麺屋あらき竈の番人 戯拉戯拉
千葉・船橋



長編小説を一頁ずつ捲るように日増しに確実に秋を感じるものの、午前中はそれでも夏色に覆われていた9月上旬の木曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、夕方頃から降り出した雨が気温を下げさせていたそんな午後8時近くだった。

千葉中央地区にオープンしたちばとんが、こちらと同じ血筋を持つスープとして、ふとまた気になって立ち寄って見たくなり仕事帰りにやって来た。そう遠くない場所にある麺屋あらき竈の番人の系列店だ。

駅から外に出るとこの界隈は雨が降っておらず、傘を広げることなく店頭に到着した。

途中入る左路地をついうっかり早く入ってしまい、少し奥まで進んでから気がついて戻った。ちょうど丸三年になるこちらで、オープンまもない頃訪れたきりだった。

さっそく入店すると右手に券売機が以前のように設けられていて、一瞬だけ何にするか悩んだが、ちばとんと比較して見ても良かろうとまたこちらでもつけめんで行こうとなってその味玉入りを選んだ。

そこそこ盛況な店内で、奥寄りのカウンター席に腰掛けてチケットを手渡す頃、後続客が入って来て俄かに活気づくフロアだった。そう言えば初訪問でも、やはりつけ麺を口にしていた。

目の前に蘊蓄があった。北海道の豚骨と岩手の鶏ガラを大量に使って、10時間以上炊いた濃厚極旨スープと言うことらしい。

店内インフォの全てには従来店名の戯拉戯拉の文字の上に、麺屋あらき竈の番人と冠が入っており、現在は他の支店も考えればその冠も入れた方が適切のようだった。程なく到着。

それではと行かせて貰えば、ビジュアル的には以前とそう変わらなかったが、カエシがキリッとした分だけ全体的にシャープな面持ち。やはり以前よりは多面的な旨味が感じられた。

太ストレート麺は石臼挽きした小麦粉で、このもっちり感がまた素敵だった。チャーシューは?と思えばつけ汁の中に采切りされて入っておりなるほどと言えた。味玉がまた良かった。

これで魚介が入っていないのは、やはり驚くしかなかった。イノシン酸やグルタミン酸などから来る満足感が魚介無しでここまで旨味を引き出しているのか。

その所為なのか今回大盛にせず比較的いつもより麺が少なかったが、その愉しさはいつもとそう大差がなかった。

こうして比較するとちばとんは、こちらのつけ汁を上手く利用しながらも、二郎風にしつつマー油が入って熊本ナイズさせたものだった。

気が付けば完食。今回チャーシュー追加トッピングはしなかったが、肩ロースとバラ肉の2タイプが用意されているよう。いや、こちらも自体も進化を遂げており、かなりとんでもなく果てなく良かった。

(左フォト) 濃旨味玉つけめん(汁・麺) (2012.09.06)


  2012.09.06 入店したら右手にある券売機。   2012.09.06 普段は深夜午前4時まで営業している。







前店レポに続き、もう少し船橋について語って見よう。太平洋戦争が終決してある程度落ち着いた頃、船橋市湾岸沿いの埋め立てが始まった。

それと共に天然ガスの採掘も行われた。その際に偶然にも、温泉が湧き出る所となった。その温泉を利用して昭和30年に、オープンしたのが船橋ヘルスセンターであった。ドリフターズによる「8時だョ!全員集合」の公開放送が、頻繁に行われた事でも知られている。

私ことサイト管理人は、幼いころ家族でそこに出掛けた事があり、その際に迷子となってしまった事があった。かなりの時間見つからず大変だった記憶が、トラウマのように今でも心の片隅に残っている。

そんな思い出深い船橋ヘルスセンターだったが、レジャーの多様化に入場客が減少の一途を辿り、温泉利用が原因と見られる、地盤沈下が契機となって昭和52年に閉業して行った。

その時には天然ガスも問題視され、採掘の中止が余儀無くされた。

現在敷地はららぽーとTOKYO-BAYとして、一大ショッピングセンターとなっており、その娯楽施設の会社が今でも社名変更してマネジメントに当たっている。

さてまた船橋駅周辺の営業と言う事でやって来た。ランチタイムに一軒を選んで食したが、こちらもまた気になっていたお店で、この際だからと更に入店する事にした正午過ぎだった。

今月上旬にオープンしたばかりの新店で、比較的近くにある麺屋あらき竈の番人さんの姉妹店らしい。

正午過ぎに店頭へ到着。おおカラフルな絵で表現された、メニューインフォメーションが竈の番人さんと同じで、姉妹店を知らなくてもこれで判ってしまいそう。

入り口を入った右手に小型の券売機があり、そこから濃旨つけめんを選んだ。そして奥へ進んで空いていた席に、腰掛けながら券をお渡ししてお願いした。

ふと目の前の厨房を見ると、如何にも特注であろうデカいズンドウが置いてあり、溶接部分が見えてそれが一つの生々しさになっていて、見る者に一種の迫力を与えていた。

少しすると、そのズンドウの上に置かれたこれまたデカい蓋が開かれ、お店の方が大振りで長尺のヘラをその中に差し込み、まるで船頭さんが船を漕ぐようにそのヘラを動かし始めた。

ズンドウの中には大量の豚骨に鶏ガラやモミジが入っており、それを定期的に撹拌しないと、スープに馴染まないだけでなく焦げてしまう恐れがあり、それを解消するためにやっているのだろう。時間がいい時間もあり、駅前の超激戦区ながら、後続が続きに続く店内。程なく到着。

おお、何ともいえない良さを感じるビジュアルで、これはまた美味しそうな雰囲気に包まれていた。それではと行かせて貰えば、これがもう美味い美味い美味い美味い美味い。

麺が太ストレートの朝打ちたての感があり、そう言えば自家製麺になったらしく、口にしてからその事を思い出した。

非魚介系の豚骨醤油で、酸味が実に絶妙にして華やかささえ感じるもの。そしてそこに鶏油が香るつけ汁で、甘みは褐色の車糖になるらしい。

茹でられたホウレン草が乗り、一瞬家系のイメージに映るが、口にしてみると家系のようで家系でないシフトを感じるもののむしろまた違ういい個性を放っていた。

小麦粉はブレンドした風では無かったが、それが汁の個性をより前面に押し出していた。スープ割りもしみじみと来る良さも感じられた。

気が付けば完食。ともあれ個性が強い分、番人ならぬ万人受けは難しいものの、ズンドウを撹拌した時に店内に広がった香りはかなり良く、クセになる持ち味が今後ものを言うと思う。いやいやいや、良かった。

(左フォト) 濃旨つけめん(汁・麺)/店頭外観 (2009.09.28)


 麺屋あらき竈の番人 戯拉戯拉 (ぎらぎら)

 住所:千葉県船橋市本町4-41-29  ※データ情報更新(2012.09.06)

 定休日:年中無休  営業時間:平日・土曜・祝日11:00〜翌4:00/日曜11:00〜22:30

 アクセス:JR総武線船橋駅南口左寄りの道を進み京成電鉄船橋駅を越え、少し歩くとマツモト
       キヨシが左側にあり、その先の左路地を入り少し歩いた右側。