銀座時計台 東京・銀座 ※閉店





■ 平成20年11月22日を以って、「銀座時計台」は閉店致しました。

グレイトーンの冴えない曇り空が辺りを覆う、そんな霜月半ば近い休日の日曜日だった。

冴えない空と言えば子供の頃に、光化学スモッグ警報があったが、その発令も随分と遠い過去の話しになった。高度成長経済の佳境の時期には、その警報も聞かなくなり今日に至っている。閑話休題。

そんな今日は、あの銀座4丁目交差点から程近い場所にも係わらず、昭和の面影を十二分に残す路地に佇む、こちらへまた訪れる事にした。

何故なら一度訪問して、しょうゆラーメンも食して見たいと思っていたが、新店ラッシュもありそのままになってしまった。そんな矢先に何と残念にも、こちらが今月の22日を以て閉店してしまうらしく、このままでは一生こちらの醤油味にありつけなくなってしまう。

神田のホビー店にも行きたくなり、こちらにも出掛ける事にした、日曜日のランチ時だった。

山手線電車を利用してJR有楽町駅で下車し、ソニービルを横目に数奇屋橋交差点を渡り、歩行者天国の銀座4丁目交差点付近を過ぎ、こちらがある路地の入り口に到着。銀座と言えば、柳と言われた時代から佇んでいた様な、数店舗が軒を連ねている中の、そんな一角のラーメン店。

店内に入ると、カウンター席の一番手前に案内を受け、予定通りこちらの醤油チャーシューになる、正油焼肉めんをオーダーした。しばらくすると、その昔にモガ・モボと言われた様な、かなりご高齢の老夫婦も入店して来た、そんな銀座の人気ラーメン店だった。

禁煙にせずタバコの煙りが時折り宙を漂い、煤けた壁に染み付いた風情は、作ろうとしても作れない歴史ある店の証し。程なく到着したラーメンは、この街からも間もなく消えて行くであろう、昭和の佇まいがドンブリの中に存在していた。

それではと口にして行けば、それはもう、旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。軽く生姜を効かせたしょうゆスープは、じんわりとスローモーションの様に、うま味を舌に伝えて来た。

中太ちぢれの麺はプルプルとしていて、あっさりとしたスープを上手く絡ませて来た、そんな良き時代のラーメンだった。

途中で、卓上のスリ生姜とスリ大蒜を軽く入れれば、また更なる味わいが、モダンに感じるようでもあった。チャーシューがまたとても美味しく、濃い色のメンマに時代を感じさせ、気が付けば完食だった。

精算時に、遠くに移転して再開する、予定がないかお聞きしたが、そうする予定はないそう。美味しさに対してのお礼の言葉を投げて、そのお店を後にした。

路地の出口で振り返れば、色褪せた天然色の小看板が並ぶそんな路地に、それは静かに天空から雨が降り出していた。銀座四丁目の交差点に戻ると、まるで夢から醒めた様に、現実に引き戻された感覚となった。

そして何気なく上を見上げると、銀座和光の時計台がビルの改修工事により、工事用のカバーですっぽりと覆われていた。その昔銀座には、十か所に及ぶ時計台があったと言う。

そう言えば味噌ラーメンが人気と言う事で、関係の無いチェーン店と同じ様に、札幌の時計台が由来の店名と思っていたが、ちょっと考えれば気づくように、銀座和光の時計台を指した店名のこちらなのだろう。

奇しくも、その和光の時計台が工事用のカバーで覆われた時期に閉店して行くとは、何と言う時代の悪戯なのだろうか。目を下ろすと、三愛のビルに、ドトールコーヒーショップが、入っていた。JR有楽町駅へ、また足を進めてゆく。

いや、とても美味しい、ラーメンだった。  ・・・ 古路地の 永劫の果て 消ゆる味 

(左フォト) 正油焼肉めん/店舗がある路地の入口/卓上の調味料 (2008.11.09)


 銀座時計台 (ぎんざとけいだい)  

 住所:東京都中央区銀座5-9-5 定休日:無休 営業時間:11:30〜21:00(日曜祝日12:00〜20:00)

 アクセス:東京メトロ銀座線他銀座駅下車。銀座4丁目交差点から昭和通り方面へ向かい、二つ目
       の右路地を曲がり少し進んだ右路地を入った左側。


     
日本で一番有名な交差点の時計台。 普通盛りで、麺1.5玉。 銀座四丁目交差点のすぐ近く。 2005.11 みそ焼肉めん

自分にとって銀座と言えば、銀座四丁目交差点で、何度と無く横断歩道を渡っている。地下鉄駅を上がればすぐある交差点で、何と言っても銀座を象徴する建物が四隅にあり、日本で一番有名な交差点と言える。そんな交差点近くにあるのがこちら。地価も半端ではない筈だが、そんな事をよそに風情よく佇んでいた。

創業30年を越す、銀座の有名ラーメン店で、麦みそらあめんが一番人気らしい。チェーン店の「味の時計台」とは、全くの無関係らしい。薄汚れた店内は、昭和にタイムスリップした様で、この自然な薄汚れた壁が、逆に好きな雰囲気と言えた。カウンタ席に案内を受け、座ってメニューを見上げ、麦みそチャーシューらしい、みそ焼肉めん1200円をお願いする。やはり地価が思い浮かぶ値段。普通盛りで麺1.5玉だそうで、充分な量らしい。程なく到着。

豚骨鶏がらのスープに、麦味噌の他数種類の味噌を合わせているそうで、どちらかと言えば懐かしい味わいが良いラーメン。麺が低加水気味で縮れており、独特な舌触りが面白い。チャーシューも比較的良く出来ており、飲み口も意外とさらっと来て良かった。生にんにくの他に、擦り生姜があり、それを後半に入れて楽しむ事も出来た。

銀座に居る事を忘れさせる、銀座のみそラーメンだった。

(2005.11.22)


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