ふうりゅう 東京・梅島







昨日の天気予報通りの雨が、朝から止めどもなく降り注いでいた、六月後半の休日の日曜日の午前中だった。

三十代の頃、市川市の今井橋の袂にあったアパートに、身を寄せていた家電量販外商営業時代だったなら、間違いなく自宅でゴロゴロとしながら、くだらない番組を見ていた事だろう。

そんな今日は、先日社内にあった胡麻に関する本を、何気なしに読んでいると、こちらのお店が紹介されているのが目に止まった。

一緒に映っていた、担々麺がウリのラーメン専門店らしく、それはもう見ただけでひしひしと美味しさが伝わって来たラーメンだった。

自宅に帰ってからパソコンの電源を入れ、店名などを入力してネットでその評判を調べるとすこぶる良く、誰もがその担々麺の美味しさを称えていた。

住所は東武伊勢崎線梅島駅改札口のすぐ目の前で、何度となく電車で行き過ぎていた線路のそばであった。梅島駅は一度も降りた事が無い駅で、その様なラーメン店が存在していたとは、ついぞ知らずにいた私であった。

そんな訳で雨そぼ降るなか、雨でも駅のすぐ近くと言う事で、こちらへ出掛ける事にした。路線バスを使って松戸駅に出て、北千住で東武電車に乗り換え、梅島駅のホームに降り立った。

はてさて?もちろん単線でも無いのに、上り電車が発着する場所が対局側に無い。と思ったら、やたら長いプラットホームを半分に区切って、下りと上りの発着場所に使い分けていた駅で、下車して初めてそれに気が付いた次第であった。

店頭には開店数分前に到着した。雨もあったので、改札口辺りで雨を凌いでから、また来るかと振り返ろうとした。すると、男性が一人店頭で傘を窄め、一番客として待ち始めたのが目に止まった。

つい最近知った人気店。開店数分前に何人も並び始めて、ちょっと目を離したスキに、結局その後ろに並ぶ羽目に陥った事も、結構実は多く経験したりしている。

これはまずい。と気が付き、雨除けも充分な広さがあった事も有り、その方の後ろに着く事にした。まもなくすると、親子が来られて開店時には4人となり、こんな雨の日でこの状況とは、こちらはなかなかの人気店であった。

そして、店内が明るくなったのを合図に、入り口のガラス扉が開き、一様に店内へ引き入れられた。充分な数のカウンター席があり、まばらになって思い思いの席に各人が散らばって腰掛けて行く。

メニューボードには「担々麺と餃子・ふうりゅう」と店名の上に冠があり、餃子もお薦め主力商品の模様で、一番客の方も、その二つをオーダーされていた。ともあれ私は担々麺を堪能したい事もあり、800円のそれだけをお願いした。

外列に並んだ4人が落ち着くと、入り口からは止みそうもない、雨音の調べだけが入店して来るのみであった。

店主とその奥さん二人で営業している御様子で、ドンブリを四つ並べて、手慣れた手つきで湯切りした麺を一気に投入して行き、鮮やかに具材が並べられて程なくやって来た。

その頃になると、後続客が入って来られた。

おお、胡麻の本のフォトで既に美味しそうだったが、そんな担々麺が目の前に置かれると、さらなる色の鮮やかさに、ゴマの豊かな香りが出汁の湯気に沿って来て、もうたまらない状態になった。

それではと行かせて貰えば、いやいやいや、これはもうもうもう、美味い美味い美味い美味い美味い。

ひとくちに担々麺と言っても、各店によって色々な担々麺があるもので、実に様々な顔を表してくれる麺料理と言えた。

最近は花椒が効いたタイプや、唐辛子をかなり入れたものが主流だが、こちらは豊かなコクのある練り胡麻を前面に打ち出した担々麺だった。

そして挽き肉のうま味や、柔らかで味のある青菜に、中太やや太やや縮れの麺がしっかりと茹でられており、これはかなりに完璧によく出来た担々麺で、大変美味しい担々麺であった。

最近は太い麺が流行っているが、麺の実力が出ていないで、提供される場合があると実に悲しいが、そんな事も無く、麺が「メンキューベリマッチ」と言っているに違いない(麺は喋りません)。

濃厚な割りには辛さも塩気も適度で、何とも言えない満足感が最後まで窄む事は無く、むしろ拡大していくシフトであった。

カウンタトップには、担担麺の由来と称した案内があり、中国四川省成都地方で生まれ、酸味・甘味・辛味・苦味・痺れ・香り・塩味の七味が味付けされている事や、担いで行商した謂れが記されていた。

気が付けば完食。良くて感動した事を主張したくなり、精算時に思わずその旨を口にした。いやいやいやいや、とんでもなく、もう美味しかった。


(左フォト) 担々麺/その拡大画像/店舗外観/駅前から見える店舗 (2009.06.21)


 ぎょうざと担々麺 ふうりゅう

 住所:東京都足立区梅田8-3-11  定休日:月曜日  営業時間:11:30〜14:00/18:00〜23:00

 アクセス:東武鉄道伊勢崎線梅島駅下車。改札前の通りを左に少し進んだ右側にあり。



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