支那そば びぜん亭 東京・飯田橋





地表の温度を奪うような冷たい雨そぼ降るも、まだ降り始めもあって傘無く小走りで駅前を過ぎる人も少なくなかった、十一月も後半となっていた火曜日の朝だった。

そんな今日は再訪したいお店が数多くある飯田橋界隈と決め、そんな中で訪問先は悩んだあげく長年の宿題店だったこちらにする事にした。

行きたいお店が新店のオープンもあり日増しに増えて行くばかりな中で、再訪したい美味しいラーメン店も日増しに増えており、それ程にラーメン店は数多くあると実感する事ができ、飯田橋は隠れた名ラーメン激戦区と言える界隈だった。

初めてこちらを知ったきっかけは、当時勤務先から比較的近かった小川町のきびさんの修行先と言う事からであった。そのきびさんも、品達に支店がしばらく前にオープンして、かなりメジャーなお店となった。

また六本木で長年営業して百合ケ丘へ移転した後に、こちらの近くへ移転して来た、訪問した事が一度だけあるしる幸さんもこちら出身と行ってから知って驚いた事があったものだ。

そんなお店の総本山であるこちらだったが、気が付けばまだ未訪店の一つになってしまい、気にかけていたお店だっただけに今回の訪問となった。あいにくの雨のなか正午頃に入店。小じんまりとした入り口に店内もそんな風情で、不思議と安らげそうな雰囲気を作っていたこちらだった。

先客で殆ど埋まっていた席だったが、ほんの数席だけ空いた席があり、中程のそんな席に腰を降ろした。振り向いて見上げるとメニューがあり、そこから人気メニューらしい、ちゃあしゅうそばの大盛をお願いした。

するとランチタイムのサービスなのか、小型の俵形した炊き込みご飯のお握りがやって来た。それがまた食欲をそそらせるもので、思わずひと足早くほお張らせて貰ったが、これからしてまず美味しいものであった。

後続が続く店内。常連さんらしき先客の方々と語らう店主と奥さん。間が空いてから、きびさんに以前よく訪問した事があって、今回来させて貰った事を話すと、喜んで歓迎してくれた店主だった。程なく到着。

おお、そのなんとも言えない風情は、誰にも真似出来ないオーラに満ちていた。雰囲気を似させる事は出来ても、そこまでのものとなる事だろう。その料理は優雅に佇みながらも、どこか大衆的な存在感があり、それはとてもラーメンらしいカテゴリーとなっていた。いやいや、何ともこれは美味しそうだ。

それではと行かせてもらえばそれはもう、美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い。優しい味わいの醤油スープは甘い背脂が寄り添って来て、じんわりと心を揺さぶる美味みは、忘れかけた郷愁を誘う思い出の如く。

とろけそうなチャーシューは程よい味の濃さで、中細やや細ちぢれの麺は、出しゃばらず邪魔せず存在感を消す事なくその良さを表出していた。

メンマはこんなに美味しいものだったかと思わせるものがあった。海苔がちょっとない厚みがあるもので、足立区で作っているらしく、言うなれば江戸前だそう。

寄せては返すさざ波のように、うま味が付かず離れずで飽きの来ない、そんな美味し支那そばと言える日本料理と言いたくなる良さがあった。

まもなく完食して精算が近い頃、後続して来られた方が先に食事が終わったようで支払いを済ませていると、その方がよく町田市内にあるらしい「でくの坊」へ行っている方のようで、そのラーメンをべた褒めてしておられた。

するとそちらもこちらで修行された方が営むお店らしく、先程私がきびさんの話しをした時のように、笑顔で出世した我が息子を自慢するかのように喜んでおられた。

気が付けば完食である。私も精算してお礼を告げて外に出る。入店した時と同じ、雨がそぼ降る界隈。おだやかな時間であった事に気が付いた。大変美味しラーメン、ここにも在りであった。

(左フォト) ちゃあしゅうそば大盛/サービスおにぎり/店舗周辺風景 (2009.11.17)


 支那そば びぜん亭

 住所:東京都千代田区富士見1-7-10   TEL03-5276-2339

 定休日:土曜・日曜・祝日 営業時間:11:30〜22:00

 アクセス:JR総武緩行線飯田橋駅西口下車。改札前の道路を左手に進んで行き十字路を二つ
       突き抜け、その次の左路地を入って80m程歩いた右側にあり。



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