西麻布 どぎゃん 東京・小川町 ※閉店









時折りそよぐ風が春季を誘い、見渡せばスカイブルーの雲一つない大空。何処かで咲く紅い花を探しに出掛けたくなる様な、うららかな十一月末日の日曜日だった。

以前は西麻布にあった、西山ラーメンの麺を利用するこちらが、何と小川町にやって来たらしい。閉店と言う噂もあったが、心機一転のオープンの様だった。

西麻布で開業した頃に何度か訪れていて、二年前にも一度再訪問を果たしたラーメン店だけに、小川町での営業開始はとても嬉しいニュースと言えた。

そんな訳で出掛ける事にした本日だった。天気が良かった事もあり、JR御茶ノ水駅から緩やかな坂を、下りながら歩いて行く午前11時半過ぎ。

その店舗は、靖国通り沿いの大きくカーブした付近にあった。ニッピンやビクトリア等のスポーツショップが多く立ち並んでいる周辺で、その中の白い8階建てビルの一階にあった。

ひらがな店名の「どぎゃん」の文字が、赤い文字で描かれていて、西麻布の地名が添えられており、あのお店であった事を如実に表していた。

店内に入ると、やはり未だオープンしたばかりらしく、インフォの少ない店内が広がっていた。小川町の新しい店頭では味噌の文字が大きく躍っていて、味噌ラーメンをウリにしていたが、以前より西山麺もあり味噌味が主力のこちらだが、醤油味のラーメンしか食していない私だった。

よってそこは必然的にも、醤油味のらーめんを考え、以前ワンタンをやっていたが、お聞きすると今はやっていないそうで、その代わりの様にチャーシュー麺があり、こちらのチャーシューも随分良かった事をそこは思い出し、それで行こうと決め直してそのボタンにタッチした。

カウンター席のほぼ中央に腰掛け、券を渡して周囲を見回すと、地下には四十もの席がある様子。

その分厨房も広くなっており、見覚えのあるお年を重ねた大将に、お若い方が二人と、フロアーには接客係の若い女性が一人の、四人体制で営業していた。

色々な段取りをしていそうな、お若い一人に話しかけると、西麻布は閉めての移転だそう。平日だとライスの、無料サービスがある、インフォがあった。

味噌と醤油以外に、塩味のラーメンもある、三本柱のラーメン店。程なく到着。

おお、以前のラーメンと比較すると、台湾ラーメン的な揚げネギが浮いていなかったりして、かなり仕様的には進化したらしく変わっていた。

しかし醤油スープの色は、こちらを彷彿させるものがあり、かなり札幌味噌的に食欲をそそらせる、スタイルのラーメンがやって来た。

それではと口にして行けば、これがもう旨い旨い旨い旨い旨い旨い旨い。チャーシューがまた、以前と若干違っていたが、やはり旨い旨い旨い旨い旨い旨い。

焦がしラードに豚骨の背脂がまったりと来て、往年なる熟練さも感じるラーメン。麺は味噌に較べれば、あっさりしている醤油スープだからなのか、低加水やや縮れの食感の演出力がまたシブかった。

どちらかと言えば、昔ながらでありつつも新しい息吹があり、店名の様に「どぎゃん?」と語りかけて来る様な美味しさだった。本当に来たら「え?ゴーギャン?」と、聞き直してしまいそうだが。(おいおい)

大将はやはり、熊本のご出身の方だそうで、豚骨ラーメン全盛時代に開業し、その豚骨を組み合わせた独自のラーメンを編み出したらしい。気が付けば完食。

いや、今日の晴れ渡る青空の様に、それは旨いラーメンだった。

(左フォト) 醤油チャーシュー麺/1階カウンター席/店頭案内/店頭外観 (2008.11.30)


 西麻布 どぎゃん

 住所:東京都千代田区神田小川町3-2サニービル1階 

 定休日:未定  営業時間:11:30〜スープがなくなり次第

 アクセス:都営地下鉄新宿線小川町駅下車。B5出口から出て靖国通りを神保町方面へ向かう。
       ニッピンを過ぎて少し先の右側。秋葉原周辺拉麺MAPはこちら

2006.05西麻布時代 店舗外観 2006.05西麻布時代 しょうゆワンタンめん

  

※以下は「港区西麻布4-6-8」時代。

自宅近くに西山麺のラーメン店が出来て、記憶の断片から、こちらのお店が浮上した。もう何度となく、浮かんでは沈んで来た記憶のお店。6〜7年前に仕事の合い間のランチで、数度だけ入ったお店。その時は、それ程食べ歩かない頃で、それでも揚げネギで喜楽を思い出し、ここで初めて石神氏の名前を知ったものだった。店名は熊本方言の、そして北海道の西山麺の、そして和歌山の豚骨醤油っぽいスープ。もうこれは、諸国漫遊記的ラーメンと、当時思ったものだった。

そんな訳で某店の後、日比谷線電車に乗り、広尾駅で下車して店頭に立つ。あの時と変わらぬ姿が、目の前に風情良く佇む。中に入り先客ゼロの中、店主近くのカウンタ席に腰を降ろす。石神氏のくたびれた色紙が、大事そうに同じ場所に貼られていた。以前来た事を告げると、創業した頃と教えて頂いた。確かワンタンが良かったと思い出して、しょうゆワンタンめん850円をお願いする。厨房には、お弟子さんの様な若者もおられた。程なく到着。

いやいやいや、いや。もうこれは、旨い旨い旨い旨い旨い旨い。なんちゅう力強さの、茶濁醤油スープ。ゲンコツに鶏ガラと言う事らしい。以前と較べて、アウトラインは変わらずに、確実に良くなって、進化の二文字が光る。そしてモヤシのプリプリさがたまらなければ、麺の低加水気味でボンボン来る弾力もたまらない。ワンタンのぷりぷりした皮から、旨い肉餡がまた素晴らしい。チャーシューも柔らかいのに、繊維質が絡んで来る楽しさ。本当に旨いラーメン、ここにもあり、だった。いやいやいや、旨かった。(2006.05.31)



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