうで、シャッターが半開きになっており、まもなく開店間近という雰囲気の状況であった。

そして数分もすると、シャッターを全開にして、店主は厨房に戻って行った。後続客が一人来て開店時は二人のこちらであった。

一番客として入店すると左手に券売機があり、そこでとんこつらーめんと味玉を選び、一番奥の席に腰掛けてチケットをカウンタトップに置いた。

券売機は替玉ボタンもあり、どこか九州豚骨店風だったが、店内はカウンターに様々な調味料も当然無く、どちらかと言えば至って普通な魚介豚骨ラーメン店的な面持ちであった。

店頭には店名看板も無ければ、ラーメンとか中華そばと表記したノボリもノレンも無く、営業を知らせる札で中で何かを売っている事が判る状態であった。

店頭までダクトを引いて出汁臭を嗅がせる事も無く、ガラスに貼られたお品書きを近寄って見ないと、何の店舗かさえも判らないようになっていた。

それでラーメンとつけ麺を売っている事が判っても、そもそも店名が無いからここが愚直だと言う事が、たまたま通り掛かった一見さんには全く判らない。

それで開店数分後にはどういう状態かと言えば、ここが愚直だと判って入って来る感じの後続客が、続きに続いてまもなく満員御礼と言う状況であった。

もう今風に言わせて貰えるなら、それはアリエナイと言うしかなかった。程なく到着。

おお、やはりどこか博多長浜的な一面がイノベーションを遂げた風情があり、それで何とも和風らーめん的な風が吹いたものであり、このような感じのオーラはちょっと他では無い感じだった。

デコレーションとも呼べる飾り付けがまたお洒落な装いで、白ネギと青ネギのコントラストに岩海苔が独特なイメージを作っていた。

それではと行かせて貰えばそれはもう、いやいやいやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

チャーシューも高基準なら、味玉もハイレベル。それはドンブリを暖めている姿を見れば全ては一目瞭然だ。

そんな中で前半は何とも博多的で何とも和風的な要素があり、和風博多ラーメンと言うカテゴリが似合う感じにな気がした。

しかし食べ進めて行くとそうも言い切れない不思議さが生じて来て、それがこのラーメンをとても魅力あるものにしていた。

こちらもやはり無化調だそうで、豚頭・豚足・ゲンコツ等を圧力釜で炊いてからズンドウで更に煮込んでいるそうで、かなり感激できる豚骨スープであった。

また岩海苔が魚介感を著わしていたのが印象的だった。麺は博多ラーメンの麺をそのまま二回りほど太くした感じのもので、押し返し感がなかなか魅力のあるものでこれがまた良かった。

塩気が強い話しもネットで見受けられたが、そんな感じでは無かった現在のこちらのラーメンであった。

弁慶出身の店主で、好きなラーメン店が最近我が松戸に移転して来たラーメン店というのがとてもよく理解できたラーメンであった。

やはりこちらも、気が付けば完食。いや、臭みはもちろん皆無で、かなり美味しなラーメンであった。

(左フォト) とんこつらーめん+味玉/拡大画像/最寄駅/店舗外観 (2009.11.06)


 愚直 (グチョク)

 住所:東京都板橋区大谷北12-7 セブンマンション1F  TEL03-3866-0096

 定休日:月曜日・木曜日  営業時間:12:00〜15:00/20:00〜22:00

 アクセス:東武東上線中板橋駅南口下車。南口前の道を右手に進んで行き、突き当たりを右折して
       次の左路地を入って行く。T字路を右へ曲がり進んで行くと川越街道に出て、その目の前
       の横断歩道を渡って左手へ進んで行くと程なく右手にあり。徒歩およそ8分。



喜劇らーめん食べ歩きTOP