あら田 東京・有楽町 ※ラーメン提供終了





陽射しが顔を出さずに、梅雨らしい雲が空を覆っていた、七月上旬休日の土曜日だった。

三ノ輪の「一茎草」がいつの間にか休業していたようで、それを知ったのはこちらのオープンを伝えた、ケータイラーメンサイトのレポートだった。さっそく田中氏のブログを開くと、高田馬場の新店工事状況を伝えるなか、提供しているメニューがこちらでも始めた事を知り出掛ける事にした。場所はあの帝国ホテルの目の前で、その周辺と言えば二十代の頃に映画を見ようと、よく行った日比谷映画街がある場所の近くだった。

店頭に到着すると若いお兄さんが、こちらの営業を知らせる呼び込みをされていた。その方に田中氏の事をお聞きすると、今日はまだ来られていないらしい。幾つか質問をしていると、店内から別の方が出て来られて、その方から移転の話しを確認する事ができた。三ノ輪はまたラーメン店を始めるにしても、田中氏とはまったく関係ないらしい。

さてそれでは入店するかと、二階へ上がる場所を探しにビルの奥に入ろうとすると、その方に呼び止められ、経営が同じ一階のこちらも田中氏がプロデュースしているらしい「麺喰楼」と入り口も同一だそうで、入ると精算するカウンターも同一となっていた。

そしてさすが有楽町の帝国ホテル前もあってか、そこに案内で現れた接客係のウェイトレスさんは、フランス人っぽい女性で、日本語を流暢に操りながら、ラーメンかつけ麺かの確認をされて来た。そこでラーメンと一言伝えると二階へと誘導してくれ、オープンまもない時間もあり、先客ゼロの店内の奥の窓際のテーブル席へ案内してくれた。

メニューから選んだのは、今まで気になりながらも未食であった、話題の究極らーめんとこちらで紹介していた、玄菜麺を件の外人ウェイトレスの方にオーダーした。こちらのメニューには、「玄菜麺:ベジタリアン」と記されていた。ちなみに帝国ホテルの前で提供すると言う事で、以前よりも今回グレードアップしたレシピになっているらしい。

入店する前にお店の方が言っていたが、田中氏がおられなくても常時一流のシェフが厨房にいるので、安心して田中氏がプロデュースする美味しいラーメンを提供できるそう。程なく到着。

おお、なるほどこれは、見るからにビューティフル。食すのがもったいない程で、いとおしくさえも感じてしまうほど。動物系食材も魚介系食材も入っていないそうで、麺は小麦粉だから100%植物だけで作られたラーメンで間違いないそう。実はそんな事もあり、もの足り無さを感じる事を恐れて、口にしていなかった。

しかし氏のブログを読めば読むほどに、それは取り越し苦労にほかならない事が理解でき、しかもバージョンアップまでしているのだから大変に興味深い。顔を近づければ、ふわりと浮かぶ湯気と共に、野菜が持つ濃厚で、淡泊な香りが迸っていた。それではと口にすれば、それはもう、いやいやいやいや、美味い美味い美味い美味い美味い美味い。

野菜オンリーだけに優しい味わいで、殆ど浮かない油さえも植物油だが、比較的こってり系なラーメンを好む私にとって、このラーメンは実に驚きに満ちていた。一体何処から生じるかと思うほどに、この華麗なビジュアルと淡泊な味わいから、想像もつかない程の満足感が得られ、それはある意味エキセントリックでもあった。

おそらく普段スーパーで買う野菜とは、野菜が持つ成分の密度が違うのだろう。それで十二分なバランス感覚も冴えた、うま味に満ちたラーメンになっているのだろう。揚げたレンコンのサクサクとした食感に、おからが練り込まれているらしい中太麺も、プリプリして実に良かった。もちろん田中氏だけに無化調だが、実にラーメン本来のバランスにも長けていた。

気が付けば完食。気が付けば満足感。そして気が付けば田中氏の、理念のカタチを実感できた。水菜がよく見るラーメンの具材だけに、唯一流行りのラーメンとの橋渡しをしている様にも見えた。帝国ホテル前と言う事で、海外の要人にも口にして欲しい逸品である。いや、既成概念が変わるラーメン、ここにありだった。

(左フォト) 玄菜麺/雰囲気の良い店内/店頭外観  (2009.07.04)


 あら田  ※公式サイトはこちら

 住所:東京都千代田区有楽町1-2-15UNビル1・2F

 定休日:日曜日 営業時間:11:00〜15:00(LO14:30) ※夜も営業するが、ラーメンは昼のみ。

 アクセス:JR山手線有楽町駅日比谷口下車。日比谷映画街付近のガード沿い。徒歩およそ6分。

  

  2009.07.04 コップにも店名が刻まれていた。   2009.07.04 直ぐ目の前は海外の要人も宿泊する帝国ホテル。



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