麺創房 玄 東京・新宿 ※閉店





青空に幾つもの表情を見せる白雲と青雲が、また一つのかたちを造形していた、まもなく師走の十一月下旬の日曜日であった。そんな今日は田中玄氏のプロデュース店が、つい先日新宿にオープンしたと知り、そのラーメン店であるこちらまで出掛ける事にした。

氏はJリーグが開幕した平成五年、秋葉原中央通りの路地裏に「ラーメン工房めんめん」と名付けた、四坪半の狭い店舗を開業させたのが始まりであった。

その四年後にはオーガニック食材に着目しており、二年経過した後にそうした食材によるラーメンを具現化させた。それは夏の定番メニューである、冷やし中華一つをとっても妥協しないものだった。そしてその頃店名も「ラーメン創房 玄」と店名を改称させていた。

そんな常に一貫したこだわりがあるからこそ天然素材に着目して、永年のあいだそうした無化調ラーメンに携わって来た田中氏だからこそ、「無化調ラーメンはもの足りない」と言う言葉がさらりと出てしまう所なのだろう。

六年前には週間現代の日本の料理人ベスト100に選出され、四年前から引退してプロデュース業に専念しているよう。昨年には国内だけでなく香港にも進出し、日式ラーメン店のプロデュースを成功させていて、日本を代表するラーメンプロデューサーの一人となりそう。

そんなわけで正午前の、午前遅い時間に店頭へ到着。場所は新宿紀伊国屋書店脇にある、モア5番街の通り内にあった。幅の狭い階段を降りて行くと、地下の店舗はそこそこの広さで、明るく清潔な店内が目前に広がっていた。

厨房にはお店の方が二人おられ、田中店主はたまたま一時的にお出掛けのようであった。階段の下にあった券売機で、玄流の塩チャーシュー麺と半ライスボタンも連打し、振り向いてチケットを手渡してそのすぐそばのカウンター席に腰掛けた。

11月20日に無公表で静かに仮オープンさせ、24日に公式サイト等で告知の上で本オープンを迎えた。店内はほぼ満員に近い盛況ぶりで、通りすがりには見えない方々で席が埋め尽くされていた。

券売機の横の壁には大きな日本地図が描かれており、日本各地に点在する利用食材が、どこからやって来たものなのかを明瞭にしていた。程なく到着。おお、何という荘厳なビジュアルのラーメンなのだろうか。

各地に散らばっていた玉(ぎょく)が集結して本懐を遂げる物語があったが、まさしくこれも田中氏の手により成し遂げられた本懐であり、その類い稀なる食材のバランス感は、見ただけで或る程度だけだが伝わって来るものが在った。もう、各地の厳選素材が集結して、「麺創 味美発展玄」と言った感じか。

それではと行かせて貰えばそれはもう、いやいやいやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

チャーシューはあらかじめ中華鍋を使って再加熱されており、その豚肉は安全を証明するSPFポークのブランド豚で、農林水産大臣賞も受賞している茨城県東南部の行方市で飼育された美明豚と明示されていたが、これがもう実に旨いものであった。

塩ダレにはミネラル含有量世界一の宮古島の雪塩が使われているそうで、そうした玄流のタレは製造に10時間近く手間隙を掛けているそう。ちなみに沖縄のぬちマースは、ミネラル含有種類が世界一。

もう気が付けば完食だった。なお玄麺の醤油ダレには、創業百年を迎え伝統製法を守り続ける、茨城の黒澤醤油の再仕込み醤油「醤蔵(ひしおぐら)」等を利用しているらしい。いや、とっても大変に美味し無化調塩らーめんであった。

(左フォト) 玄流塩チャーシュー麺/生産地の案内/店頭外観 (2009.11.29)


 麺創房 玄 (げん) 新宿三丁目店    ※公式サイトはこちら

 住所:東京都新宿区新宿3-17-13-B1F  TEL03-3225-0253

 営業時間:11:00〜 ※スープ終了まで   定休日:無休

 アクセス:JR新宿駅東口下車。すぐ地上に出ないで東京メトロ丸ノ内線へ向かうように進んで
       行き、そこを越えて地下通りB7出口かB8出口を上がる。出たら右手に進んですぐ
       ある右路地のモア5番街を入って行った右側にあり。



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